京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal：Home

　Jouleには初めて行つたが、アメリカ村の三角公園隣にあるブルータスビル2・3階を占めるクラブで、ま、フロアは狭い。ステージも見にくいことはなはだしく、そこに悪ガキどもがギッシリ詰まつてゐるので、予想してゐたとはいへ、些かウンザリする。私も歳をとつたかな。昔は、最前列に躍り込んだりしたものだけれど。などと、考へながらも、みんなと一緒に「ウエッサァァァァイ！」なんてハンドサインとともに叫んだりしてゐるうちに、QUIK登場。いきなり、ラップしながら現れた。

　私は一時期、QUIKがウエッサイの中で一番好きだ！　と言つてゐたこともあるので、もちろんQUIKは好きなのだけれど、どちらかといふとラッパー（パフォーマー）といふよりミュージシャン（裏方さん）といふ捉へ方だつたので、正直言つてステージにはそれほど期待してゐなかつた。それが！　あまりの格好良さにビックリしてしまつた。なんといふか、本人の佇まひがいい。トモコが「まるで菩薩像のやうね」と言つてゐたが、確かにさういつた雰囲気が、悪い事を散々した後に悟りを開いた、とでもいふやうな風情が漂つてゐる。お決まりの客同士の乱闘騒ぎが持ち上がつた時も、会場側がパニクッて客席側のライトをつけ「ライブを中止しますよ！」と絶叫してゐるのをよそに、ステージ上にずらりと並んだシャンパンを手にとつて猛烈に振り、その泡を乱闘してゐる連中にぶッかけた後、DJ E-MANに指示を出して何ごともなかつたやうにステージを再開。それに慌てて会場側が客電を消して追随する…といつた次第。シャンパンや酒、ヘネシー、なんかをコップに入れて客にジャンジャン振る舞つたり、スピーカー横にゐてステージが見えないお客さんのためにスピーカーの上によじ登り、そこから向かう側に顔を出してラップしたりと、サービス精神も満点。アンコールにまで応へたりと、とにかく短いながらも大満足のステージであつた。ええもん見たわー。

　ところでQUIKと言へばブラッズ。クリップスとブラッズといふ2大ギャング組織のブラッズ側に属し、故にチームカラーの赤色のものを身につけてゐることで有名だが、今回も赤のキャップの下に赤のビーニーで登場。ま、これらは予想の範囲内であつたが、最後にシャツを脱ぐと、真ッ赤なタンクトップが出てきたのにはやられた。カッコよすぎるよ、QUIK。

　またすぐに日本に戻つて来るぜ、みたいな事を言つてゐたが、本当だらうか。もうすぐ発売されるQUIKの新作が楽しみです。