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読書・文学

2013年06月21日

聖なる酔っぱらひの伝説

ヨ−ゼフ・ロートの「聖なる酔っぱらいの伝説」池内紀訳(岩波文庫)を読みました。
ヨーゼフ・ロートといへば、何と言っても「ラデツキー行進曲」でせうが、なかなかの大冊といふ事もあり、我が家の本棚でもう何年も開かれる事もないまま眠ってゐます・・・。
いやしかし、あまり文学なるものを読まない人にとっては、やはりこの「聖なる酔っぱらひの伝説」の方が有名かもしれません。なんといっても、こいつはエルマンノ・オルミ監督によって映画化されてますから。
私も公開当時、お、ルトガー・ハウアーやん!これは是非観にいかねば!・・・と勇み立ったものの、結局行けず。未見のまま現在に至ってゐます。
なんか、ヨーゼフ・ロートと縁が薄いなぁ。

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2012年12月12日

『アラブの春』の正体

よく「自分と同じ誕生日の有名人は誰々〜」といった事が話題に上がりますが、さういった時、私はいつも「ピエール・クレマンティ」と答へます。「昼顔」「豚小屋」「スイートムービー」といった映画で有名な俳優で、むろん私も大ファンである事からあげるのですが・・・、どーにも昔から、「誰それ?」と言はれる事が多い。最近は、ますますさういった事が増えてきました。確かに、とっくに亡くなられた人ですし、知らない人が増えてきても仕方がないのかもしれません。が・・・、なんか虚しい。
で、最近は他の人の名前をあげる様になりました。それは・・・重信房子です!実は私、重信房子とも誕生日が同じだったんですねー。

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2012年06月21日

三島事件

前回、若松孝二監督の「11.25 自決の日」について書いた時に、三島事件に関するこの作品の解釈は了とするけれども、自分の考へはまた別、といった事を書きました。それはその通りなんだけど、若い頃からの三島ファンとして、また“元・右翼と呼ばれた男”として(“元”の多い人間だな、我ながら)、些かの誤解を招きかねないと思ひましたので、三島事件に関する私の考へを書いておきたいと思ひます。

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2010年06月06日

圧縮文学集成

可能涼介から「圧縮文学集成」(論創社)が送られてきました。

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2009年10月17日

真理先生

本を読みたいのに、読む時間がない。と言ひ続けてもう何年になるのか。
学生時代ならともかく、社会にでて働き始めると、本なんか読む時間はなくなる。といふのが世の常なのかもしれません。
私は、本を読んで音楽を聴いてゐれば幸せな質なのですが、そのどちらも満足にできない、となれば、薄らと不満が溜まっていく訳で、それが10年以上続くと、結構つらいことになったりもします。

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2009年10月12日

圧縮批評宣言

私はもともと友人の数が多い人間ではなく、昔から少数の人間と濃く(?)つき合ふ、といふタイプでした。振り返ると、幼少の頃から私は常に親友・・・ともいふべき友人がどの時期にもひとり居て、主に彼とばかりつき合ふ、といふ形をとってきた様に思ひます。
しかし、現在、それらの親友たちとは、全くと言ってよいほど付き合ひはありません。様々な理由から彼らとは疎遠になってしまひました。そして、現在、子どもの頃から付き合ひのある人間はひとりも居ない・・・・・・と、書きたい所ですが、豈図らんや、ひとり、居るのです。そこまで深くつき合った事もなく、なんとなく、ずるずると、なんだかお互ひの関係がよく分からないままに付き合ひ続けてゐる人間が。
それが、可能涼介です。

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2009年06月07日

ムーミン

最近は、ずうっと「ムーミン」を読んでをりました。
「ムーミン」といへば、我々の世代なら、「ねぇ、ムーミン」のテレビアニメといふ事になるんですが、私、多分この番組は見てゐたと思ふものの、全く記憶にありません。オープニングの歌とその映像、登場人物の名前や性格くらゐは覚えてゐるのですが、話を全く覚えてゐない。トモコなんか、よく覚えてゐるのですが、うーむ、はて。

