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2013年07月26日(Fri)

スプリングブレイカーズ []

Text by 元店主

春休み。それは退屈な学校生活を抜け出して、はっちゃけまくる楽しい時期。が、お金がない。お金がなければ、巨大なアメリカの田舎町から抜け出せない。どうしよー。悶える仲良し女子4人組。もう、ダイナーでも襲っちゃおうかー?水鉄砲で!キャー!
って事になってトントン拍子に事が進み、お金もゲットした、さー、一路フロリダだ!そこでは男も女もみんな水着。酒飲んでクスリやってヒップホップで騒いで、踊って、ちょー楽しい!もう帰りたくなーい。こここそ自分の居場所。夢の場所。ずーっとここに居れたらどんなにいいだろ。スプリングブレイクフォーエバー。
しかし、世の中そんなにうまい事ばかりではないのであった。

ハーモニー・コリンの新作。といっても、私は彼の作品を見るのは初めてで、ふーん、こんな作品を撮る人なのねー、って感じ。アメリカの(アホな)ティーンエイジャーの欲望や妄想をよく捉えている。ほんと、楽しそうだねー。
とはいえ、こんな欲望や妄想を、必ずしも肯定している映画ではない。だからこの映画は、一見そう見えるような単なるバカ映画ではなく、捻ったバカ映画なのであった。

そもそもこの映画、こんな映画なのに、セックスシーンがほとんどない!つーか、主人公のギャル4人は、半裸になってお酒やドラッグに溺れてはっちゃけまくって男の子たちとイチャイチャしてるのに、セックスがない。すごーく不自然なんだけど、それこそがポイントで、彼女たちは存在が少女的なんだよね。少女とセックスは無縁だから。さらにいうと、少女は恋愛とも無縁。故にギャングスタのエイリアンとは同志となっても恋人にはならない。そして、一緒に街中を暴れ回るのだ。少女と親和性が高いのは、死、なもんで。

だからラスト、抗争相手の本拠地に殴り込みにいっても、彼女たちは無敵。相手の弾丸は一発も彼女たちには当らず、相手を皆殺しにする。ここでハッキリするんだけど、これは現実の話ではなく、形而上的な寓話なんだね。
なんやよーわからんけど楽しそうなオージーパーティー(但しセックス抜き)と、襲撃と殺戮。これぞ少女の夢。
この少女の夢をスプリングブレイクと共に葬って、少女たちは成長するのであった・・・。
が、問題は少女にとって成長は堕落でもある、という事なんだよねー。

そこら辺まで見据えて作られているのか。というのがよく分からなかったんだけど、変則的な少女映画として、私はかなり楽しめました。
ちなみに、女の子ではフェイスがダントツに可愛い!ちょっとフェイス・エバンスに似てるんだけど・・・。わざと?

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