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2006年05月21日(Sun)

ナイロビの蜂 映画

 MOVIXにて『ナイロビの蜂』を観る。壮大なアフリカを舞台に繰り広げられる男女のラブストーリー、てな感じで宣伝されてゐますが、いや、確かにラブストーリーとしても秀逸、非常に完成度の高い素晴らしいものなのですが、この映画はそれだけではない。アフリカがどれだけ世界の食ひ物になつてゐるか、それを厳しく告発する暴き系(exposure)映画なのであつた! ガガーン!!!

 男は英国の高等弁務官。女はその妻でバリバリの社会主義者・市民運動家、といふ設定である。その二人が愛し合ふ夫婦、といふのは無理な設定ぢやない? と、思つた方もをられるかもしれませんが、なんのなんの。二人の性格や主義、心情などの描き分け、がキッチリなされ、それでも且つ、そんなものを越えての愛がリアルに描かれる。たとへばこんなシーンがあります。産まれてくるであらう赤ん坊の名前を巡つて、二人でやり合ひがあります。彼女は革命家の名前をつけたい。しかし、彼は名前は平凡な方がいいと主張する。そこで、彼女が「チェ・マフィン・〜」といふのはどうかと提案。「チェ」といふのはもちろん「チェ・ゲバラ」、「マフィン」といふのは、彼の象徴です。マフィン?

「あなたはたとへ革命が起きても、家でマフィンを焼いてゐるッて感じよ」

「う〜ん、ボクはそんな男なのかい?」

「ええ。でも、あなたはそのマフィンを、革命騒ぎで飢ゑた子どもたちにあげ続けるでせう。穏やかな秩序の回復を祈りつつ、その秩序が回復するまで。そんなあなたが、私は好き」

 ……か、感動!

 監督は『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレス。いや、やはりこの監督さん、偉いわ。志が高い! とにかく世に蔓延る陰謀、アフリカの悲惨な現状、目を逸らしてはいけないこの世の真実、が、ザックリと暴露されてゐます。今すぐテレビを消して、観に行くべき。今年はこの映画を観てゐないと、話にならないでせう。絶対のオススメ!

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