ま、私は幼い頃の記憶は「ムーミン」に限らずほとんどないんですけどね。

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2009年05月20日

多読術

先日、と言っても一月程前ですが、「多読術」松岡正剛著を読みました。

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2009年05月05日

グローバリゼーションと音楽文化

「グローバリゼーションと音楽文化」木本玲一著(勁草書房)を読みました。
木本玲一?・・・これは、もしかして・・・01くんではないか!
やー、クラブ遊びを続けたり、DJをしたり、メイド喫茶に通ひつめたり、カフェ巡りや食べ歩きをしたり、バイクのクルージングを楽しんだり、様々な本、レコード、ゲームに耽溺したり、・・・、と、風流の限りを尽くしてばかりゐると思ってゐたら、こんな堅実な仕事もしてゐたとは。
副題が「日本のラップミュージック」とある様に、如何にして日本にラップミュージックが根付いていったか、を描いた本。01くんのフィールドワークがいかされた、とても興味深い本となってをりました。

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2008年08月07日

本の整理

実家へ本の整理をしに帰りました。

なんでも実家が家の修繕(なんと阪神大震災の時に受けた被害の修繕!)をするさうで、それに伴ひ、私が実家に残していった本を整理しろ、と。邪魔だ、と。うーむ、困るなぁ。ただでさへ、現オパールの整理で大変なのに・・・(かういふのって、重なるんですよね、不思議と)

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2008年02月22日

スーパーフライの帰還

『アメリカン・ギャングスター』マーク・ジェイコブスン(ハヤカワ文庫)を読みました。

 これは映画『アメリカン・ギャングスター』の元になつたもので、本物のフランク・ルーカス(『アメリカン・ギャングスター』の主役。70年代の麻薬王)を訪ね、昔の話をあれこれ聞き出す、といふルポです。こいつがまた! 非常に面白かつたのです。映画の何十倍も面白い。これをそのまま映画化すれば良かつたのに…、と思はず呟いてしまひました。ま、そのまま映画化しても、今のリドリー・スコットではやはり面白くないかもしれませんが。

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2008年02月20日

川端康成と東山魁夷展

 京都文化博物館に「川端康成と東山魁夷展」を観にいきました。

 入るといきなり浦上玉堂の『凍雲篩雪図』があり、虚をつかれました。この絵は、何年か前に同じここ文博で「川端康成展」を観た時に最も感銘を受けた絵でして、これは文人画の最高峰ではないか、と、碌に文人画なんてみた事もないくせに思つたモノだつたのです。

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2007年08月19日

恐怖の存在

 マイケル・クライトン著『恐怖の存在』上・下(早川書房)を読みました。

 この小説にはELF(環境解放戦線)といふ過激派団体が出て来ます。こいつらが、人類に地球温暖化の危機を強引に訴へるべく様々な環境テロを仕掛けようとする。ハリケーンを起こしたり、津波を起こしたり。それをみな「地球温暖化のせゐだ!」と宣伝しようといふ訳です。それを、主人公たちが防がうとして、両者の間に激しい戦ひが行はれる…といつた内容です。

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2007年03月21日

江戸文字

『江戸文字入門』橘右橘著(河出書房新社)を読みました。

 江戸文字とは何か。それッて、勘亭流の事ぢやないの? と、素朴に答へたのは私。ところが、さうではない。むろん勘亭流も江戸文字の一種ですが、江戸文字には勘亭流・寄席文字・相撲字・狭義の江戸文字(千社札に書く)の、4種類があるのであつたー!

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2007年03月19日

ドヌーブとタバコ

 先日フランス映画祭のために来日したカトリーヌ・ドヌーブが、記者会見中にタバコを喫つてゐた、しかもフランス大使に火をつけさせて、といふのが話題になつてゐますね。

 さすがドヌーブ! 正にフランス人、大女優の風格、といふのが大方の意見の様です。私も同様です。最近はスッカリをばちやんになつてしまつて、些か残念な気持ちもあつたのですが、今回の件で完全に見直しました。反タバコの風潮なんてなんのその! さすがドヌーブ!

