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2008年10月28日(Tue)

シスコのレストラン カフェ, 旅行

今日はシスコのレストランについて。

前回の話を引っ張りますと、北カリフォルニアはオーガニック先進地なので、当然オーガニックレストランがたくさんある訳です。そんな中で、なにはさておいてもコレ!といふ所は、カリフォルニアのみならず全世界的に有名な、オーガニックに興味があってここを知らないのはモグリ、ともいふべき超有名店、「シェ・パニース」です。
「現代アメリカ料理の母」とも呼ばれるカリスマ、アリス・ウォータースのお店。我々も前々からここには行きたいと思ってゐて、今回の旅の“必ず行く店リスト”のトップにこの店はリスティングされてゐました。
シスコ近郊の街バークレーにある「シェ・パニース」。2階がカフェ、1階がレストランになってをりまして、我々は1階のレストランの方に行きました。予約をしないと入るのは難しい、と聞いてゐたので、数日前から予約をいれ、ワクワクしながら行ったのですが、はてさて、結果は如何に。
ってー、いや、これがまた、最高でしたー。

081028-01.jpgシェ・パニース

ところで、最高のレストラン、とかいふと、「そんなにおいしかったの?」と言はれる方が居ます。う〜ん、それ、一寸違ふんだなー、といふのが私の感想。もちろん、おいしいのは前提です。が、おいしければおいしいほど良いレストラン、といふ訳ではないと思ふのです。レストランとは、食事の場と時間を提供するものであり、最高の食事の場と時間を提供できるのが、最高のレストラン、といふ事になると私は考へるのです。
となれば、そのレストランのある場所、建物や内装、家具や食器なんかが生み出す場の力、そこに居る人たちの立ち居振る舞ひや雰囲気、サービスなどが提供する濃密な時、などが非常に大事になってきますし、それが料理と奏でるハーモニーが、「最高だ」、と呟かせる要になると思ふ訳です。
さういった意味で「シェ・パニース」は文字通り「最高」でした。満足度すこぶる高し。“オーガニック”云々などあまり意識に登らない、それは最高のものを提供するための当たり前の1ステップに過ぎない、といった趣きです。ちなみに値段は二人で360ドルほど。我々が今回カリフォルニアで行ったレストランの中で一番高いですが、日本で同じ値段出してここまでの満足度を得られる所はさうさうないのではないでせうか(ま、我々が知らないだけかもしれませんが)。
てな訳で、是非ともまた来たい!と強く思ったのでしたー。

“オーガニック”と少し被りますが、カリフォルニアにはベジタリアンレストランもたくさんあります。我々はこれらにも行ってみました。「Greens」と「Millennium」。どちらも有名店ですので、味の方はバッチリ。保証付きでした。個人的にはフィッシュダンスホールの様な「Greens」がオススメ。「Millennium」は一寸ゴチャゴチャし過ぎかな・・・。・・・と、ここで私が鋭く(?)気がついた事があります。それは、これらのレストランのおいしさは、普通のレストランのおいしさに限りなく近い、といふ事です。どういふ事でせうか。

我々日本人は精進料理といふベジタリアンフードの伝統を持ってゐるので、ベジタリアンフードといへば、淡白な味を思ひ浮かべると思ふのです。それが、これらのレストランではそんな事がないんですね。普通の料理の様に、コッテリしてゐる。つまり、油と糖(メイプルシロップとか)を大量に使用してゐる訳です!
いや、もちろん普通の料理よりは、油と糖の使用量は少ないでせう。が、ベジタリアン料理!と名乗って独自の王国を打ち立ててゐる様で、味は普通の料理に近づけ様としてゐる、といふのが、私的にはちょい引っ掛かります。せっかくなんだから独自の味覚の領土を切り拓けよ!とか思ってしまふのです。余計なお世話ですがー。

そんなワガママな私の欲求を満たしてくれる店があるのでせうか?どうでせう?あるのかな?ないのかな?・・・・と、これが、あったんですねー。
それはベジタリアンフードの最新型、“raw food”です。“raw food”とは、要するに“生の料理”です。野菜には大量のビタミンやミネラル、酵素なんかが含まれてゐて、これらが身体によい訳ですが、これらは熱に弱く、煮たり焼いたりすると壊れてしまひます。なら、色々と工夫して生のまま喰ってしまへー、といふのが“raw food”です。
生の料理って、それ刺身のこと?と、なるのが日本人。イエス。刺身は立派な“raw food”です。魚のみならず、肉の刺身も同様。が、これらの店は一応ベジタリアンでもありますので、基本は野菜&果物のみです。
一切火を使はない、といふ制約の元でおいしい料理を作る。かういった発想、私は好きです。料理には何でも使ふ、猿の脳みそでも、生きたネズミでも、人間の肉でも使ふ、といふシナ的発想とは正反対ですね。

081028-02.jpgAlive!081028-03.jpgCafe GRATITUDE

私が行った“raw food”の店は2軒。「Alive!」と「Cafe GRATITUDE」。どちらもとてもおいしく、且つ、あんまり食べた事がない様な独自の味覚の領土を拓いてをりました。満足。
個人的な好みをいへば、「Alive!」が最高。ここは小さな店で、内装とかもお金がかかってない感じなのですが、センスがいい。この店をやってゐる人たちの姿勢・目線に、非常に共感できる感じです。私は一方的にシンパシーを感じ、勝手に盛り上がりまくりました。おかげで、食べきれないほど料理を注文し、ワインもガンガン飲んでゐたら、ホテルに帰ってからお腹を壊してしまひました・・・。やはり、生の料理の大量摂取は慎重にしなければなりませんね。
でも、「Alive!」最高。ここも、是非ともまた来たいお店のひとつです。

その他にも、シスコは海岸沿ひの街であるので、魚介類が新鮮&豊富にあり、海鮮料理屋はおいしい所がたくさんありました(オススメは「Swan Oyster Depot」)。それだけでなく、広大な農場を抱へてをり、且つ、オーガニックなど意識の高い農家も多いので、これまた新鮮でおいしい野菜や果物が大量にあり、ワインも豊富、ラテン系やアジア系の人々が切り開いた土地柄ゆゑ食への関心も高いとあって、なんとシスコは世界でも有数の食の街なのでした。知らんかったー。

ちなみに日本料理屋も結構ありますが、なかなかレベル高し。普通においしいです。且つ、なぜかどこもここも大人気。多分、日本食は身体にいい、と思はれてゐるんでせうね。

そんな訳で、シスコのレストランは素晴らしかったのでしたー。


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