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2015年03月04日(Wed)

2月23日〜3月2日 etc

イタリア事情

powerくん来店。「やー、どうもー!お久しぶりです!」と、約2年のブランクを全く感じさせない挨拶。powerくんがイタリアに移住してから8年が経つが、ほとんど印象は変はらないよね。「今日はちょっと仕事をしまーす」と言って、珈琲を飲みながらパソコンでカチャカチャと仕事をするpowerくん。さらに珈琲を2杯とケーキを2個追加してたいらげ、仕事を終へてから、今度はウイスキーを飲みながら、powerくんのイタリア事情について話しました。

「やー、今日は助かりました。オパール最高!ってか、日本の喫茶店最高。イタリアでは、こんな風に外で仕事をしたいと思っても、そんな場所がないんですよ。だからって、ずっと家でパソコンいじってたら気分が落ち込むし」

さうなの?イタリアって、カフェみたいな所とか多さうだけど。

「まさか!全然。向かうでのカフェって、基本はサッと飲んで帰るとこなんですよ。立ち飲みとかも多いし。座る所のあるとこでも、煩くて煩くて・・・音楽はビートの効いた喧しいのしか流してないし、そもそもみんな大声で騒いでる。基本、ひとりでそんな所に来てる人なんて居ないんですよ」

へー、本を読んだりしてる人とか居ないの?

「そんな、ボクは8年イタリアで暮らしてますけど、本を読んでる人なんてほとんど見た事がありません!そもそもひとりで何かする、って人が居ないんです。要するに・・・イタリアは文化程度が低いんですよ!」

ガーン!・・・ウンベルト・エーコとか読むと、なんか凄さうなんだけど。

「それ一般人となんの関係もないでせう。服装とかも凄くダサイですよ、みんな。それでゐて整形大国だし。使ってるものも粗悪品ばかりで・・・そもそもまともな文房具がない!だから、ほら、ボクは日本に帰ってきたら文房具を大量に購入するんです。日本のステーショナリーは世界一ですよ。もうダントツです。イタリアでも憧れの的なんですよ」

と言って、様々な文房具を見せてくれた。ちなみにpowerくんが住んでるのはミラノ近郊。それなのに、うう〜む、そこまでの状況とは・・・。

「でもね、日本に帰ってきて、ボクがイタリアに住んでるって事が分かると、ほぼ全ての女子が『キャー』とか言って眼がハートになるんですよー!このギャップ!・・・むろん、ボクはイタリア大好きですけどね!」

powerくん、永住権まで獲得してるからな。でも、かういった話は面白いので、もうちょっと頻繁にパワーズイタリアンダイアリーを書いてよね!

アメリカン・スナイパー

MOVIX京都にてイーストウッドの新作「アメリカン・スナイパー」を観ました。この作品、いまアメリカで大ヒット中!なんとイーストウッドのキャリア史上最高の売り上げをあげてゐるとの事なんだから・・・やっぱイーストウッド凄いわー。84歳だよ。数々の傑作と大ヒット作を出して続けてきて、それでも昨年は「ジャージーボーイズ」で大コケしたらしいんだけど(映画は素晴らしかったけどね!)、その直後に自己キャリア最高の売り上げを叩き出す。・・・わたし、かういった人はほんとに凄いと思ひます。
ちなみにゴダールも84歳のはずだけど、新作は凄かったし・・・やっぱ人間は80歳からか?

それはとにかく、この作品、個人的な感想を述べるならば、正に神品。確かに、イーストウッド史上最高傑作とはいへないけれど、その名人芸といふか、洗練の度合ひがハンパなく、神業に近い、と。まぁ、歳を取れば神様に近くなるのか。その省略の仕方、バランス感覚、しれっとした佇まひ、サクサクッと撮ったが故の軽み・・・、さりげないけれど、凄い。老人力が、神の力へと変はる瞬間を目撃してゐるのかもしれない・・・と思はせる。
まぁ、露骨に老人力の方が勝ってるシーンもあって・・・あの赤ん坊のシーン。それ、人形やろ!・・・う〜ん、ずっこけたわー。