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2007年03月09日

私の財産告白

 本多静六著『私の財産告白』(実業之日本社)を読みました。

 本多静六は、貧窮の中から身を起こした学者でありながら、金儲けもうまく、大富豪となつた人です。この本は、最高のお金持ち哲学! と賞賛されてゐる、伝説の名著です。

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2006年10月21日

引用日記 カフェ

「それがフランスのカフェであつて、名目はコオヒイを売る店なのであるが、それよりもこれは実は、何もしないでぶらぶらしてゐる為の場所なのである」

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2006年10月20日

引用日記 人間的

「人間的であることの本質とは、完全さを求めないことであり、ときには信義のために実際に進んで罪を犯そうとすることであり、親しい交友を不可能にしてしまうほど禁欲主義を推し進めたりしないことであり、個々の他人に対して愛情を注いだ当然の代償として、ついには人生に敗れて破滅する覚悟を持っていることなのだ」

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2006年10月19日

引用日記4 空想

「完全な空想はやがて事実として発現し、完璧な理論は必ず未来の事実に敗北する」

「人の最大の楽しみは、誰がどんなに否定しようと空想なのだ」

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2006年10月18日

引用日記3 オーガズム

「真のオーガズムを体験すると、人は変わる。地球上の人々がみんなオーガズムを体験すれば、今より世の中はずいぶん住みやすくなるはずだと、私は真剣に考えている。」

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2006年10月17日

引用日記2 方法

「まず絶対に一つのことに邁進しなさい。しかも十年間一つのことをじっくりと修行して、揺るぎない方法というものを身につけなさい。それによって将来どういうふうにでも応用がきくから」

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2006年10月16日

引用日記

 10月に入つてから、いきなりヒマになつた。平日が酷い。ほとんどお客さんが来ない。ま、それはそれとして困つた事で、色々と考へなければならないのだが、かうなると日記に書くこともなくて困る。正に、泣きッ面に蜂、といつた感じだ。

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2006年09月24日

沖縄文化論

 岡本太郎著「沖縄文化論ー忘れられた日本」を読む。これはまだ沖縄が日本に返還される前、アメリカ占領下にある沖縄に岡本太郎が行つた時の文章である。岡本太郎独自のグイッと深層を掴む眼力と、常に正直たらんとする気迫によつて、思はず吹き出してしまふところ満載の好作品となつてゐる。

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2006年08月31日

いはゆる落日燃ゆ

 小林よしのり著『いわゆるA級戦犯』を読む。東京裁判が如何にデタラメで、実はあれは裁判でも何もなかつた、といふ事。A級戦犯といふ言葉が如何にデタラメで、実はあの人たちは戦犯でも何もなかつた、といふ事。などが分かりやすく描かれてゐた。

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2006年08月29日

どっからでもかかって来い!

 可能涼介来店。「いやー、この歳になると、ますます時間がない。だから無理にでも理想の生き方をしなければ、といふ気になるよなぁ」と言ふ。

 ほう、理想の生き方ねェ。で、どんなのさ、それ。

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2006年08月28日

吉村昭

 先日、作家の吉村昭氏が逝去されたが、実はそれが自裁であつた、といふニュースを読んで驚いた。吉村氏は癌だつたのだが、かねてからの宣言通り延命治療を拒否、自ら身体に差し込まれて居る管類を引き抜き、周りに居た家族の人に「ぢや、死ぬよ」と一言残して、数時間後に眠る様に息を引き取つた、といふ。ううむ、偉い! と感服しました。

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2006年07月25日

ドーダ

 東海林さだお『もっとコロッケな日本語を(文春文庫)を読む。東海林さだおと言へば、もちろん漫画家さんな訳だけれど、文章の方でも評判が高く、それも目利きや通人の様な人々からも絶賛されて居る人である。

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2006年07月21日

昭和史からの警告

 副島隆彦と船井幸雄の対談本第2弾、『昭和史からの警告』が出た。これは、現在の日本の状況は第2次世界大戦突入前のそれに似てゐる。故にこのままでは日本は新たな戦争に突入してしまふ! といふ警告本である。

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2006年07月19日

よしりん偉い!

