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2014年01月20日(Mon)

カフェオパール恒例「2013年の映画ベスト10」(叛逆) ベストテン

ヤマネ
まー、気を取り直して、2013年について言いたいことを語っていきましょうかー。しばらく「魔法」の話は禁止ということでお願いします!
元店主
・・・しばらくって、どれぐらい?
ヤマネ
さ・あ・ね! ・・・ところで個人的に、2013年は面白い映画が多かったと感じたのですがどうですか。例えば、2012年のことを思い出すと、選んだベスト10も、もう一度書き換えたいと感じてるんですよね。つまりきっちり心に残ってないのが多いんですが、2013年は数年後に思い返しても、あまりブレてないだろうという確信があります。なんか、心の奥にまで届いてますから。
マツヤマ
確かにそうかもな。2013年は近年まれにみる豊作だった。「ジャンゴ」とか「ホーリーモーターズ」とか、もう言うことなしって感じ?・・・ってヤマネ君は選んでないな。
ヤマネ
あー、まー。てへ。「ホーリー・モーターズ」に関しては、見終わって、凄いものをみてしまった!!という感触はあったんですけど、「ジャンゴ」はねー。面白いし楽しんだけど、なんか長く感じて。タランティーノっぽいのに少し疲れてきてるのかもしれません、個人的に。
マツヤマ
オレの場合はマカロニウエスタン好きだからさ、音楽も含めて「ジャンゴ」はサイコーだったよ。シーンの引用が多いけど、その中に、マカロニのポスターとかサントラジャケットで見覚えのある画が発見できたりするから、さすがオタク!って思ったね。しかし、「ホーリー・モーターズ」はオパール映画ベスト3なのにな。めちゃかっこよかったよ、とにかく。特に教会でバンドネオンを演奏するシーンとか、震えたよ。
ヤマネ
ま、個人的には2012年の「メランコリア」みたいなもんですよ。多分オパール関係者以外の知人に映画を紹介するときは、「ホーリー・モーターズ」がめちゃ凄いよ!!って言うんです。リトル・ヤマネは。
マツヤマ
なんだよ、その、「リトル・ホンダに聞いた」、みたいなのは。無理矢理使わなくていいよ。
ヤマネ
兎に角ですね、去年、一番燃えた映画は「パシフィック・リム」です!これはね、ロボットアニメ世代としては、感動と興奮で、もう話の筋なんてどうでもいい、メキシコ人が作ろうがしったこっちゃない。ただただカッコいい!ダサイのかもしれないけど・・・という映画ですよね。細かいことは気にしたらだめ。それは負けです!
マツヤマ
うーん、あんまり、わからんなぁ、その感覚。「パンズ・ラビリンス」がオレ的には、たまたま良かったからデル・トロがいいと思ってたけど、そうでもないみたいだな。ロボットアニメにも思い入れないしな。ロボット・バトルものだったら「リアル・スティール」の方が断然良かったしね。
ヤマネ
そうですかぁ、残念だなー。「パシフィック・リム」は結構の友人知人に広めたんですよー。でも相手にしてくれなかったり、観たとしても、まあまあでした、とか温い反応が多くて。この良さがわからない人は、良さがわかるまで繰り返し見直した方がいいぞ!!と思うわけですが、理解してもらえない。これにスペクタクルを感じないのかー? ・・・なんていうかなあ、「ノーベル賞」あげたらいいんじゃないかと思いますね、ボクは。
マツヤマ
はいはい、平和賞とか?・・・んなバカな! でもゴアとかオバマでも取れるんだから、難航してるTPP交渉が妥結でもしたら「パシフィック・リム」でも可能性はゼロじゃないな。
ヤマネ
ゼロ? ゼロといえば、「ゼロ・グラヴィティ」と「ゼロ・ダーク・サーティ」のゼロシリーズは二つとも傑作でしたねー。特に「グラビティ」。imaxシアターの最前列で観てガクブル。す、すごすぎる・・・。こんな映像観たことない! でも、「永遠のゼロ」は仲間に入ってませんから!ビシ! ・・・って、さっきからケンタロウさんずっと黙ってないで下さいよー。魔法以外の話は禁止してないんですからー。
元店主
だって、「まどマギ」「ホーリー・モーターズ」「TED」。私の話したいのは全部魔法の映画だもの。これじゃ喋れないよ。二人で勝手に喋っててよ。
ヤマネ
ひとりぼっちになったら、だめだよ・・・けんちゃん
