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2015年10月10日(Sat)

誕生日/ARIA/アントマン etc

9月28日〜10月7日

誕生日

9月28日は私の誕生日です。正確に言ふと、1969年の9月28日に私は産まれました。さて、1969年の9月28日、つまり私の産まれた日になにか印象的な事があったでせうか、私が産まれたこと以外に。

むろん、あったでせう。なかでも最も印象的なのが、シアトル・パイロッツのチャック・マリーが、自身にとって最初で最後となった大リーグの打席で56本のファールを打ったことではないでせうか。日本に於いても、これは高校野球での話ですが、明訓高校の山田太郎が23本のファールを打ったことがあります。しかし、あれは死球で怪我をしたチームメイトが回復するまでの時間稼ぎのために、故意にファールを打ち続けた結果です。それに対して、チャック・マリーの場合はさういった事情などなく、最初はただ必死に、そのうちにファールを打つこと自体に快楽を感じる様になって無心に、打ち続けた結果の56本です。そこには確実に、“永遠”が宿ってゐた事でせう。
考へてみれば、私のこれまでの人生もファールを打ち続けてきた様なものです。これからも、ずっとファールを打ち続けていきたいと思ひます。

ARIA

MOVIXにて「ARIA The AVVENIRE」を観ました。これは「ARIA」といふ、2005年から2008年にかけて3期分放映されたアニメの、劇場版完全新作となります。
むろん私はこの作品を知りませんでしたが、劇場でポスターをみかけ、そこに川上とも子の名前があったのにも惹かれて(完全新作なのに、どうやったんだろ。川上とも子は亡くなってゐるのに・・・とか思って)、よし!この映画を観よう!と決め、慌てて「ARIA」のTV版をレンタルして観始めたといふ次第です。
とはいへ、なにせ話数が多い。結局、半分ほど観た所で、映画の公開を迎へてしまったのですが・・・基本、この作品は1話完結で、特に全体を通して何が起こる訳でもなく、水の惑星アクアのゴンドラ水先案内人である“ウンディーネ”と呼ばれる少女たちの日常を描いたものなので、半分ほど観てゐれば大体わかるだらう、と考へて劇場に行きました。そして、それはその通りでした。僅か1時間の映画ですが、波を孕んだ大海に全身を満たされ、空も風も光も全て手に入れたかの様な、充実した満足感を得られました。あー、えがったー。
冒頭、スクリーンいっぱいにアクアの海が現れ、風車がグルグル廻るシーンから、いきなり快楽の波が押し寄せます。あー、やっぱ大スクリーンで観るアニメはいいわー。絵が動き、音が聴こへる事の快楽よ。なんつってもMOVIXの一番大きいスクリーンでの上映ですから。
この「ARIA」といふ作品は、日常のさりげない出来事の中にミラクルをみつける、といふのがテーマになってゐます。故に、いま現在のかけがへのなさ、といふのが強調される傾向にあり、過去の記憶/思ひ出や未来への期待/不安がしょっちゅう喚起され、時の移ろひ、継承、といふ事が何度も語られます。ある意味、テレビ版を観てゐると、似た様な話が何度も展開されるのですが、それはちっともマイナスではない。何故なら、我々の日常とはそもそも似た様な事の繰り返しだし、そこにミラクルを見ひ出すのがこの作品の肝だからです。
この劇場版でも同じです。今回は、シリーズ全体を包括する様な構造になってゐて、シリーズが始まる前のエピソードから(主人公の灯里がARIAカンパニーへ入るエピソード)、シリーズが終った後の予感を孕んだエピソード(灯里の後輩たちのエピソード)まで、過去と未来が交錯して、現在を輝かせる様になってゐます。そしてそこに、川上とも子が演じる/演じたアテナが絡んでくる事によって、ラストは大団円です。アテナ以外の全ての人が揃った食卓に、遠くからアテナの歌声が届く・・・といふのは、ベタではあるが、やはり感動的。この現在に過去も未来も含まれるなら、我々は死者と共に居ることもできる・・・。ファンにとっては、感無量のエンディングでした。
・・・って、私は仁輪加ファンなのであった。「ARIA」シリーズの残りも早く観ようーっと。

アントマン

アメコミの「アントマン」が映画化されるー、といふ情報が伝はってきた時、監督はエドガー・ライトといふ話だったんですよね。私はアントマンは知りませんでしたが、なんかアリみたいな小ちゃいヒーローといふ事で、それをエドガー・ライトが撮る!といふだけで、もうあがりまくってゐた訳です。ところが、エドガー・ライト降板の報。ガックリきてしまって、もう「アントマン」への関心も失せちゃって、映画が公開されたのは知ってゐたのですが、ほとんど無視状態でした。
そこに、映画を観てきたマツヤマさんから「エドガー・ライトの名前は脚本にもプロデュ−スの所にも残ってゐるし、映画も随所にエドガー・ライトっぽさがあったよ」と教へて貰ったので、なにー!それはー!と、慌てて調べてみたら、監督はペイトン・リード。主演はポール・ラッドとの事で・・・これって、コメディ?「アベンジャーズ」シリーズのひとつといふ事だけど、コメディだろ、この布陣ならどう考へても?・・・となって、結局MOVIXまで観に行きましたー。

んー、やっぱコメディやん!!いや、これ私の好きなタイプの映画です。音楽のセンスも抜群だし、個人的にはとても良かった。なんつっても主人公の仲間の3バカトリオの存在が最高。その中に、T.I.が居たのはビックリしたけれど、なにはともあれマイケル・ペーニャがいい!多分、映画の中で一番光ってたな・・・。ところで、この3バカトリオは原作には居ない様で、どうもエドガー・ライト(とジョン・コーニッシュ)が独自に作って付け加へたらしい。ってか、こいつらは“ドートマンダー”シリーズのパスティーシュらしく、さすがはエドガー・ライト(とジョン・コーニッシュ)。ヲタクやのー、って感じです。
そもそも、アリのサイズのヒーローといふ時点でほとんどギャグであり、どんなに真剣に激しく闘っても、所詮はアリのサイズでの出来事・・・といったギャップギャグが基本になってしまふ訳ですが、はっきり言ってしまへば「ナイトミュージアム」のオーウェン・ウィルソンとスティーヴ・クーガンのやってるギャグと同じです。が、アントマンはさらにギャプの規模が大きく、途中のセリフで「現在アベンジャーズは浮かんだ島を壊すのに大忙しだ」とあるのから分かる様に、「エイジ・オブ・ウルトロン」と同時期の話となってゐる訳で、アベンジャーズがバカバカしいほどの大きな規模で活躍してゐるのに対し、子供部屋で機関車トーマスなんかと絡みながら必死で闘ってゐる。でも、ことの重大さは同じだよー、といふ、なんとも素敵な構造になってゐるのです。粋だよね。
この後、アントマンはアベンジャーズに合流するみたいですが・・・どーなんだろ。なんだかとっても楽しみです。

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