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2011年10月03日(Mon)

世界侵略:ロサンゼルス決戦 映画

MOVIXにて「世界侵略:ロサンゼルス決戦」ジョナサン・リーベスマン監督を観ました。
宇宙人による地球侵略もの、今年に入って「スカイライン」に続き2本目。しかし、まぁ、個人的には微妙な映画ではあったよなぁー。

この映画の特徴は、徹底したリアリズムで戦闘シーンを撮ってること。一応宇宙人が敵なんだけれど、それは「やたら強く不気味な敵」といふ記号みたいなもんで、SF感は薄く、むしろ戦争映画みたいです。といふか、ほぼ手持ちカメラで撮られ、ぶれ、かすみ、バランスを欠いて大きな音で響く火器の音、限定された視界、など、戦争ドキュメンタリーといった方がよいでせう。
リアリズムで宇宙人の地球侵略を撮る・・・といへば、スピルバーグの「宇宙戦争」(2005年)が思ひ浮かびますが、あれの延長線上にある映画だと感じました。
んで、この手の映画、実は私にとってちょいビミョーなんですよねー。

それは何故か、といふのを考へてみました。
多分、私が思ふに、昔からそれぞれの時代でそれぞれの時代なりに、SF映画はリアルに撮らうとしてきたと思ふんですね。「ゴジラ」(1954年)の東京来襲シーンなんて、まるで東京大空襲みたいで、非常な戦慄を覚えたものです。「未知との遭遇」(1977年)も、まるでホントの事みたいだ!と、子供の私はショックを感じました。・・・・・・などと書いてくると、どうも自分の年齢の問題(観た時期の問題)もあるのではないか?といふ気もしてきましたが、そこらはとりあへず横に置き、先に考察をすすめます。
これらの映画と違って、スピルバーグの「宇宙戦争」や今回のこの映画に私が感じるのは、テレビみたいやなぁー、といったものです。これは誤解を招きやすいと思ひますので、もうちょっと説明しますと、「湾岸戦争以降、我々の感性は変はってしまった」とはよく言はれる所です。つまり、戦争をテレビで観る感覚、が身に付いてしまったのです。私が「宇宙戦争」や「世界侵略:ロサンゼルス決戦」に感じる、テレビみたい、といふ感覚は、これの事。まるでテレビで本当の戦争を観てるみたいな感覚、とでもいひませうか。確かにリアルではあるのだが、型にはまり過ぎてゐて、どうもウソくさい、といふか。これがリアルだ!といふ文法が強固にあり過ぎて、“リアル”といふ牢獄に閉じ込められてゐる感覚、といふか。

私が思ふに、映像を観ることの最大の快楽は、我々の硬直した感性を解放してくれる、或は、気づかなかった真のリアルに気づかせてくれる、事です。この「世界侵略:ロサンゼルス決戦」に、それらはどちらもなかった。わー、なんかホントの戦争みたいやなー、凄い迫力やなー、といった感想ぐらゐで。よく撮れてゐるのだけれど、どれもこれも、どこかで観た映像ばかり、といった感じ。
まぁ、なんか小さな人間ドラマみたいなものも描かれるのですが、それはむしろない方がいいくらゐのもんです。
私にとってはミシェル・ロドリゲスが相変はらずカッコ良かったのが救ひでした。

ところで、「スカイライン」でもさうでしたが、なぜロサンゼルスが世界侵略の舞台になるのでせうか。それは・・・普通に考へたら「ハリウッドがあるから」が答へなんでせうが、私は少し違ふ事を考へてゐます。それは・・・ロサンゼルスこそがポストモダン都市の最先端であり、ラストマンが現れるところだから、です!(もしかして、この認識、古い?)
誰か、そんな映画撮ってくれないかなー、といふのが今の私の望みです。

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