『新・ゴーマニズム宣言』の最新刊『中流絶滅』を読む。…えらい! やはり偉いわ、小林よしのりは。いや、私は小林よしのりを、この日本で最もよく闘つてゐる人だと認識し、普段から尊敬の念を持つては居るのだが、あまり熱心なファンではない。つまり普段はあまりその著作らを読まないのだが、たまーに読む。すると、必ず猛烈に感動し、「小林よしのり偉い!」と唸つてしまふのだが、今回も久しぶりに『ゴーマニズム宣言』を手に取つてみると…、えらい! やはり小林よしのりは偉いわー!!! と、猛烈に唸つてしまつた、といふ次第である。

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2006年06月06日

ダーク

 桐野夏生著『『ダーク(上)』文庫ダーク』を読む。これはいはゆる「村野ミロ」もののひとつで、主人公は勿論村野ミロである。しかし、いやはや、噂には聞いてゐたものの、なかなかに凄い。今までの『顔に降りかかる雨』『天使に見捨てられた夜』『ローズガーデン』『水の眠り 灰の夢』などの作品に出てきた人々がゾロゾロと出てくるのだが、これらの人々がみな恐ろしくダークに、ネガティブに、反転して描かれてゐるのである。

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2006年05月29日

ウェブ進化論

 話題になつてゐる『Amazon.co.jp: 『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』ウェブ進化論』梅田望夫(ちくま新書)を読む。著者は、日本人にはオプティミズム(楽天主義)と果敢な行動主義が足りない、とし、自らオプティミスティックにこの本を書いた、と述べてゐるが、確かにあまりに楽天的。といふか、そのあまりに初心で底の浅い世界理解を見てゐると、オプティミズムとは思考停止の事ではないのか、と文句のひとつも言ひたくなつてくる。かなり問題のある書だと思はれるので、僭越・非力ながら批判しておきたいと思ひます。

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2006年04月10日

こぐこぐ自転車

 朝から雨。それも激しい雨。今日はオパールに出勤する前にジムへ行く予定だつたのだけれど、あまりの雨の激しさに断念。「風が吹いたら遅刻して、雨が降つたらお休みで〜」とカメカメハの歌を口ずさんで自分の気持ちを納得させる。

 代はりに、ババさんから借りた本『こぐこぐ自転車』を読む。この本の著者は伊藤礼。伊藤整の息子だといふ。と、言つても、もう大学教授を退職したお爺さんである。その伊藤礼が、古希を目前にしていきなり自転車に目覚めてしまひ、自転車をこぐこぐ。その様、その自転車体験から得た様々な感慨・知見を記したのがこの本である。そもそも私は、老人が老境に至つてからも何かを始める(無限成長!)、といふのが好きなので、最初から興味津々でこの本に取りかかつた。そしたら案の定、凄く面白かつた。といふ次第だ。

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2006年04月07日

本の読み方

 テルビスk来店。西村京太郎・赤川次郎・宗田理のトライアングルから抜け出すために、前回は何冊かの本を示した訳だが、なんとテルビスkはそれらを全て読んだといふ。結構偉いな、テルビスk。で、何が一番面白かつた?

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2006年03月15日

急がば疑え!

 日垣隆著『Amazon.co.jp『急がば疑え!』急がば疑え!(日本実業出版社)を読む。これは週刊誌「エコノミスト」に連載してゐる「敢闘言」の単行本化作品である。

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2006年03月06日

個人的発見

 POWERくん来店。「この間、個人的な大発見をしたんですよ!」と興奮気味に言ふ。

 ほう、それは、何?

「いやー、あんまり個人的なことなんで、他の人には面白くないと思ふんですけど」

 いいからさ、何?

