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2007年05月10日(Thu)

團菊祭 歌舞伎

 やつてまいりました。歌舞伎座。木曜日、といふオパールの定休日を利用して、京都から東京まで新幹線に乗つてはるばると。しかも、私は風邪をひいて体調は絶不調。喉と頭がガンガンに痛いし、鼻水と涙が止まらず、頭も朦朧としてをります。アホです。我が事ながらあきれ果てます。が、どうしても観たかつたのだよ、“團菊祭”が!!!

 “團菊祭”とは、九代目市川團十郎と五代目尾上菊五郎といふ近代歌舞伎の礎を築いた二人を顕彰するために行はれる興行で、もちろん現團十郎 & 菊五郎を中心に行はれます。毎年恒例らしいので、従来からの歌舞伎ファンの方々にとつてはお馴染みでせうが、私の様に初めての者にとつては何としても観たい。しかも演目が、見たいものばかり。本当は昼、夜、通しで見たいのですが、それには時間もお金もチョイときつい。ので、私とトモコは夜の部を観ることにしたのでした。

 まづ最初の狂言は『女暫』。これは十七世市村羽左衛門の七回忌追善興行で、羽左衛門の当り役であつた『暫』を、息子である市川萬次郎が、女方である事から『女暫』といふ形で行ふものです。

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『暫』は、小林よしのりが『ゴーマニズム宣言 暫』を最近始めたので御存知の方も増えたと思ひますが、ま、要するに悪人たちが善人たちの首を正に落とさうとする絶体絶命の時にですねェ、「しばらく、しばらく〜」と声を掛けてトンデモナイ格好をした奴が現れてですねェ、悪人たちをバッサバッサとやッつける、といふ狂言です。この正義の味方のスーパーマン“暫”を、女性(女方)が演じるのが『女暫』です。実をいふと『女暫』とか『女鳴神』とか、歌舞伎にはこの手のパロディが多いんですね。ムチャクチャ派手で男性的な役を女性がやる、といふ面白みです。

 で、この『女暫』、面白かつたですねー。市川萬次郎さんは、今まで何度か見て上手い人だな〜、とは思つてゐたのですが、今回も感心しました。確かに、女性がスーパーマンを演じてゐる、といふ滑稽味と可愛らしさがよく出てゐました。『セーラームーン』とか、ああいふ“女性ヒーローもの? ”みたいなものなのかな? いや、よく分かりませんが。

 次に舞踊が二題。『雨の五郎』と『三ツ面子守』。それぞれ尾上松緑、坂東三津五郎といふ名手が踊るので手堅い演目。なのですが、私は体調の不調がピークに達してゐてあまり楽しめず。残念でした。

30分の休憩で幾分力を取り戻し、いよいよ最終演目。最も楽しみにしてゐた『め組の喧嘩』だー! 
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 いやー、これを観にきた様なもんですよ、ホント。江戸時代に実際にあつた鳶と力士の大乱闘事件を基にした作品。ッて、まるでブライトンでのモッズとロッカーズの乱闘事件を基にした『さらば青春の光』みたいですが、江戸っ子の粋を描き尽くした傑作狂言です。

 鳶と力士、どちらも男を売る商売、ッて要するに命を担保にしてゐるんだから決してひかない訳です。サグな訳です。威勢の良いタンカと丁々発止のやりとり、ポンポンポンッとテンポよくね、途中でグッとくる場面も用意しつつ、最後には血湧き肉踊る大乱闘へ!!! ……素晴らしい感情教育だなァ。

 特筆すべきは、やはり菊五郎でせう。実を言ふと私、菊五郎を観るのは初めてなんですね。写真などで観るかぎり、菊五郎はマンダム系の男前で、個人的にはチッと苦手かな、と思つてゐたのですが、なんとなんと! ここでの菊五郎はカッコ良過ぎました。鳶の頭、辰五郎を演じてゐたのですが、ここまでカッコ良い男がゐるであらうか。男に惚れる、とはかういふ事か。さすが鳶の頭はかうでないといけない。と、充分に納得させる男ッぷりでした。

 若い衆はいいんですよ。別にいつでも死ぬ気で居れば、いくらでも好き勝手にタンカがきれます。ビシッとカッコをつけまくれます。でも、親方ともなれば、さう簡単にはいかない。すでに長年連れ添つた女房も居るし、子供も居る。様々な所に世話になつた人、世話をしなければならない人たちが居る。だから、色々なところでグッと我慢をしなければならない。かと言つて、我慢ばかりしてゐたんぢや、男が立たない。そのせめぎ合ひ。グッと堪へて、ドンと爆発する、その落差。全てを見事に演じ切つてをりました。菊五郎、素晴らし過ぎました。

 芝居がはねた後、何故かそこに居たウノピョンと三人で寿司を食べながら、興奮を語り合ひました。三人ともテンションがあがりまくりです。私は自分が興奮してゐるのか、熱で頭がボーッとしてゐるのかよく分からないまま、それでも妙な寒気を感じてゐたので、これは明日帰つてそのまま仕事に出たら倒れるかもなー、と予感しつつ、そんなことかまふけェ! と、威勢がいいのか自暴自棄なのか判然としないタンカを切り切り、日本酒をグイグイと呷り続けました。

 う〜む、『め組の喧嘩』最高!

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