元店主
わたしね、恐い夢を見たの。オパールが潰れちゃって、世界中の誰も彼もがその事を忘れちゃって、わたしだけがオパールを覚えているたったひとりの人間として取り残されて・・・うぅ、寂しいのに、悲しいのに、その気持ちを誰にも分かってもらえない!
ヤマネ
うん、それはとっても嫌な夢だね・・・。
マツヤマ
こ、こらー!おまえら「まどマギ」ごっこもいい加減にしろー!・・・しかもそれ、シャレにならないから。
ヤマネ
またやってしまった・・・てへ。次の話題いきましょうー。2013年オパールベスト映画は「ムーンライズ・キングダム」! これ、語りましょうよ。これもウルトラ魔法のような映画でしたね!ウェス・アンダーソンの最高傑作だと思います。
マツヤマ
個人的には「ダージリン急行」の方が好きだけれども、今回のも最高だったな。相変わらずすっとぼけた作風だし。
元店主
これは、素晴らしかったね。ウェス・アンダーソンの映画は常に批評意識が前面に出てて、それがスタイリッシュで良い所だったりもするんだけど、一種の生硬さにも繋がっていた。私みたいなファンはそういう所がまたたまらないんだけど、一般的には、ねぇ。そこらのバランスが今作は絶妙だったと思う。だから一般的には、これがウェス・アンダーソンの最高傑作という事になるんじゃないかな。
ヤマネ
相変わらず美術が素晴らしいんですけども、衣装とかの拘りもばっちりだし、スクリーンが常に楽しいフレーム絵になっているんですよね。少し変わっていてキュートな感じもこれまで通りなんだけど、今回のは肩の力がすっと抜けているというか。のんびりしていて捻りが利いている。今までで間違いなく一番バランスがいいですし、言うことなしでしょう。現代の小津安二郎のようです。
マツヤマ
おっと、またまた「東京家族」の悪口にいくのかい?
ヤマネ
およ?やばいやばい。でもウェス・アンダーソンに「東京物語」撮ってもらったら面白そうですよね。山田監督との違いがはっきり出そう。つーか、めちゃ観たい。
元店主
スタイル、という事に意識的な監督さんは少ないからね、昨今。私は全力で応援してるよ。
ヤマネ
あとは「Ted」。これも魔法がらみ。観る前に予想していた内容と結構違っていて、全然悪い熊なんかじゃないな、と。めちゃくちゃいい奴じゃんか、と。おっさんともちゃうやんか、と。なんだか普通に、とっても感動するでしょう。単なるコメディーじゃないですね。
元店主
「Ted」が日本で最も売れたアメリカン・コメディー映画になった、という事実は驚きだし、素直に喜んでるんだけど、なーんか、世間一般での評価のされ方には違和感があったんだよね。まぁ、誤解も含めないとあれだけ売れることはあり得ないから、仕方ないんだけど。・・・ぬいぐるみ、というのは霊的な存在なんだよ、元来。そこらを踏まえて観ると、また違うと思うよ。
マツヤマ
実際なんて言ってたのか分かんないけど、日本向けの字幕も笑ったよ。「キラキラネーム?」とかね。工夫が感じられた。
ヤマネ
ボクはティファニーで爆笑しました!作り手達が同世代なのって、ほんと楽しいですね!おかげで暗黒の80年代ソングがきらきら輝いてみえますもん。あと、テッドとジョンの喧嘩のシーン。ボーンシリーズ並の本格アクションだったのが、すんばらしかったですよね。去年はアクションも楽しい映画が多かったなあ。・・・しまった、「ライジング・ドラゴン」選ぶの忘れてた!
マツヤマ
あ、俺は観たこと忘れてた。確かにジャッキーの最後のアクションとか凄かったけど、ベスト10に選ぶほどでは、ぜんぜんなかったな。
ヤマネ
アクションといえば、みんな観てないでしょうけど、「イントゥ・ダークネス」とか期待はずれだったんですよー。
マツヤマ
そんな情報いらないって。
ヤマネ
まあまあ、吐かして下さい。無駄に大作アクション好きなもんで観てしまうんですけど、結構拾い物だった、というか、面白かったのは「ローン・レンジャー」なんですけどね!まあ、予告編のしょうもなさそうなこと・・・。「パイレーツ・オブ・カリビアン」の二番煎じみたいじゃん、とバカにしていたあなた、というか私。すみませんでした。いいですよ、アクションシーン。おすすめ! 他にもね、「マン・オブ・スティール」もまあまあでしたし、「ガッチャマン」は・・・「月光の仮面」級でした。しょぼーん。
