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2014年10月01日(Wed)

9月24日〜9月30日 etc

壽三升景清

南座にて久しぶりの歌舞伎鑑賞。海老蔵だからな、まぁ、観ておくか。と、ないお金を工面しての観劇。三階席ではあるけれど・・・。
これは前から海老蔵が手掛けてゐる“歌舞伎十八番復活プロジェクト”の一環で、「関羽」「鎌髭」「景清」「解脱」といふ四つの芝居を復活させ(すでに「鎌髭」は復活済み)、それを繋げて通し狂言にする、といふ試み。野心的な試みだ。しかし、海老蔵の野心的な試み・・・といふだけで一抹の不安が過るのも事実。大丈夫かいな?うーん、結果として・・・大丈夫でした。

そんな複雑な話でもないし、基本、海老蔵が派手な格好をして、音吐朗々とセリフを読み上げ、ポーズを決め、クワッと睨めばそれでオッケーの芝居なので、良かったのだと思ひます。「鎌髭」は以前復活させた時に観てるのですが、その時より格段と良くなってゐた。声も安定してゐるし、ポーズにもぶれがない。まぁ、海老蔵ファンとしては満足のできる内容ではないでせうか。

ところで今回は最後の「解脱」の時に、三升席と称して、舞台の上に客席を作ってあったのです。舞台の上に座り、役者の芝居を超間近に観て、他の観客たちへの晒しものとなって芝居を観る、といふ趣向。
私はその昔に観た、犬機械といふ演劇を思ひ出しました。その芝居には「犬席」といふのがあり、値段は凄く安いのですが、舞台の上で芝居を鑑賞する、といふ条件がついてゐたのです。私とトモコは普通の観客席で観たのですが、ウエナカさんが犬席を購入。舞台の上で、首輪をつけられ、四つん這ひで「ワンワン」と吠えながら芝居を観てゐた・・・といふより芝居に溶け込んでゐました。
まぁ、それに較べたら、三升席なんて大した事ないやね。

京都祇園遁走曲

古本屋さんで「京都祇園遁走曲」といふ本をみつけ、購入し、読了しました。なんとこの本、70年代に大和大路通りにあった商店街が舞台。といふ事は、正に今のオパールがある所が舞台なのです。
著者は玉木正之氏。ヤマネくんによれば有名なスポーツジャーナリストらしいですが、スポーツに興味のない私は知りませんでした。この玉木氏の実家が、大和大路にあった商店街の中の電気屋さん、との事なのです。
あ、この本、一応小説なのです。とはいへ、小説としてはそんなに面白いものではなく(玉木さん、すいません!)、個人的には舞台背景や諸々の雑学、エピソードが興味深かったです。
そもそも、今や大和大路には商店街はありません。ポツ、ポツと店はあるのですが、とても商店街とは言へない。それがこの小説の頃は、祇園町の台所的存在で、人通りも凄く多かった、と。今や、ほとんど人通りのない、ゴーストストリートと化してゐますが・・・。
著者が通ってゐた小学校(多分、新道小学校)も今や廃校。その小学校でのエピソードの数々も面白い。新しく他所から来た若い美人の先生が、国語の時間に「わたしのお父さん」といふ題の作文を書かせた事から辞めさせられる事になった、とか。お妾さんの子供が多い地区なので、そんな話題は“非常識極まる”ものだったのです。うーむ、なるほど。
その他にも、建仁寺をみな「けんねんさん」と呼んでゐた、とか、子供たちは建仁寺で草野球をして遊んでゐた、とか。とにかく興味深い逸話がザクザク。
ところで、小説中に「祇園放送局」と綽名のついた“上出の大将”といふ散髪屋さんが出て来て、話に精彩を与へるのだけれど、さういへば・・・とオパールの近所の床屋を見直してみれば、「hair salon SHIMODE」とある。
うーむ、と何か街が新鮮に見えてくるのでした。

注目すべき人々との出会ひ

今月の梅本座はピーター・ブルックの「注目すべき人々との出会い」。20世紀最大の神秘思想家であるグルジェフの自伝を、演劇界の鬼才ピーター・ブルックが映画化したカルト作品です。
この映画は、若い頃に観たのですが、最後の神聖舞踊の部分以外、ほとんど覚えてゐません。その当時はグルジェフには興味があったものの、そこまでは詳しくなかったので、まぁ、グルジェフワークの一端が垣間みられるぞー、ってな程度の関心でこの映画を観たので、最後の部分しか覚えてなかったのでせう。
あれからウン十年。グルジェフの著作もウスペンスキーの著作も、一応は眼を通した現在の眼でみると、非常に興味深い。むろん原作の方も読んでゐるのですが、ほぼ忠実に映画化してゐる事がわかります。確かに長さの問題があるので、かなり省略されてゐるのは事実ですが、エッセンスは外してゐない感じです。ただその分、ひとつの場面、ひとつのセリフに込めた意味が莫大なので、ウメドンの様にグルジェフのグの字も知らず、神秘思想にも何の興味もない人間には、些か辛かったかも。やたらゴソゴソしてたからなぁー。
でも、多少なりとも神秘思想に興味があり、勉強もした事のある人間なら、ひとつひとつの場面やセリフから多量の意味を引き出す事ができるので、興味が尽きないと思ひます。
ロケ地となったアフガニスタンも素晴らしいし、みんなの顔や服装もいい。
さういへば今、ピーター・ブルックのドキュメンタリー映画が公開中なのですが・・・観たい!でも、観にいけるかな・・・。

ジャージーボーイズ

イーストウッドの待望の新作「ジャージーボーイズ」。公開してすぐに観に行きましたが・・・これがもう傑作。詳しくはレビューに書いたのでそっちを読んでほしいけれど、ほんと今これを観ずにどーする!ってな感じの作品です。
が・・・私が観た時は劇場がガラガラ。なんだか流行ってない様で・・・。
全く、これには日本の映画客のレベルの低さを除外しても何個か原因が考へられる。まづ、予告編が悪い!・・・つーか、最近は質の悪い映画の予告編が多い様に思ふ。この「ジャージーボーイズ」もさうだし、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」も「舞妓はレディ」も、みーんな予告編が悪過ぎる。予告編観たら、観に行く気が失せる様なものばかりで・・・。いや、これらの作品はみんないい作品ですよ。予告編とは全く違って。
あと、邦題が酷いな。「ジャージーボーイズ」って・・・、なんかジャージ着た童貞の中学生によるドタバタコメディみたいではないか。とにかくもっさい。私がこの映画の情報を始めてゲットした時に、マツヤマさんに「イーストウッドの新作、『ジャージーボーイズ』らしいですよ!」と言ったら、「え?鮎川誠が出てるやつ?」とか聞き返されてしまったぐらゐです。そら、さう思ふよね・・・。
とにかーく!お時間のある方は是非観てくださーい!

偽物語

アニメ「化物語」の続編、「偽物語」を観ました。相変はらず映像で遊びまくってゐて、素晴らしいです。それに比して、ますます内容がなくなっていく・・・いや、それも素晴らしいのですが、今回はちょっとエロに寄り過ぎかな?
それと、今回は「本物/偽物」に関する問題が提起されてゐて、それはなかなかに興味深い。まぁ、まだ提起されてるだけの段階なので、次でそれが深まれば期待できるかな、と。貝木泥舟、いい感じです。
ところで、今回は出てくる女の子がやたら髪の毛を切るのだけれど、髪の毛を切ってしまふと、それぞれの顔の区別がつかない・・・。え、えーと、最後に出て来たの、がはらさんだよね?

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