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2011年08月25日(Thu)

ザ・ライト・オブ・ザ・サン 音楽

ジル・スコットの待望の新作が発売されました。
これが、もう大傑作!きたね、たうたう、って感じでせうか、個人的に。

ジル・スコットの最大の魅力はやっぱ声にあると思ふんですよ。って、ヴォーカリストなんだから当たり前やん、何言ってんの、てな感じでせうが、まー、ね。私が最初、ジルのファーストアルバムを聴いた時は、ビビって腰を抜かしさうになりましたよ。当時は確か、ネオ・ソウルとかネオ・フィリーの括りでデビューしたと思ふんですが、そのあまりに“ネオ・ソウル”を体現した様なドンピシャな声に、もうこれでネオ・ソウル終はりやん、チェックメイト、王手、LONG WALKの果てに颯爽と登場してゲームオーバー。以降は誰も“ネオ・ソウル”なんてふにゃけた言葉は使へません、と思ったものです。

ジルはもちろん、声がいいだけではなくて、歌も抜群に巧い。硬・軟・甘・辛、ドスを効かせたり、可愛く迫ったり、優しく慰撫したり、激しく胸を掻きむしったり、と、変幻自在。その歌を聴いてると、ほんと快楽に酔へます。まるでクリュッグのグランド・キュベを飲んでゐる様な、深い満足感。幸せ・・・。(とはいへ、まだクリュッグ飲んだ事ないんですけどね。はは)

と、思ってゐたのですが、今回のアルバムを聴いて、実はいままでの作品では100%満足してゐなかった、といふ事実に気がつかされました。なんといふか、ジルの声の魅力を100%活かし切れてなかった、とでもいひますか・・・(最も活かされてるのは、あの素晴らし過ぎるライブアルバム「experience jill scott 826+」かな)。
今までの作品では、ジャジーであったり、ソウルフルであったりするトラックの上に、ジルの素晴らしい声が乗ってゐる、といった感じだったと思ふのです。が、今回のは、まづジルの声があり、その声が空間を切り裂いて進み、その後からバックトラックが広がっていく、といった感じなのです。バックの音楽も、全てジルの声から産まれてゐる、といった感じでせうか。

それと、今までのジルの作品は、どこか靄に包まれた様な所があったのです(前作で、些かそれは弱まってゐましたが)。むろん、この事はジルの作品を特徴づける魅力のひとつであり、決して悪い事ではありません。が、今回の作品では、その靄が一掃され、代はりに暖かな陽光に満ちてゐるのです。ズバッと開放感がある。フィリーから、西海岸にきた、とでもいひませうか。これが徹底して私好みであり、このアルバムを個人的にジルの最高傑作と断言してしまふ所以なのであります。
ジャケットも、カッコ良過ぎるしねぇ。

とりあへず、当面の目標はジルのコンサートに行く事と、クリュッグのグランド・キュベを飲む事だな。

カッコ良くて、腰抜けさうだ。

追伸。あ、これからもしこのアルバムを買おうと思ってゐる人が居るなら、是非日本盤をお薦めします。日本盤ボートラの「Easy」がまた、素晴らしいんだ。

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