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2007年01月25日(Thu)

またしても歌舞伎 歌舞伎

 いやー、またしても行つてまいりました、松竹座。「壽初春大歌舞伎」の昼の部です。前回は夜の部に行つた訳ですが、その時に観た海老蔵があまりにカッコ良くて。ああー、やはり昼の部も観ておきたい、それにどうやら昼の部の『勧進帳』の方が話題ぢやないか、海老蔵の富樫を観たい!!! …と、こんなものは一期一会だァァァ! と叫びながら、清水の舞台から飛び降りる気概でチケットを購入してしまつたのです。ううーむ、この一月で5回も歌舞伎を観てゐる…。

 ま、さすがに今回は3階の一番後ろの席です。仕方ない。それでもウキウキと、トモコと二人、仕事開けの徹夜状態で大阪まで繰り出したのです。

 さて、やはり目玉は『勧進帳』ですよ、『勧進帳』。海老蔵の富樫、團十郎の弁慶、藤十郎の義経、といふ豪華キャスト。いやー、良かつたですねー。私、ますます海老蔵のファンになりました。海老蔵は姿形もいいのですが、口跡もいい。お父さんの團十郎にソックリの、少し含んだ様なモゴモゴとした、チョイ不明瞭な喋り方なのですが、それが凄くセクシー。世間には「團十郎や海老蔵は何を言つてるのかよく分からないのでダメ!」といふ意見もある様ですが、私的には「え、さうなの?」といふ感じです。そんな学生演劇ぢやないんだから、台詞がハッキリ分かる事がそんなに重要かしら? とか、思つてしまふのです。些か暴論でせうが。

 なにせ私はヒップホップファンですから、歌舞伎もさういつた見方をしてしまふのですね。歌舞伎の台詞回しは凄く音楽的(特に『勧進帳』は舞踊劇)。だからこれはラップみたいなもんだと思ふのですね。口跡はフロウ。だとすると、ヒップホップの世界でも、一流の人たちは何を言つてるのか分かりづらい人はいくらでもゐます。でも、そんな事はあまり問題にならない。音楽的な優劣・美醜の方が大切です。だから、海老蔵の籠つた様な少し分かりづらいフロウ(あ、口跡か)は、とてもセクシーでいい! と、考へる訳です。それに、台詞がハッキリ分かるッて、チョイと野暮ぢやないですか。そんな事ないかな? やはり私は、粋なものを歌舞伎に求めてしまふんでせうねー。上方歌舞伎は、また少し違ふのでせうが。

 その上方ものとして、今回は『封印切』がありました。坂田藤十郎が忠兵衛。つまり主役ですね。これもまた、良かつた。藤十郎、素晴らしいです。團十郎や海老蔵とは全く違ふ、対局にある良さ、といふのがね。柔らかくて、丸みのある、三枚目掛かつた色男を好演。

 なんていふか今回の「初春大歌舞伎」は、私の様な素人にも、江戸 VS 上方の違ひが分かりやすく、それぞれの良さを見せてくれた、素晴らしい公演だつたのではないでせうか。こんなものを、歌舞伎を見始めた最初の方に観られて幸せかも。

 それにしても、前の席で観たかつたー!(弁慶の“飛び六法”見えんかつたし…)

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