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2006年03月03日

読書家テルビスK

 ウメドン & テルビスK来店。おおッと! テルビスK、久しぶりだな。もう、来ないかと思つてゐたよ。いや、何にせよ、来てくれて嬉しい。いらッしやいませ。

「あ、どうもー…、お金も時間もなくてなかなか来られませんでしたー」

 さうなのか。でも週休二日だらう? 週末は何をしてゐるんだ?

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2006年02月27日

嫌オタク流

嫌オタク流』中原昌也・高橋ヨシキ・海猫沢めろん・更科修一郎(大田出版)を読む。これは鼎談形式でオタクについてのアレコレを軽〜く流した本なのだが、とにかく面白い! ッて、いふか、中原昌也おもしろすぎ! 秋葉原のメイド喫茶を廻つて以来、オタクのあれこれについて暇をみつけては考へてきた私だが、いまひとつモヤモヤが晴れなかつた。それを見事に一散してくれる書。様々な事が一気に分かつてしまつた!!! 

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2006年02月23日

シュミラークル

 大方の予想通り、我が家のiBook G4は未だにインターネットに接続されてゐない。やはり、どう考へてもISDNに対応してゐないんだよねー、と、いふ話を先日オイシンにしたら、「そんなの当たり前ですよ! 大体、未だにISDNを使つてゐる人間がゐる、といふのが驚きです!」と言はれてしまつた。ううむ、完全に切り捨て側の人間の発言だな、オイシン。仕方のない奴だ。ところでオイシン、『萌える男』が面白かつたのは分かつたけど、『動物化するポストモダン』東浩紀著(講談社現代新書)の方はどうだつたんだ?

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2006年02月21日

数式の美しさ

 小説『博士の愛した数式』を読んだので、猛烈に数学の本が読みたくなつた。これぐらゐの効用は、この小説にはあるといふ事だ。で、私は部屋の隅に無造作に積まれてゐる数学本の中から一冊抜き出して、読むことにした。『数学の不思議』カルヴィン・C・クロースン(青土社)。5、6年前に買つた本かな。この機会を逃すと、また10年ぐらゐ積まれッぱなしになる怖れがあるからな。気分の乗つてゐるうちに、気合ひをいれてページを捲つた。

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2006年02月20日

小説『博士の愛した数式』

 小説『博士の愛した数式』小川洋子著を読む。いや、ま、なかなか面白かった。もの凄く面白い訳ではないが、ほんわかじんわりとくる感じ。映画を先に観てゐるので、それとの異同を較べるといふ楽しみもあるし。たとへば、映画版と違つて博士は実際の野球を観たことがない、つまり打率や防御率などの数字からのみ野球を楽しんでゐた、とか、オイラーの公式の使ひ方とか(小説の方が劇的で面白い)、9月11日といふ日付の運命的な扱ひとか。

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2006年02月03日

“萌える男”続き

 昨日の続き。この本を読んでゐて、まづ気になるのが、その歴史認識・現状認識のあまりに観念的なところだ。“恋愛資本主義”とは、ネーミングはなかなか面白いけれど、それほど内実があるものとは思へない。

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2006年02月02日

萌える男

 本田透著『萌える男(ちくま新書)を読む。これは自身もオタクで“萌える男”である著者が、“萌え”とはどういふ事か、といふのを説明しやうと試みた本である。先日読んだ東浩紀「動物化するポストモダン」と、“萌え”に関する定義がまるで正反対で、さういつた事もなかなかに興味深かつた。が、最初に私の結論を述べると、この『萌える男』の立論は全く納得できない。歴史・現状認識が非常に観念的で、故に議論が恣意的になり、過剰な自己正当化と手前味噌な結論に満ちてゐると思ふ。ま、それがオタク的、と言へばその通りなのだけれど。

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2006年01月29日

WB2

 雑誌「早稲田文学」がフリーペーパーと化した「WB」の2号が出た。別に宣伝を頼まれてゐる訳ではないが、今回から可能涼介の連載が始まつたので、ま、竹馬の友としてはチョイと触れておくか、といつた次第。

