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2011年10月06日(Thu)

ライフ -いのちをつなぐ物語- 映画

9月の強制起訴映画は「ライフ -いのちをつなぐ物語-」(マイケル・ガントン&マーサ・ホームズ監督・脚本)です。「ディープブルー」「アース」などを作ったBBCのNHU制作によるネイチャードキュメンタリー映画。総制作費35億円、6年の歳月をかけて撮ったといふ、ネイチャードキュメンタリー史上最大規模の作品、といふ事ですが・・・。
ちなみに、日本語吹き替へのナレーションは、松本幸四郎と松たか子の親子です。

ヤマネ
やー、楽しかったですねー!
マツヤマ
・・・マジか?
元店主
私は・・・、正直言って、退屈でした・・・
ヤマネ
エー!うっそー!楽しかったですやん。これ、大人から子供まで、楽しめる映画ぢゃないですか?
マツヤマ
オレはマサユキも連れて観に行ったんだけど・・・、マサユキも死ぬほど退屈してたよ!
ヤマネ
えー、確かに掘り下げは浅かったですけどー・・・、テレビぢゃないですか、これ。テレビ。昔の『野生の王国』みたいな
マツヤマ
いや、『野生の王国』の方がちゃんとしてたよ。といふのは、割と肝心な所を映してただろ、あの番組。動物が食べられる所とか、出産のシーンとか。この映画はさういった肝心なシーンを回避してる。つまらんな!
ヤマネ
オオトカゲが水牛を倒して食べるシーンって、ありませんでしたっけ?
マツヤマ
いや、あそこ、肝心な所は映してないんだよ。死んだ水牛の顔のアップとかで誤摩化してる。あんなの、パッと観たら単に水牛が寝てるだけだよ。・・・・・・マサユキが、映画みながら訊いてくるんだよ。『あれ、何してんの?』って。で、オレが『あれはな、水牛を食べようと思って、死ぬのを待ってるんだよ』とか説明するだろ。それで肝心のシーンになって、『あれ、何してんの?』『あれはな、遂に水牛を食べてるんだよ』『食べてないやん!』と、怒られちまったよ・・・
元店主
私は、かういった映画だから最新技術を駆使して撮った、なんか凄い映像が観られるんぢゃないか?と期待して行ったんですが・・・凄い映像はほとんどなかった。それが拍子抜け。正直、凡庸な映像のオンパレードで。
ヤマネ
ネズミが叢の中を走りまくって、追跡してくる敵をまくシーンとか、多分、今回のうりの映像のひとつなんでせうね
元店主
うん、多分、ね。確かにあんなのどうやって撮ったんだらう?とかは思ふ。でも、映像そのものはデジャブ感満載といふか、・・・。はっきり言って、あんな映像、もう見飽きたんだよ
ヤマネ
ほう、さうですか?
元店主
だってあんなの、今のCGの技術でいくらでも作れるやん。似た様な映像、もう飽きるほど見せられてるんだよねー。いくらこれはCGぢゃなくてホントに撮ったんです、とか言はれても、見せられる方としては一緒だから
マツヤマ
オレも何度か、これCGとちゃうんか?と疑ったからな
ヤマネ
えー、どうやらCG使ってるらしいですよ。観やすくするために、影とかCGで消してるらしい
マツヤマ
なんだ!やっぱCG加工した映像かよ!詐欺だろ、それ!!
元店主
まー、私は別にCG加工してもいいんだけど、それでちゃんと凄い映像を作ってほしかった。想像力を裏切る、あるひは刺激する映像を。私は、映画自体が面白くないからクリストファー・ノーランはあんまり好きぢゃないんだけど、彼は映像はカッコいいのを撮るよね。CG使って。せめてあれぐらゐのレベルもの、見せてくれないと。・・・この映画作った人たち、映像を舐めてるんぢゃない?
マツヤマ
そもそもヤマネくんはどこらへんが面白かったんだ?
ヤマネ
えっへん。それはですねー・・・ギアナ高地とか、エチオピア高原とか、もの凄い絶壁の向かうに草原が見えてる様子とか、キリマンジャロをバックにしたスケール感の違ひとか、南極の氷がどこまでカメラが上がったら全部スクリーンに収まるのか、とか・・・
