京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

Home > レビュー >

サブメニュー

検索


月別の過去記事


2017年09月08日(Fri)

ベイビードライバー 強制起訴シリーズ

起訴者: ヤマネ

強制起訴シリーズ81弾

ベイビーは犯罪の逃走専門のゲッタウェイドライバー。幼い時の事故の影響で終始耳鳴りがするため、常に音楽を聴いて耳鳴りを鎮めているが、ドライブの腕は超一流だ。しかし、ベイビーは心ならずも犯罪に加担しているのであって、本当は彼らと縁を切りたい。でも切れない。ベイビーの腕を、彼らが諦める訳がない。が、運命の女性デボラと出会う事によって、ベイビーは真剣に彼らから逃げる事を画策し始める…。
英国が誇るマニアック監督エドガー・ライトの初のアメリカでの映画!

ヤマネ
うーん、前半はおもしろかったんだけど…
マツヤマ
オレは全編おもしろかったぞ。『JB 最高の魂を持つ男』を観てる時に近い感覚で楽しめたな。
元店主
私も良かったです。まぁ、私の場合はエドガー・ライトはツボなんで…個人的に最高であった、といった感じ。
ヤマネ
ボクも前半は凄く良かったんですよ。特に 冒頭 のカーチェイスからコーヒーを買いに行くあたりまでは、凄すぎる!最高すぎる!と、興奮しました。でも…後半になると飽きてきて、最初を超える様なアクションもないし、お話は陳腐だし…残念!って感じですわー。期待値が高過ぎた?
マツヤマ
まぁ、そんな意見が出る様な気はしていたが…でもオレはお話も良かったぞ。最後にちゃんと罪を償う、というオチも良かったしな。
ヤマネ
えー、いまいちですよー。デボラが後ろから金属バットで殴りかかる、とか、どーにも既視感溢れる映像が多くて…キャラも紋切り型。もうちょっと捻りがないとなぁ~。
元店主
いや、それは見方が違うんじゃないかな。エドガー・ライトの場合、撮り方…ってか表現の仕方が重要なんであって、話の内容やキャラはむしろ紋切り型の方がいいんだよ。その方が、表現の斬新さが際立つ。
ヤマネ
うーん、わかるんですけどー、でもその表現の斬新さも、前半はともかく後半は失敗してたような気がするんすよね。キビキビした映像に対して、音のシャープさが足りてないっていうかー。これなら「キングスマン」の教会のシーンの方がよっぽど音と映像が融合して弾けてましたよ。
元店主
いやいやいや、それは違う。確かに「キングスマン」の教会のシーンは素晴らしいけど、目指してるものが全然違う。「キングスマン」の場合は音と映像を融合させてグルーヴを作り出すのを目指してるけど、「ベイビードライバー」は音と映像を無理矢理合わせる事によってある種の冷めた感覚を出そうとしている。映画そのものを一歩引いて見る、というか。それは批評意識であって… 知的でありコミカルな感覚。私がエドガー・ライトを好きなのは、正にこの点なんだよね。
ヤマネ
コミカルですか…。ボクはもっとコメディタッチのものを期待してたんですよ。「ワールズエンド」みたいな。でも後半になるとやたらシリアスになるし、その割には軽い。そこが気に食わない。
元店主
だ・か・らー、シリアスな内容を撮っても、そこに一枚かます事によって軽い印象になるのがエドガー・ライトの特色やん。「ワールズエンド」はコメディだから軽かったんじゃないよ。それがエドガー・ライトのスタイルなの!
マツヤマ
まぁまぁ。オレの場合は、確かに音と映像をバッチリ合わすというスタイルには驚いたし凄くいいと思ったけど、それとは関係なく、単純に色々とカッコよかったんだよ。曲はどれも良かったし、7インチでstaxのレーベルロゴをバーンと見せるとことか。セリフも粋で、「いい知らせといい知らせがある」とか「ボニーとクライドか?」「どっちもボニーだ」とか。ラストの後味も良かったし、普通に観ても十分におもしろいと思うぞ。
ヤマネ
むーん…なんか ボクばっかりが文句垂れてるみたいになってますが…ボクだって感心した所はあるんですよーだ!やっぱCGを使わないアクションは「わーい」って感じだったし、コインランドリーでの流麗なカメラワークには「おお!」と唸ったしー。とはいえ…ふむ、ボクはこの映画で使われてる曲の大半を知らなかったんです。歌詞も分からないし…というのも、あんまりノリきれなかった原因ですかね。
マツヤマ
オレは7~8割って感じかな、曲が分かったの。でも、例えばブラーとか聴いた事なかったけど、劇中で流れてるのを聴いて、お!かっこいい!と思ったぞ。曲はみんな良かったな。
元店主
私もそんな感じです。いや、個人的な趣味でいうと「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の選曲の方が好きですが、このエドガー・ライトのあまりにイギリス臭い選曲には快哉を叫びました。ハーレム&シャッフル、マーサ&ザ・ヴァンデラス、サム&デイブ…こんなコテコテにブリティッシュ臭い選曲でハリウッドの伝統的な犯罪映画を撮る、という所がなんかヌーヴェルヴァーグっぽくて、最高だな!と。
ヤマネ
ふーん。ボクはやっぱハリウッドのバカ映画の方が好きですねー、「ワイルドスピード」とか。ま、こんな感じですかー。…で、9月の課題映画は?
元店主
うん、ノーランの「ダンケルク」。
マツヤマ
出た!ケンタロウさんの嫌いなノーラン!
元店主
嫌いというか…気に食わないんですよ。観ててイライラする…。
ヤマネ
はい!では9月はそんなノーランで。ではー。^_^