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2006年01月22日

杉浦日向子

 ワリイシさん来店。「これ面白かつたから、もし読んでゐなかつたら是非。どぜうの話も出てきますよ」と言つて、『大江戸美味草紙』杉浦日向子著(新潮文庫)を貸してくれる。

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2006年01月08日

容疑者Xの献身

 東野圭吾著『容疑者Xの献身(文藝春秋)を読む。これは昨年のミステリー界の話題を独占した作品。なんと「このミス」と「週刊文春」のミステリーベスト10でどちらも1位に選ばれたのである。他にも、私はよく知らない有名なベスト10で1位をとつたやうで、三冠王! と騒がれてゐる。ふむ、そんなんなら一度読んでみたいなー、と考へてゐたら、テラリーが持つてゐたので借りて読んだのであつた。

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2005年12月16日

告白

 町田康著『告白』を読了。各所で絶賛されてゐる模様のこの小説。もちろん、といふか、私も非常に面白く読みました。

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2005年12月12日

日記の公開

 可能涼介来店。「先日さァ、NHKで山風(ヤマフウ)の特集番組をやつてゐたんだよ」と言ふ。

 さういへば、最近可能は山田風太郎の全冊読み直し、といふのをやつてゐたのであつた。90冊に満たないくらゐ、かな。それを2、3ヶ月で読み直す、といふ。その前は松本清張の全冊読み直し、といふのもやつてゐて、こちらは200冊に満たないくらゐだと言つてゐたから大変だ。にしても、よーやるよ、そんな事。

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2005年11月07日

WB

 可能涼介来店。「これ、置いて下さいよ」と言ひながらドサッと渡されたのが「WB」といふ名のフリーペーパーの束。あ、これが前に言つてゐた「早稲田文学」のフリーペーパー化したやつだな。なるほど、「早稲田文学」だから「WB」か。

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2005年10月05日

東京奇譚集

 村上春樹著『東京奇譚集(新潮社)を読む。『海辺のカフカ』以来、私の中では村上春樹の評価が上がり続けてゐるが、まァ、そこそこ面白かつた『アフターダーク』を経ての最新短編集であるこの作品。これがまた! とてつもなく面白い作品集であつた。特に冒頭の『偶然の旅人』と次の『ハナレイ・ベイ』、この2作品が凄い。最近日本で書かれた短編の中では最高峰ではないか、などと、他の作品などろくに読んでゐないのを棚にあげて考へたりするほどだ。

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2005年09月06日

沖縄論

 小林よしのり著『沖縄論(小学館)を読む。最近は一寸、小林よしのりを読んでゐなかつたのだけれど(まァ、何て言ふか、もう分かつたやうな気になつてね、言ひたい事とかさ)、この本はババさんが「面白いので是非読んで下さい! 瀬長亀次郎最高!!」と言つて貸してくれたので、読んでみたのである。そして、大いに感銘を受けた。やつぱ、小林よしのりッて、偉いわー。

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2005年08月28日

「秘密結社」と陰謀論

 越智道雄著『「秘密結社—アメリカのエリート結社と陰謀史観の相克」秘密結社(ビジネス社)を読了。考へた事を記す。越智道雄はアメリカ文化について多くの著作を書いてをり、特に陰謀論や原理主義運動、人種・階層間の文化摩擦などについての論考が多く、昔から好きでよく読んでゐた。が、薄々と“この著者と私は拠つて立つ所が違ふな”と前から感じてもゐたのだが、それがこの本でハッキリした。越智道雄はエリート層・体制知識人側に立つ人間であり、私はその逆、なのである。この事を説明しやう。

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2005年08月10日

野球=ノボル?