元店主
あれ?なんか、自然ばっかりだね。動物は?
ヤマネ
へ?動物?・・・ああ、ボクは動物には興味ないんです
マツヤマ
なんだよそれ!なんか狡いなぁ・・・。オレ的には、面白かった動物は、敢て言へばカエルくらゐかな・・・
元店主
あ、カエル最高でしたね。あの石になってピューと崖から下に落ちる奴とか
マツヤマ
さうさう!それとか、オタマジャクシを背中に載せて木の上に運ぶ奴とかな。・・・・もうオレは、この世に面白い動物はカエルしか残ってないんぢゃないかと思って、絶望したよ
ヤマネ
別に絶望しなくてもいいぢゃないですか!カエルが居るんだから
マツヤマ
まぁ、な
元店主
私的には・・・イデオロギーに満ち満ちてゐる所が凄ーくイヤでした!といふか、呆れ返りました。今時こんなにイデオロギッシュな映画、撮るか?ドキュメントで?と
ヤマネ
どういったイデオロギーですか?
元店主
あれ、あれ。“子供を生み、育てるために命はある”って奴。信じられん
マツヤマ
はは、副題が『いのちをつなぐ物語』だからな
元店主
松たか子が思ひっきり言ふぢゃないですか、『人生には目的がある、何のために生きてゐるのか。その答へが分かりました』って。ほー!大きく出たなー、と私はビックリして。で、どんな答へかと思ったら、タコが子供のために死ぬ映像。もう、ビックリしたわ! こら!松たか子!何言ってるねん!お前、子供を追ひつめまくってたやろ、『どっかーん!』とか
マツヤマ
わはは、それは違ふ映画の話だろ。まぁ、松たか子は英語のナレーションをそのまま訳してるだけだらうから、関係ないんぢゃない?それとも、あれは日本オリジナルの台詞か?
ヤマネ
やー、それ、あり得ますよ!だって、震災と原発事故以後、日本では妊娠率が上がってるらしいんですよ。なんか、世間的にも“産めや増やせや”といふ雰囲気がありますし。マスコミも、潜在的にさういったメッセージを流してる気味があります
元店主
別に子供を産み、育てるのはいい事だと思ふけど、それが命の目的ぢゃないでせう。さういった考へは間違ってるし、害毒でさへあると思ひます。子供を持たない夫婦や独身者、子供を持てない同性愛者、子供を産み育てるには不適格な精神的・肉体的な弱者に対する差別につながる。さういった考へはナチスで終はりにしようよ。もう21世紀なんだから
ヤマネ
さうですね!自然界から何らかの教訓とかを読み取るんではなく、純粋にビックリする様な映像を我々は求む!って感じですか?
元店主
うん。
ヤマネ
マツヤマさん的には、せめて『野生の王国』並みの衝撃は欲しい、と。こんな感じですか?って、勝手にまとめに入ってますけど
マツヤマ
うん、まぁ、な。・・・・・・でも実をいふと『野生の王国』より、『兼高かおる世界の旅』の方が衝撃だったんだよ。だって、いきなり服脱いで水たまりに入ったりするんだぜ!もう、子供だったオレはショックだったよ・・・
ヤマネ
そんなん知りませんよ!

10月の強制起訴映画は「猿の惑星 創世記」です。

Comments

投稿者 テラリー : 2011年10月12日 19:10

教育テレビ好きで、今でも実家に帰ると衛星放送第二とかよく観てます。
コモドオオトカゲとイシコロガエルのシーンは(ナレーションが渡辺徹でしたが)そのまま、一度NHKで放送されたことがあり、観たことがあります。
BBCが映画として撮影し、シーンごとにテレビで放映したのか、テレビ用に撮影したのを映画に転用したのかわかりませんが(たぶん後者だと思います)。
教育テレビを観ている感じで楽しみました・・・

投稿者 元店主 : 2011年10月13日 00:52

確かに映画といふより、テレビといふ感じだったな。少なくとも、お金とって映画館でみせる様な代物ではない。私も、実家に帰った時とかに、ふとテレビで観てしまった、とかいふのなら楽しめたかも。

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