Comments

投稿者 オーソン : 2017年09月13日 11:25

楽しかったです、はい。
オープニングの長まわし、格好よかった。使用されている音楽はほとんど知らなかったんですが、素直に楽しめました。ただ、ベイビーが作ってたテープはもっと聴きたかったです。エンドロールで流してほしかった。
あと、養父とのやりとりがすごく好きでした。この二人のやりとりは観ているだけで幸せな気持ちになります。
そして、最後の展開。ニューシネマっぽい展開になってきたなあと思ったら、更正して終わるのか!というのが良かったですね。
知らない俳優でしたが、ベイビー役の人の幼い容姿がこの映画の主人公として良くあっていたと思います。

投稿者 uno : 2017年09月16日 00:24

いやー、面白かったですね!最高に楽しかった。
私は断然、後半に興奮しました。
強盗に失敗して走って逃げるシーンが、スタイリッシュなカーチェイスよりもむしろグッときたんですよね。それまでクールに押し隠していた情熱の発露っていうんでしょうか。
ワールズエンドは話が進むに連れてワケの分からない疾走感がグングン増していくのが最高に気持ち良かったのですが、ベイビードライバーでも後半のトップスピードに乗って疾走する感覚にゾワッとしっぱなしでした。音楽を聴いていて凄くノッてくるとリズムが前を走っていく感覚になることがあるんですが、まさにそんな感じです。(私のリズム感が悪いだけかもしれないけど。。。)
マツヤマさんも触れているスタックスの7インチを使った場面も堪らなかったですね!あのスタックスの7インチの使い方とほぼ同じ使い方を、タランティーノがデス・プルーフでしています。使っている曲は違うのですが、オマージュしてるのかな、なんて思ったり。デス・プルーフでも大好きな場面だったので嬉しかった。
強盗に入るとき、"The Damned / Neat Neat Neat" を掛けて、メンバーとのタイミングが合わずに、もう一回聞き直すとこも、その気持ち分かるわー!って共感しまくり。
使っている曲の中だと特に “Carla Thomas / B-A-B-Y”と”Brenda Holloway / Every Little Bit Hurts”(←この曲を聴くといつも胸がキュンとする)が堪んなかったなー!全曲パブ臭いのが最高(笑)

投稿者 元店主 : 2017年09月17日 12:50

オーソンへ

あの養父は良かったね。ジェイミーフォックスを黒人の悪役として出したので、それとバランスをとるために善人として黒人を出したのか…と、すぐに穿った見方をしてしまう自分が悲しいですが、二人の手話での会話はやはり良かったよね。聲の形かい!と思ったけど。彼がスピーカーに手を当てて、振動で音楽を聴く所も良かった❤️

ウノピへ

私もあのstaxのシーンで「デスプルーフ」を思い出したよ。あっちは…エディフロイドだったか。ジョーテックスの7インチも映るよね。Dialだったかな、レーベル。あと、「デスプルーフ」ではT-Rexもかかるんだよねー。だから、そこらにひそかにデスプルーフ味を感じながら観てたのも事実。まぁ、エドガーライトは「グラインドハウス」のフェイク予告編を作っているので、なんらかの影響関係はあるでしょう。
エドガーライトの選曲はわかりやすいんだけど、音楽ファンのツボを突いてくるよねー。たまらんわ!

コメントしてください





※迷惑コメント防止のため、日本語全角の句読点(、。)、ひらがなを加えてください。お手数をおかけします。


※投稿ボタンの二度押しにご注意ください(少し、時間がかかります)。



ページトップ