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2016年01月07日(Thu)

年末・年始/友情/コンプトン etc

12月26日〜1月6日

年末・年始

この年末・年始は暖かかった。一年前の豪雪が降り、オパールの玄関前通路に植ゑてあるゴムの木が雪の重みでへし折れたのに較べれば、格段の暖冬。だって、未だ石油ストーブ焚いてないよ。ってな訳で、一年前に較べればお客さんの数は多い。ってか、単に一年前のお客さんが少なかっただけ、ではあるのだけれど。約2年振りに訪れた繁忙期に、些かバタバタとして過ごした年末・年始でした。

その他のトピックとしては、この年末・年始はトモコが映画「ハイ★スピード!」祭りを決行し、普段はアニメなんか観ない常連さんたちを、次々と劇場に送り込んだことがあります。普段はアニメなんか観ない人たちを劇場に送り込むと、興行側は見込み外のお客さんが来て嬉しいし、観に行った人たちも普段は観られないものが観られて嬉しいし、トモコはその人たちから来場者プレゼントを貰へて嬉しい、と、ウィンウィンウィンの素晴らしい関係が構築できます。むろん、観に行った人たちは概ね満足したようで「普通に面白かった」といふ意見が一番多かったです。ま、そんなもんでせう。
ところで気になるのは、逆に普段はアニメを観てゐるヤマネくんの様な人が、いくら薦めても観に行かなかったことで・・・ヤマネくん曰く「そんな美少年ばっかり出て来るアニメなんか観たくないですよ。気持ち悪い。ボクは美少女がたくさん出て来ないアニメには興味わきません」。うーむ、むしろその考への方が気持ち悪い様な・・・。

友情

実は前項から続く。実際のところ、確かに「ハイ★スピード!」に男性客はほとんど居ません。これは元になったTVアニメ「Free!」が、“女子向け”とされてゐるからだと思はれますが・・・しかし、やっぱ納得できん。実際に作品を観れば(作品として観れば!)、別に“女子向け”でも“男子向け”でもない。男性も女性もどちらも楽しむことができる普遍的な面白さを備へた作品となってゐるからです。
ネット上で散見する“BL”“同性愛”“ホモ”などの評言に関していへば、ズレてゐるとしか思へない。確かに、さういったものが好きな人たちを喜ばせる要素は鏤められてゐます。それは、制作側が意図的にやってゐるでせう。でも、「Free!」は決して“BL”“同性愛”“ホモ”作品ではありません。でせう?別に男性同士の恋愛がテーマになってゐる訳でもなく、そもそもキスひとつする訳でもない。単に男同士で無邪気にじゃれあってゐるだけです。そんな関係を何と言ふか。さう、友情といふのです。
私は思ふのですが、この作品のことを“BL”“同性愛”“ホモ”とか言ってゐる人たちって、“男の友情”といふものが分からないんだらうなぁ。つまり、友人が居ないんだらうあなぁ、と。いや、そんな人たちでも、所謂“連れ”とか“仲間”は居るとは思ふ。でも、“友人”が居ないのではないか。
“連れ”は、たまたま偶然に関係ができたから一緒に居る人たちのこと(級友とか幼馴染み)、“仲間”は何かを一緒にやったり、助け合ったりする利害共同体のメンバーのこと(クラブ仲間や会社仲間)。“友人”は“連れ”よりは強い想ひを持ち、“仲間”の様な利害関係とは関係なくある在り方です。強くて、純粋な想ひ。で、何をしてるかといふと、一緒にじゃれてるだけ。それだけで幸せな関係のことを“友情”といふのです。
アニメでいふと「けいおん!」がこの“友情”を見事に描いてゐましたが、「Free!」はそれを男性版に置き換へた趣きがあります。男の友情を描いてゐる。だから、男の友情が分からない人たちは、彼らのあまりに仲のよい様子を観て、そこに“友情”を観ることができないもんだから、一足飛びに「こんなに仲が良いのは性的関係があるに違ひない!」と思ってしまふんだらうな。ま、友情って難しいからねぇ。“連れ”や“仲間”といふ関係を、“友人”といふ関係にまで錬成するのは至難の技、ましてやそれを維持するのは希有、といふのが現実世界での実態だらうからね。だからこそ、「Free!」や「けいおん!」は眩しいんだな。
・・・なんて事を、この年末・年始にはずうっと考へてをりました。

