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2005年05月01日(Sun)

オパールバトル大会第一回卓球編 バトル

 とうとう闘ひの火蓋は切つて落とされた。オパールバトル大会第一回卓球編。一度に全員が揃ふのは無理なので、今日はとりあへず6人で闘ふ事になつた。戦士たちは、ウメドン、テラリー、ヤマネくん、コータローくん、オイシン、ハッサクさん。場所はブックファーストの上の卓球場。私は見届け人としてついて行く事になりました。第一回戦はオイシン VS ヤマネくん。オイシンは中学の時に卓球部、ヤマネくんは素人だ。「ヤマネさん、ハンディとして3ポイントあげますよ」とオイシンは余裕をかます。オイシン、それ、負けた時の言ひ訳にしやうとしてゐるんぢやないだらうな? と、私が問へば、「いいえ。だつて、負ける訳ないですもん」と鼻でせせら笑つた。まァ、確かに、卓球と言ふのは、経験者とさうでない人の間には大きな差がある、といふしな。ヤマネくんは運動神経がいいので、善戦を期待しやう。……

 結果。オイシンの惨敗。…ま、予想通りだな。それにしてもボロ負け過ぎるが。この後、オイシンは経験者には全て敗北。他の人からは1セットもとれなかつたハッサクさんにも、1セットとられる。試合前には、「ボクは中学卒業してから誰にも負けたことがないんですよ」と不敗神話を誇示してゐたオイシン。テラリーのコメントを載せやう。

「オイシンさんには全く失望させられました」

 さてヤマネくんだが、全員(オイシン除く)の一致した意見は「素人とは思へない!」。とにかく球が速い。正確。スマッシュを打ち返せる。実を言ふと、ヤマネくんは卓球部ではなかつたが、テニス部だつたのだ。しかも国体強化選手。だから、私のやうな卓球もテニスも訳が分からない人間にはよく分からないのだが、ヤマネくんのフォームはテニスなのださうだ。テニスのフォームで卓球をやつてゐる。そんなヤマネくんの宿命の対決相手はコータローくん。これまた私にはよく分からないが、二人の間には色々とあるやうである。試合前から駆け引きがあり、奇声や言葉による威嚇、心理戦、パフォーマンスなどが入り乱れた騒々しい試合となつた。で、結果は、ヤマネくんの勝ち。

「このままでは終はらさん!」

 これは、以降のバトルが楽しみになつてきた。

 今日の紅一点、ハッサクさんも卓球素人。厳ついといふか、むさ苦しいといふか、負けず嫌いで勝ちにはやる他の面々をよそに、今日は勝ち負け関係なく楽しむ事に決めたやうで、飄々と試合をこなす。さうさう、かういつた風に、みんなも気軽にこのバトル大会に参加してほしい。オリンピックではないが、正に参加する事に意義がある。いや、そこにしか意義がない、と言つても過言ではない。もう少し正確に言へば、試合に参加して、その前後にオパールにやつて来て飲み食ひする事にこそ意義がある訳だから、みなさん、そこらへん誤解なきやうお願ひします。

 最終試合は、因縁の対決、テラリー VS ウメドン。予想通り(?)といふか、二人ともここまで全勝である。テラリーは中学の時に卓球部だつたが、ウメドンは中、高、大と卓球部。現在も社会人として卓球のコーチについてやつてゐるので、どうみてもウメドンが圧倒的に有利である。が、その分、ウメドンはもし優勝しなかつたら、全員に奢りまくるウメドンナイト@カフェ・オパールを開催しなければならない。プレッシャーに極度に弱いウメドンは、終始無口である。テラリーとしてはこの弱点をつくしかないので、試合前から軽く心理戦を仕掛けたところ、ウメドンが過剰反応し、いつのまにやら泥沼のビーフ状態となつてしまつた。銃でもあつたら死人が出かねない、といふまで緊張が高まつた中、最終試合は行はれた。それまでとは打つて変はつた静けさのなか、ピンポンの跳ねる音、靴の鳴る音、口から漏れる気合ひの声、だけが、静まりかへつた卓球場に響き渡る。……

 結果は、ウメドンの勝ち。当然、か。うん、ウメドンおめでたう。よくぞプレッシャーをはねのけた。これからもその調子で……ん? コータローくんが私にラケットを渡した。「時間が余つてゐるし、せつかくだから店主もやつたらどうですか?」それは、構はないが、私ぢや試合にならないだらうしなァ。ま、いいか。ウメドン、相手をしてくれ。

「いいですよ。ハンディを差し上げます。ケンタロウさんは1ポイントとれば、3点、といふ事で」

 よし。ではお手柔らかに……。むろん、卓球経験などゼロに等しい私が、まともに試合などできる訳がない。ウメドンが軽く打つてくる球を、なんとか返すだけ。それでも、ウメドンが自らのミスを3回ほどしたら、私はたちまちマッチポイントとなつた。あと1回ウメドンがミスしたら、私が勝つ。と、目に見えてウメドンが狼狽し始めた。なんだ、こいつは。私相手に狼狽してどうする…。と、ミス。私は1セットをとつた。周りのみんなも歓声をあげる。ウメドンの狼狽は気の毒な程だ。にしても、今からでも、たとへ目隠ししてでも私相手なら2セットとつて逆転できるだらうに、なにを焦つてゐるのだ。あかん奴だ。一寸威嚇したらなアカンな…。2セット目。ミス、ミス、ミス、ミス。ゲームセット!

「わー! 店主の勝ちー!! 本日の優勝者はオパール店主です! ウメドンナイト開催決定!!」

 沸き起こる興奮の波。しおたれるウメドン。かうして、栄えあるオパールバトル大会第一回の優勝者は、私となつたのであつた。では、私から一言。

 みんな、口ほどでもないな。

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