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2006年07月19日(Wed)

よしりん偉い! 読書・文学, 憂国

『新・ゴーマニズム宣言』の最新刊『中流絶滅』を読む。…えらい! やはり偉いわ、小林よしのりは。いや、私は小林よしのりを、この日本で最もよく闘つてゐる人だと認識し、普段から尊敬の念を持つては居るのだが、あまり熱心なファンではない。つまり普段はあまりその著作らを読まないのだが、たまーに読む。すると、必ず猛烈に感動し、「小林よしのり偉い!」と唸つてしまふのだが、今回も久しぶりに『ゴーマニズム宣言』を手に取つてみると…、えらい! やはり小林よしのりは偉いわー!!! と、猛烈に唸つてしまつた、といふ次第である。

新・ゴーマニズム宣言〈15〉中流絶滅
小林 よしのり
小学館 (2006/06)

 むろん、細かい所では色々と違和感はある。特に小林よしのりがこの本の中心として展開してゐる“ネオリベ批判”に関しては、その考へ方・事実認識において、私と正反対のものもある。だが、別にいいのだ。大筋においては小林よしのりは正しいと思ふし、私も「小林よしのり絶対支持!」である。

あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書
保阪 正康
新潮社 (2005/07)
売り上げランキング: 116

 なにより私が感心したのは、保阪正康の『あの戦争は何だったのか(新潮新書)を徹底批判してゐた事だ。保阪正康。実を言ふと私も、前々から一度はこの保阪といふ人を批判せねばならない! と考えてゐたのだ。なぜならこの保阪正康といふ人は、一見自虐史観批判・左翼史観批判みたいな体裁をとりながら、その実まんま自虐史観・左翼史観みたいな事をポロポロと書くのである。三光作戦を自明のものとして語つたり、靖国に行く奴は靖国神社の考へる戦争観を肯定する事になるんだぞ! それでもいいのか! みたいな事を書いたりするのである。なんだこいつは。保守(あるいは中立)の皮を被つた左翼ぢやないのか。それともアメリカの手先か。…と考へ、化けの皮を剥がねば、とチョコチョコと保阪正康の本を買ひ集めたりして居たのだけれど、この人、著作が多い! 人気があるのか、権力筋とコネがあるのか、もうドンドンと新刊が出される。ハッキリ言つてついていけなーい! いや、別に彼の全著作を読破してから批判せねばならない、といふ事はないのだらうけれど、なんだか面倒くさくなつてきて、どうせそんな事しても誰も褒めてくれないし、かへつて退かれるだけだらうし、もうやーめた! こんなの、プロを名乗つてお金を貰つてる人たちがやつて下さい。私はオパールの仕事で手一杯です。などと考へて居た訳だが、一向にその様な気配がない。やつぱ日本の言論界はダメなのね、と暗い気持ちになつて居たところ、小林よしのりが敢然と批判してゐるのを発見して、深く打たれたのである。やつぱ、小林よしのりは偉いわー。

 と、まァ、今日はよしりんを褒めまくる事に終始しておいて、“小林よしのりのネオリベ批判”に対する“批判”は、また、いづれ。

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Comments

投稿者 baba : 2006年07月26日 21:00

『中流絶滅』、私も昨夜、すこぶる感銘的に読み終えました。

新書『拒否できない日本』の内容を紹介する章が、素晴らしかったと思い、数日前にアマゾンに注文したのですが、まだ発送されません!
「24時間以内に発送」でしたのに、なぜ?

嫌米的書籍の発送を意図的に遅らせる、アメリカの陰謀かー?

投稿者 店主 : 2006年07月27日 04:17

babaさん コメントありがたうございます。

「拒否できない日本」は副島隆彦も薦めてましたね。それにしても、この本が出る何年も前から「年次改革要望書」の存在に注目し、日本はアメリカの属国だ!と喝破して、警告を発し続けて居た副島隆彦も本当に偉い!と思ひます。

「中流絶滅」は、小泉政権と果敢に闘つたホント立派な本だとは思ひますが、個人的に首を捻るところがいくつかあります。その第一は、56ページ。小林よしのりが、日本は世界一小さな政府で公務員の数も少ない、といつた内容の発言をして居るところです。これは私の認識の正反対なのです。副島隆彦によると、日本は国家公務員96万人・地方公務員312万人・準公務員(特殊法人や公益法人)550万人で、合計約1000万人。この人々が子供一人の3人家族だと考へると、日本の人口の約4分の一が税金で食べて居る事になる。これに公共事業会社を加へるとさらに税金を食べて居る人の割合は増える訳で、これはムチャクチャだ、異常に公務員の数が多い、といふ事になります。私は基本的にこの数字を信じ、故に小泉がキチンと改革をするなら(つまり公務員の数を減らすなら)、その点は支持する、と言明してきたのです。むろん、小泉は公約に反してチットも公務員の数を減らさないので単なる詐欺野郎な訳ですが、そもそもこの公務員の数が多過ぎるのか少な過ぎるのか、といふ基本的事実認識が食ひ違ふ、といふのはどういふ事でせうか。基本的事実認識が違へば、話はすれ違ふばかりです。日本の公務員の数は多過ぎるのか?少な過ぎるのか?うーむ、ところで自力で公務員の数を調べるとしたら、どうしたらいいんでせうかね。是非とも、この問題に決着をつけたいのですが。

投稿者 baba : 2006年07月28日 01:21

店主さん、お返事ありがとうございます。

小林氏の、「すでに世界一、小さな政府で公務員の数も少ない日本なのに」という発言は、根拠が何も示されていないので、確かに副島氏の説に、分がありますね。

しかし、勉強熱心で、つねづね一次資料にあたるべしと公言されている小林氏のことですので、何か根拠があるはず、と推測しております。

して、グーグル検索してみると、

「日本は大きな政府か?」
http://cloudy9.fc2web.com/govsize.html

ここでは、日本の公務員数は、約420万人。(特殊法人を含めていません)

結局、「公務員」の範囲をどこまでとするか? で、日本は大きな政府になったり小さな政府になったりするようです。うーむ。


どっちにせよ、税金の無駄は温存、あるいは拡大しており、小泉は結局、日本にとってよいことは何もせず、アメリカの手先の任務を忠実に果たしたのでありましょう。

ひきつづき、『いわゆるA級戦犯』を読みます!(アメリカのイラク侵略を支持した小泉こそ戦犯とちゃうか? と思うのでした)

投稿者 店主 : 2006年07月28日 04:05

なるほど!みんなこんな所で(総務省のHPとか)数を調べて居たんですね。早速の有益な情報ありがたうございます。
これでみると、国家公務員、地方公務員の数は、副島隆彦(大きい政府派)もこのHPを作つた人(小さい政府派)もほぼ同じですね。ただ、準公務員の数が大きく違ふ。この小さい政府派の人は、特殊法人の職員数のみで数へて約11万人。対して副島隆彦は、公益法人や指定法人、認可法人やそれらにぶら下がつて居る外郭団体、小会社郡(形式上は民間だが、実質は役人の天下り先として税金でやつて居る)などを含めて約550万人です。うーむ、これは大きく食ひ違つたもんだ。
副島隆彦の数字がどこまで正しいのかは分かりませんが、問題は税金の無駄遣ひなのだから、基本的な考へ方としては、(形式に拘らず実質をとつた)副島隆彦の方が正しいと私は考へます。
ま、まだ調査は続けなければなりませんがー。果たして日本は大きい政府なのか?小さい政府なのか?

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