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2008年08月01日(Fri)

神聖なる喜劇、なのか 河原町ラストデイズ

みなさんこんにちは。前回の日記を書いてから、またまた一月半も経ってしまひました。いや、忙しいのなんのって、悠長にこんなもの書いてゐる暇なんてない!・・・とか、そもそももう日記を書く義理など私にはないので・・・などと書くと意味深長ですが、とにかく日記を書かない理由ならいくらでもあげられるのです(エヘン!)。しかし、今のオパールのラストデイズをリポートしてほしい、といふ意見が私のもとに多数寄せられた(なんと2通も!)事もあるので、やはり少し日記を書いてみようかと思ひ、パソコンに向かってみました。
が、日記を再開するにあたって、超えなければならない壁があるのです。それは、あのこと、に触れずにはすまされない、といふ事です。あのこと・・・、それについて書くのは私には非常な重荷です。といふか、どの様な形で触れたらよいのか、今でも私は途方に暮れてゐるのです。どんな形で書いたらよいのか・・・。

とりあへず、何も考へず、思ひつくままに書いてみませう。

2008年7月23日、当オパールのサイト管理人でもあり、京都では知る人ぞ知る有名人であったババさんが、永眠されました。享年45歳でした。

直接の死因は肺癌です。ババさんが自転車で雨の中を映画館に向かってゐる最中に気を失って倒れ、病院に運び込まれて検査を受けると、癌が脳にまで転移してゐる事が分かり、すぐに手術、そのまま入院、といふ形になりました。それが3月の下旬頃です。それから2ヶ月。ババさんはみんなの前から姿を消します。

私もババさんが急にオパールに来なくなり、メールを送っても返事が来なくなったので、変だなぁとは思ってゐたのです。サイトも更新されなくなったし。しかし、毎年3月は仕事が忙しく、特にここ1、2年は非常に忙しいらしくて、ババさんがオパールを欠席しがちになるのは例年の事だったので、最初はそのせゐかと思ってゐたのです。それにしてもメールの返事さへないのは酷い。それにあまりに長期間ではないか・・・。そのうち、各所からババさんの行方を尋ねる問ひ合はせも来だして、あれれ?ババさん、どこにも居ないみたいだぞ。どうなってるんだ?と、真剣に心配し出したのですが、なんと間の悪い事に、その時、我々はオパール移転問題で大忙しだったのです。家主との侃々諤々のやりとり、その結果の決裂、大急ぎでの移転先探し。実際のところ、このままオパール潰れてしまふかも・・・、と考へた事も何度かあったくらゐで、正直言ってそこまでババさんの事に心を裂く余裕がなかったのが実情でした。

その状況を一変させたのが、おもしろかおのすけさんです。おもしろさんはババさんの学校の先輩で、映画仲間でもあった人ですが、非常な熱意を持ってババさんの居場所を突き止め、お見舞ひに行って来たのです。その時に、我々にも来てほしい、といふババさんのメッセージを預かり、我々に届けてくれたのです。おもしろさん、ありがたうございました!
で、大いに驚いた我々は、早速次の日の朝一番にババさんをお見舞ひに行きました。そこには、身体の各所をチューブで繋がれ、右半身の麻痺したババさんがベッドに横たはってゐました・・・。
さうです。これこそ、ババさんが姿を消してゐた最大の理由だったのです。ババさんは脳に転移した癌を手術した際、言語野といふ所をやられ、右半身麻痺&失語症の状態になってゐました。つまり、メールを打ちたくても打てないのです。そんな事は全く予想外の事態だった!!!
それに・・・実を言ふと、我々はババさんからのメールを何通か貰ってゐたのでした。しかし、それはケータイのメールであり、パソコンでしかババさんとメールのやり取りをした事の無かった我々にとって、送信先は見知らぬアドレス。内容は幼児が打ったのかと思はれる様な辿々しいもので、意味もイマイチ不明、且つ差出人の名前がない。といふ事で、我々はそれらを迷惑メールとして無視してゐたのです。・・・酷い!酷過ぎる!・・・が、我々にどうしてこれらの事態が予想できようか!

ババさんはヌッと背が高く、見栄え良し、映画にも詳しくて、頭も良く、夜遊びの達人で、且つ仕事が凄く出来ました。故に女の子にもモテモテで、さういった事もあってか、チョイカッコつけでもありました。それででせう、ババさんはあまり他の人たちにお見舞ひに来てほしくなささうでした。もう少し元に戻ってから、とババさんは言ひ、リハビリに精を出してゐました。そんなこんなで、その日から、私の一日おきのお見舞ひが始まったのです。

なんと言っても、ババさんは退屈してゐた様です。お母さんは毎日来てをられましたが、ババさん曰く「母親とは話す事がない」。ま、そらさうか。ババさんは大量に本を読む人でもあり、相当の変人でした。そんなババさんと話を合はすのは、お母さんには無理な事でせう。私なら、まー、何とかなります。他の人が行かない(行けない)のなら、私が行くしかないでせう。

と、ここまで書いた所で休憩。疲れました。続きは明日にでも。

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