元店主
なんで「ガッチャマン」なんて観に行ってるの?強制起訴シリーズでもないのに。
ヤマネ
そうそう、「強制起訴作品」を選ぶ基準ってなんですか? ボクはお二人がきっと観ないだろう、というものと、良いか悪いか確信が持てない、むしろ怪しい匂いがしているけれども、3人でなら観てもよい、というのを選ぶようにしています。なので、二人とも絶対駄目だろう、とわかっているものは選ばないようにしているのです。
元店主&マツヤマ
がーん!全然わかってなーい!
ヤマネ
あ、やっぱり。・・・やっぱ他人の嗜好なんて分からないものですよね・・・。という事で、今年も勝手に選ばせてもらいます!・・・と、あれ?今年はケンタロウさん、韓国映画を選んでませんねー。珍しい。「アジョシ」「高地戦」と毎年1位は韓国映画をチョイスしてたのに。
元店主
うん・・・今年はあんまり観られなかったんだ、韓国映画。でも、パク・チャヌクのハリウッド進出作「イノセント・ガーデン」は最高だったよ!「第9地区」のニール・ブロムカンプもハリウッドに進出して「エリジウム」を撮ったけど、ハリウッドに負けたというか、ハリウッド的にぬるーく薄まってしまって残念だった。でもパク・チャヌクは、もう全然ハリウッドに負けてない、つーか、敢然と自分のスタイルを貫いていて素晴らしい!あれはハリウッド映画的にも最高の一本だったな。
ヤマネ
対して、マツヤマさんは今回結構韓国映画を選んでますねー。3本も選んでる。
マツヤマ
最近の韓国映画はエンタメ系もかなり面白くなったと思うよ。しょうもないラブコメもテレビドラマでやるようになったから、ずいぶん減ったと思うしね。日本の映画はテレビの延長みたいなのが多いけど、韓国はちゃんと区別しているし、オレが選んだ「ハナ」と「王になった男」は大衆の希望とか願いとか社会的メッセージが込められてて、韓日和合の道もひそかに描かれたりしてね、いやー素晴らしかったなー。
元店主
「ハナ」は辛うじて観たんですけどね。エンタメとしては完璧でしたねー。ベタすぎる所を含め、完璧すぎる。でも、魔法感が薄かったから。今回の私の映画選出基準は“魔法”ですから。
マツヤマ
まあ、今は「永遠のゼロ」がヒットしてるみたいだけど、日本が全体的にネトウヨ化してるみたいで気持ち悪いから、平和的な韓国映画をベストに入れたいという気持ちもあったんだけどね。
ヤマネ
っていうか、マツヤマさんはイ・ビョンホン好きだから上位に入ったということもあるんじゃないんですか?
元店主
でも、それを言うとマツヤマさんNo.1のトム・クルーズ主演の2本が入ってませんね。もしかしてNo.1の座がイ・ビョンホンに入れ替わったとか?
マツヤマ
おいおい、勝手にオレを分析すな! トムは50歳になって、とくに制作に関わった「アウトロー」なんかは俳優人生の後半を意識した作品だと思うんだよ。それをオレは静かに見守っているの。
元店主
「いるの」ってなんか声が裏返ってますけど・・・どうしたんですか?
マツヤマ
え?いや、これは、そのちょっと“まどか風”に喋ってみたんだよ。
ヤマネ
ええー!似てなーい!気持ち悪ーい!!!
元店主
マツヤマさん、今のはちょっと・・・
マツヤマ
な、なんだよ!せっかくオレが二人に合わせてやってるのに、気持ち悪いとか・・・くそ!わかったよ。もう、オレは降りさせて貰うよ。勝手に二人で鼎談続けてよ。
ヤマネ
まっちゃん!ひとりぼっちにならないでって、言ったじゃない!
マツヤマ
元店主
何があっても、まっちゃんはまっちゃんだよ。私たちは絶対見捨てたりしない。だから、あきらめないで!!
マツヤマ
・・・うぅ・・く・・ぐしゅ・・ご、ごめんなさい、わたしが意気地なしだった・・・もういちど三人で映画鼎談をしたいって、その気持ちを裏切るくらいなら、わたしはどんな罪でも背負える!どんな姿に成り果てたとしても平気だわ・・・
ヤマネ&元店主
さ、まっちゃん。一緒に。
マツヤマ
えぇ・・・

三人で矢を番え、解き放つ

ドドーン!

ウノピ
わけがわからないよ!
ウメドン
・・・おおお・・・

その頃、オパールの外では無数の矢に貫かれたウノピとウメドンが転がっていたのであった・・・

次回に続く

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