この映画は、イラク戦争の英雄クリス・カイルが主人公なので、左方面の方々から「イラク戦争を肯定するのか!」と猛バッシングを浴びてゐる。それに対して、右方面の方々から「クリス・カイルを批判する奴はアメリカから出て行け!」と猛反発があって、映画とは関係ない所で丁々発止の大戦争。それが映画の大ヒットに繋がってゐる、との事なんですが・・・かういった論争を巻き起こせるのもイーストウッドの凄いところ。だって、しょっちゅうだからね、イーストウッドの映画で大論争が起こるのって。それだけクリティックだといふ事。臨界点を突いてるんだよね。
むろん、こんな論争なんて映画そのものには関係なく、左右どちらの陣営も言ってる事は頓珍漢。そんなの映画を観れば分かるよ。イラク戦争を肯定?クリス・カイルを英雄視?全然そんな映画ぢゃないでせう。ちっとも映画を観る事ができてない。まぁ、世の中の大半の人は(自分勝手に了解してるだけで)まるで映画を“観る”ことは出来ないもんだけど、映画関係者も同じなんですね・・・。
スナイパーがひたすらスコープを見つめ続ける様に、みんなもまづひたすら画面を見つめる事から始めよ、と、言ってる様にも感じました。

今週の読書

「太陽の塔」・・・森見登美彦のデビュー作。森見登美彦の作品は何作か読んだ事があるし、どれもこれも面白かったけど、このデビュー作はスルーしてゐた。ストーカーもの、と聞いてゐたので「阿部和重?」とか思ってなんとなく手をつけてゐなかった訳で(別に阿部和重が嫌いな訳ぢゃないですが)、でも読んでみると案の定“ストーカーもの”とかでは全くなく、まだ形を十分に成してはゐないけれど、いつもの森見登美彦のスタイルで、それがロウな形で出てゐて、とっても良かった。ダメ人間を徹底的に肯定的に描かうとする意志には感動してしまふ。それは多分、私がダメ人間だからだらう。ははは。

「これはペンです」・・・円城塔。これも俗世的には無価値な人間なのに、たまたま一時期俗世とシンクロしてしまってお金を大量に稼いでしまったがために、有価値だと勘違ひされてしまった“叔父さん”の話。真に無価値であった“叔父さん”の父の話も併録。上記のダメ人間にしても、この無価値人間にしても、俗世に軸足がないのは同じ。上下左右、濃淡温冷の差があれど、超俗的である点で同じなのだ。私がこの叔父さんに憧れてしまふのは、自分だっていつか俗世とシンクロする事がないかなー、と思ってゐるからで、しかしさう思ってる時点ですでにアウトの様な気もする。やはり私はダメ人間のままか・・・。

「せっかち伯爵と時間どろぼう」1巻・・・「さよなら絶望先生」の久米田康治による最新・・・なのかな?とにかくマンガ。やー、私もアニメを観る様になってから、ボツボツとマンガもまた読む様になってきて・・・20代の頃まではそれなりに読んでたんだけどね、マンガ。この久米田康治の作品は、洒落た絵柄でスタティックな構成、そこに細かいギャグを入れこんで、そのギャグがまた知的に捻ったものが多い・・・といふ事で、なんか欧米のコミックっぽい。ふーん、今はこんなんあるんだ。めちゃ面白いけど。
マンガの世界も広大だからね。ボチボチと復帰していくかー・・・って、なんかヤバい?

Comments

投稿者 オーソン : 2015年03月08日 21:02

『アメリカン・スナイパー』はさすがの一言に尽きますねえ。赤ちゃんのシーン、さすがにあの人形はないのではと思いましたが(笑)
森見登美彦は新作がでたようですよ(まだ読んでいませんが)。『太陽の塔』を読んだ後は元田中に住みたくなったことを覚えております(学生時代、近くに住んでいたのですが)。

投稿者 元店主 : 2015年03月09日 04:08

「太陽の塔」を読んで元田中に住みたくなった?・・・謎だな、それは。私は、やっぱ左京区なんて碌でもないな、としか思はんかったが。

それにしてもオーソン、「が」が多いよ。

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