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2010年07月14日(Wed)

お風呂 etc

トモコがお風呂に色んなモノを入れるので、我が家は大変です。

あれは数年前、私がお風呂に入らうとすると、異様な臭気が鼻を突きました。こ、これは・・・トイレの匂ひだ!
私は「大変だ!お風呂がトイレになった!」と大騒ぎをして裸のまま浴室から飛び出たのですが、それに対してトモコは冷たい目をしながら「それは硫黄の匂ひ。岩塩を入れたの。身体にいいんだから有り難く思って入りなさい」と言ふのです。
言はれてみれば、その臭気は硫黄の匂ひ。それに、風呂の中にまだ溶け切れてゐない岩塩の茶色い塊が、ゴロリと鎮座してゐます。
う〜む、それにしてもこの匂ひ。それと茶色い塊。なんか騙されてゐる様な気がするなぁ、と思ひながら、私は湯船に身体を浸しました。自分が糞になった様な気がしました。突如、「人間なんて、所詮“糞袋”」といふ言葉が頭の中に浮かんできました。もしかしたら、悟りに一歩近づいてゐたのかもしれません。

そんな私の悟りも開けないうちに、トモコの中の岩塩ブームが終はり、今度は自然塩になりました。自然塩と重曹を混ぜてお風呂に入れるのです。
これは匂ひもなく、一見普通のお風呂。湯を舐めれば少ししょっぱいくらゐです。私は安心して湯船に浸かってゐました。
と、突然、「アルデンテ」といふ言葉が頭に浮かんできました。
これは・・・もしかして、「注文の多い料理屋」か!!!
耳を澄ませば、遠くのキッチンでトモコが何かを切る音がコトコトコト・・・と聞こえてくる・・・様な気がしないでもない様な気もして、私は戦々恐々としてゐました。

さうかうしてゐるうちに、事態は急展開をします。今度は日本酒風呂だ!と、トモコが言ひ出したのです。日本酒の一升瓶(むろん純米酒)を買ってきて、それを丸ごとドボドボドボ〜と風呂の中に入れるのです!
そんな勿体ない・・・といふ気持ちも多少はあるのですが、それでも、日本酒一升をドボドボ〜と風呂に入れる気持ち良さに勝るものではありません。しかも、浴室には酒のいい匂ひがモアッと立ち籠めます。
かうなれば、頭に浮かんでくる言葉はひとつ。「ア〜ビバノンノ」。それと、加藤茶の顔。
子ども時代の刷り込みとは恐ろしいものだと思ひますが、それはそれで仕方がない。私は「いい湯だな〜、アハハン」と歌ひながら、日本酒風呂の中でたゆたってゐました。

ところが、三日も日本酒風呂に入ってゐると、だんだん身体がしんどくなってきました。変だ。日本酒風呂といふのは、気功の世界などでも推奨されてをり、実は結構ポピュラーで人気と実績のあるもの。それなのに、何故・・・。もしかして、私には刺激が強過ぎたのかもしれない。肌からアルコールを摂取して、肝臓を酷使したのかもしれない。肝臓、弱ってるのかなぁ。などと悩んでゐると、トモコが「あ、それなら、今日は肝臓を強くする風呂に入りませう」と言ひ出しました。
なんだそれは!そんな、なんでもかんでも風呂で何とかなるのか!
といふ、私の叫びもむなしく、トモコは白い、湿った砂糖の山みたいなものを器に入れて私に渡しました。
「これはね、にがり。それをオイルで練ったもの。これを全身に塗って、お風呂に入れば、肝臓が強くなるから」
えー、ホントかなー。ってか、私は何かを自分の身体に塗り附けるなんて御免だ。子どもの頃から、泥遊びとか嫌いだったんだ。泥を顔に塗って“パック”と称してゐるトモコには分からないだらうが・・・。

それでも、それを強く拒否するだけの勇気に欠ける私は、しぶしぶその謎の物体を身体になすりつける事しました。

・・・うわ!冷た!・・・うううー、き、気持ちわるー・・・ああ、ゾゾゾー、とする。このジャリッとしてヌメッとしてる所がまた・・・、ゾワワ〜・・・た、たまらん・・・。

私は必死の思ひでそれを全身になすりつけ、急いで湯の中に飛び込み、それを身体から落さうとしました。ところが、油で練ってあるので、湯ではおちない!なんか、全身がヌメヌメ〜として、気持ち悪いことこの上ありません!うわー、なんだこれはー!!

風呂ッて、こんなに大変なものだったでせうか。

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