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2010年09月11日(Sat)

小室直樹先生逝去 憂国

小室直樹氏が、数日前に亡くなられてゐたとの事。私はマツヤマさんからその事を聞かされ、軽くショックを受けました。
むろん、歳が歳だけに、あり得る話だとは思ってゐたのですが・・・。

小室直樹氏は、私が私淑した先生の一人です。・・・などと書くと、些か大袈裟ですが、まー、非常に熱心にその著書を読んだ人の一人です。それでも、その影響は絶大で、私の政治に関する見方は、ほぼ小室直樹先生(と、敢て呼ばせて貰ひます)によって形成されました。
小室先生の思想は、簡単に言ふと、「キレイなファシズムより、汚い民主主義を」といふものです。・・・いや、これは私なりの小室学理解であって、実は小室先生の学識は私なんかには到底理解できないほど深く、広かった様で、例へば経済学に関する事なんて、結局私は最後までよく分からなかった、といふのが正確な所ではあるのですが、まま、この文章は私の個人的な追悼なので、いいではないですか。私にとっての小室直樹、といふ事で話を進めさせていただきます。

んで、もひとつ、私が小室直樹先生から教へられたこと、それは「権力は腐敗する。絶対権力は絶対に腐敗する」といふアストン卿(だったかな?)の言葉です。人間といふものは、そんなに上等なものではない。だから、権力の座につけば、腐敗する。特にそれが長くなれば、絶対に腐敗する。長く権力の座に居て、腐敗せずに済む様な立派な人間はさうさう居ない。だから、定期的に権力交代のある民主主義が望ましいのだ、といふ事です。
そして、この民主主義の要諦は、(選挙によって国民に選ばれた)政治家が権力を握る、といふ事です。決して官僚ではない。何故なら、官僚は国民に選ばれた訳ではないし、また一度なればズーッと官僚のままだからです。
だから官僚は公僕(パブリック・サーバン)として、政治家の手足となって働くのが役目なのです。これが正しい民主主義。
ところが!しばしば、政治家ではなく官僚が、実質的に権力を握ってしまふ事があります。何故なら、(交代がないので)現場に長く居るのは官僚の方だからです。そして、本来なら決して権力を握ってはならない官僚が、実質的に権力を握ってしまった状態を、腐朽官僚制(ロットン・ビューロクラシー)といひます。
で、日本はロットン・ビューロクラシーの国なのです!!!

小室直樹氏の活動の原点には、あの太平洋戦争があります。何故、日本はあの様な悲惨な過ちを犯してしまったのか?その原因のひとつにロットン・ビューロクラシーがある、とみたのです。
日本は戦前からロットン・ビューロクラシーの国でした。そして“汚い”政治家より、“キレイな”軍人(軍官僚)を国民が支持したが故、日本はあの悲惨な戦争への道を突き進んでしまったのです。(ちなみに、“キレイな”官僚が“汚い”政治家を攻撃する時の武器はいつだって、「政治とカネ」です。戦前の日本でもさうだったし、ナチスだって、同じ。)
では、あの悲惨な戦争を経て、日本はその事を反省し成長したのでせうか。
とんでもない!日本は戦後もずっと、そして未だにロットン・ビューロクラシーの国です。本来、政治家の手足となって働くべき官僚たちが、実質的な権力を握って国政を牛耳り、私服を肥やして、国民を苦しめてゐます。戦後、唯一(?)まともに官僚たちを御する事のできた(つまり民主主義を体現してゐた)田中角栄氏は、キレイなファシズム好きの国民たちによって血祭りにあげられ、その一番弟子である小沢一郎氏も、官僚・マスコミから執拗な攻撃を受け、ファッショ好きの国民はこれまたそれを支持してゐる、といふ体たらくです。
ほんと日本国民のファッショ好きにはうんざりで、自分たちがさんざんバカにされ、苦しめられてゐるといふのに、それでも“汚い”政治家より、自分たちをバカにし苦しめてゐる官僚たちの方がいい、といふのですから。
なんでだ?マスコミに洗脳されてゐるから?・・・う〜ん、ここらは結構ナゾで、自分で考へる力がない、或は、民度が低い、としか言ひ様がないんですが・・・。

私が小室直樹氏の逝去の報を聞いて思ふのは、一体小室先生はどの様な想ひを抱いてこの世を去ったのであらうか、といふ事です。
自分が生涯かけて行った言論活動の甲斐もなく、未だ日本国民の「汚い民主主義よりキレイなファシズムの方が好き!」といふ民度の低さに絶望して死んでいったのでせうか。
それとも、田中角栄の衣鉢を継ぐ小沢一郎が、日本で初めての民意による政権交代(民主主義!)を成功させ、ロットン・ビューロクラシーを正す政策を次々と打ち出すも、官僚やマスコミ(及びそれに操られる国民)の妨害にあっていったんは挫折。が、死地の中から不死鳥の様に甦り、満身創痍ながらも命をかけ、最後の闘ひへと、つまり首相選へと乗り出した、といふ事実に、一抹の希望を感じながら、安らかに眠ったのでせうか。

私は後者であればいいな、と思ひます。

Comments

投稿者 ノリオ : 2010年09月19日 10:22

小室先生が逝去されたのですか・・・。知りませんでした。痛快!憲法学は本当に面白かったですね。ご冥福をお祈りいたします。

投稿者 元店主 : 2010年09月20日 12:08

小室先生の一般向け著書は、とにかく面白く!分かりやすく!が基本でしたからね。私の様なものには有り難かったです。ま、その分、玉石混交の感はありましたが・・・。
玉の方が、末永く残っていけばいいですね。

投稿者 マツヤマ : 2010年09月28日 23:07

亡くなられて24日も経って、今日になって新聞各紙がそろって「小室直樹氏が死去」と報じています。おそらく時事通信社が配信した記事を一斉に報じただけなのでしょうが、敢えてこのタイミングで…、と考えると改めて(といっても私は著書を読んでないのですが)小室氏の存在の大きさを感じております。

投稿者 元店主 : 2010年09月29日 01:31

おおっと、9月28日は私の誕生日ではないか!

その日に、小室先生の訃報が報道されるとは・・・、これもなにかの因縁なのかもしれません。ね。

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