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2011年08月22日(Mon)

メルロー ワイン

その昔、某有名ワインバーにて、そこのマスターの方に「どの様なワインが御希望ですか?」ときかれ、その頃はカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなど、まづ葡萄の種類から味を覚えていかうと考へてゐた私は、メルローの味がイマイチ自分の中でハッキリしなかった事もあり、「メルロー主体ので、なにか美味しいやつを」と答へ、それに対して決然と「そんなものはありません」と応答されたのにビックリした覚えがあります。
私が狼狽へながら「な、ないんですか?」と問ひ返すと、ちょっと困った様な顔をして「いや、ないわけではないんですが・・・、とびきりの奴もあるのですが・・・、ただ、高いですよ」と一言おっしゃられました。

それから幾星霜。ワインを飲み続けてゐるうちに、この時に言はれた言葉の意味もそれなりに分かる様になりましたし、それでも自分なりに“美味しい”と思へるメルローワインをみつける事もできました(オパールにも置いてますよ!)。そして、この時に言はれた“とびきりの奴”といふのが、シャトー・ペトリュスを指す、といふ事も確信できました。
シャトー・ペトリュス。ワイン好きなら、一度は飲んでみたいと思ふワインの1本ですよね。私もワインショップで、何度か垂涎の思ひで眺めた事はあります。大体、20〜30万円くらゐですか。う〜む・・・。

あ、それでですね、先日、四条烏丸の某ワインショップにて、ジオリス・エステート・メルローといふワインを購入したのです。これはカリフォルニアはカーメル・ヴァレーのワインでして、なんと!シャトー・ペトリュスから受け継いだ苗木を使ってゐるのです!ババーン!
・・・アメリカって、かういふの、好きですね。ピノ・ノワールの最高峰「ロマネ・コンティ」の畑から持ってきたクローンを使ってワイン造りをしてゐる「カレラ・ジェンセン」とかね。私は、アメリカのかういった所、好きなんです。テロワール至上主義に対する挑戦、とでもいひますか。
ま、テロワール至上主義なんて、もうほとんど崩壊してると思ひますけど。

で、早速飲んでみました。・・・う、美味い!これが真のメルローの実力なのか。今まで飲んできた美味しいメルローを何重にも重ねた様な、濃厚で深みのある味。それでも、メルロー特有のまろやかさはしっかりある、とでもいひませうか。こら、凄い。
ちなみに、このワイン、5000円で購入しましたからね。5000円のワイン・・・となれば、まぁ、個人的には高いですが、シャトー・ペトリュスに較べれば、どんだけ安いか。私でも手の届く範囲で、ここまで美味しいワインを提供してくれるなんて、やっぱアメリカ最高!ありがたすぎる!ワインもソウルミュージックもアメリカが最高だ!アメリカの実質主義に乾杯!
もう、かうなればお高くとまった、伝統主義でブランド志向のフランスワインなんて要らないやー・・・

・・・てな訳にはならないのが、伝統及びブランドの恐ろしい所で。
かうなったらなったで、ますますシャトー・ペトリュスへの想ひが募ってしまふ訳です。わー、“本家本元”はどんだけ美味しいんかなぁ・・・と。やっぱテロワールが、ね、重要でせう。って、さっき言った事と矛盾してるみたいですが・・・。

果たして私は死ぬまでに、シャトー・ペトリュスを飲む事はできるのでせうか。

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