コンプトン

映画「ストレイト・アウタ・コンプトン」を梅田ブルク7で観ました。
N.W.Aの伝記映画。昨年の夏、アメリカで特大ヒットを飛ばしてゐる・・・けれど日本での公開予定はなし!と聞いた時は怒りのあまりライトセイバーを振り回して家中をメチャメチャにしてしまったもんですが、ファンの声が届いて無事に公開と相成り、今年の映画初めとして劇場に乗り込んだといふ次第です。
やー、最高だわ、最高。次々と流れる名曲の数々はもちろんとして、そこに描かれる当時のコンプトンの様子。風俗。そしてあの頃の空気感・・・。
ところで、オパールの常連さんたちの中でも、すでにこの映画を観てきた人は何人か居て、ウメドンやハッシーは「もう、最高・・・」と陶然とした顔をしてゐたんだけど、ウノピは「まー、なんていふか・・・音楽映画って、所詮みんな同じなんぢゃないですか?」と些か不満顔だったのです。
なるほど。でもね、ウノピ。現実のミュージシャンの人生なんて大体似た感じになっちゃうんだから。貧乏だけど才能のある若者たちがデビューして、世界を変へるほどの影響を与へるんだけど、業界の悪い大人に騙されたり、カネを巡って仲間割れを起こしてバラバラになる・・・と。だから、そんな映画の魅力を支へるのは、むろん音楽と、その周りにある風俗や空気、そのディテールなんだよ。
この映画は冒頭から、当時のコンプトンの様子・・・ギャングたちのファッションや喋り方、屯してゐる様子、彼らの生活、警察の介入の仕方・・・が描かれて、それだけで、おおー!となる。それから、飛び跳ねるインパラ、走り回るバイク、クラブの様子や家でのパーティーの様子、ブラッズやクリップスのファッション、なにより彼らの醸し出す空気感がいちいち、あああー!おおおー!と痺れるんだ。
ウノピもケンドリック・ラマーの「キングクンタ」のPVはカッコいいと言ってゐたけど、私やハッシーがあれを観て「な、な、なんだ、このクソドープなPVは!!!」と驚愕したのとは、ちょっと感じが違ふんぢゃないかな。映画の中でも言ってゐたけど、ヒップホップは音楽ぢゃない、ライフスタイルなんだ。だから、やっぱヒップホップに嵌ってしまふと、ファッションから何から変はってしまふ。私もかつて、オサレなカフェの人から、一転してヒップホップファッションに変へて顰蹙を買ったけど、まぁ、さういふもんなんだよ。まぁ、今はアニメファンに転じつつあり、新たな顰蹙を買ひつつあるんだけど・・・。
でも、特にヒップホップに興味のない人たちの間でも、この映画は評判がいいみたいだよ。私は、思ひ入れが強いので上手く客観的に判断できないんだけど、それでも、こんな全て知ってることばかりで構成されてゐるのに、こんなに感動できるなんて・・・と思ったよ。まぁ、ここで「クロスロード」がかかれば最高なのに!とか、やっぱドレとキューブをカッコ良く描きすぎでは?とか、なんでイージーEのソロ活動が描かれないねん、とか、色々と思ふ所はあるけれど、そんなもんファンの勝手な思ひ入れで、映画には何の関係もないから。やっぱいい映画、だったんぢゃないかな。
と、何故かウノピに語りかけるスタイルになってしまったけれど、みなさん本年もよろしくお願ひ致します。

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