 私は2003年6月9日の日記で、“野球”といふ訳語を作つたのは正岡子規、それも自分の本名のノボルをあてて“野(ノ)(ボール)”とした、などと得々と記してゐるが、これはどうやら間違ひであつたやうだ。“野球”といふ訳語を作つたのは、本当は第一高等中学校野球部部員の中馬庚といふ人らしい。実際、中馬庚は、訳語を作つた功績により、1970年の野球殿堂入りを果たしてゐるさうだ。うーむ、さうだつたのか。ちなみに、正岡子規が野球と関はりが深かつたのは事実らしく、彼も2002年に野球殿堂入りしてゐる。「ノボル=野球」といふのも根拠のない話でもなく、実は彼は俳号のひとつとして“野球”と名乗つてゐたらしいのだ。私の俳号“煙草(えんさう)”に似てゐる、かな? とにかく、子規は野球大好きで、もちろん野球に関する俳句も多く詠んでゐる。「草茂みベースボールの道白し」など。当時はまだ一般的でなかつた野球の普及に大いに貢献した、といふのが殿堂入りの理由らしい。なるほど、ねー。

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2005年06月26日

海辺のカフカ

 村上春樹著『海辺のカフカ』を読了した。何で今頃? と思はれる方もをられるかもしれませんが、ほら、文庫本が出たんですよ、この春に。私はあまり村上春樹が好きぢやないので、出版と同時に飛びつく、といふ事がなかつたのです。当時、周りでは大騒ぎになつてゐましたけどね。ババさんが思はずレビューを書いてしまつたり、しばらく来なかつたリカさんが来店して「『海辺のカフカ』の世界に引きずり込まれて、ここ最近は現実世界から逸脱してゐました」と告白したり。で、よし、それなら文庫本が出たら私も買つて読まうー、とその時に決心し、律儀にそれを実行に移した、といふ訳です。うむ。そして、驚いた。こ、これは大傑作ではないかァ!!!

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2005年06月18日

平岡篤頼氏逝去

 可能涼介来店。塚本邦雄も倉橋由美子も死んでしまつたなー、といふ話をしてゐると、

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2005年04月25日

失踪日記

Amazon.co.jp: 同じテーマの商品を探す」へ Go! 店が暇なので隣の本屋に行き、吾妻ひでおの『失踪日記』を購入。最近話題になつてゐるマンガだ。吾妻ひでおと言へば、『パラレル狂室』『不条理日記』なんかを持つてゐたが、全てどこかに行つてしまつた。最初に読んだのは、もちろん小学生の時、少年チャンピオン誌上にて『ふたりと5人』を。子供心に「おもろなー」と思つてバカにしてゐたが、この作品は当時編集に無理矢理書かされてゐたもので、吾妻ひでお自身も投げやりに20%ぐらゐの力で書き流してゐた、といふやうな事が、この『失踪日記』に書いてある。この本は、締切から逃げてそのまま「失踪」し、ホームレス生活をして世間から隠れてゐた頃のことを書いた、作者本人の体験に基づく実録マンガである。ま、もちろんその部分も面白い訳だが、個人的にはアル中になつて放り込まれた病院での体験マンガが良かつた。中島らもの小説より上だな、これは。にしても、アル中に関して書かれた文章やマンガを読んでゐると、猛烈に酒が飲みたくなつてくるのは何故だらうか。大伴旅人や李白の詩でも同じ。タナトス、ッてやつかな(いい加減)

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2005年04月17日

大西巨人朗読会

 可能涼介来店。可能は昨日東京の文壇バー「風花」にて行はれた「大西巨人朗読会」に行つてきたのだ。大西巨人が東京に出てくること自体珍しいみたいなので、少し前から話題にはなつてゐた。で、様子をきいてみる。

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2005年04月16日

合はない

 書くことがないので、昨日の続きといふか、斎藤一人の本についてさらに書く。

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2005年04月15日

変な人が書いた成功法則

 斎藤一人著『変な人が書いた成功法則』を読む。斎藤一人は「銀座まるかん」の創業者であり、中卒から始めて、高額納税者番付の実質1位を何年もキープ、2003年には累積納税額まで1位になつてしまつた超成功者である。かういつた人は「変な人」、つまり独自の哲学を持つた人が多く、なかなか面白い。で、実はこの本は可能涼介に勧められたのだけれど、読んでみてなかなか面白かつたので、ここにその内容を紹介する。

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