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2011年02月02日(Wed)

ソーシャルネットワーク 映画

本年冒頭の映画鼎談で、最近映画がつまらんなー、もう映画界って終はりなんぢゃないの?ってか、もしかして映画がつまらんのは俺たちにも責任ある?年とって映画を楽しむ能力落ちてきたとか?この状況、なんとかせなあかんのとちゃう?・・・みたいな話になりまして、ではもっと積極的に、強制的に映画を楽しんでみようではないか!・・・と、そのためのプロジェクトを開始しました。題して、「映画環境改造計画ー映画は強制起訴される!」。ババーン!!!

・・・これはどういふものかと言ひますと、「映画審査会」といふ素性の怪しい者3名から構成されるナゾの委員会が強制的に起訴した映画を、我々(マツヤマ、ヤマネ、私)オパール映画鼎談のメンバーが、嫌々だらうが理不尽だらうが筋が通らなからうが、とにかく観て、それについて無理矢理にでも語りあふ、といふものです。
こんな事で果たして映画を楽しむ事ができるのか?苦しむだけではないのか?といふ最もな疑念はあった訳ですが、なにがなんやら分からないうちに強制的に発動されてしまひました。うーむ。
で、最初に起訴された映画は・・・・・・「ソーシャルネットワーク」デヴィッド・フィンチャー監督。です!!!

ヤマネ
あー、もう、なんでこんな映画を観なければならないんですかー。理不尽過ぎますよー
元店主
あれ?ヤマネくんは面白くなかったの?この映画。それに、そもそもヤマネくん、フィンチャー好きぢゃなかったっけ?
ヤマネ
ボクは『ベンジャミン・バトン』が好きだっただけで、フィンチャーなんか別に好きぢゃないですよ!もー、この映画、ちっとも面白くなかった。つまらん!最低!この映画のおかげで、『ベンジャミン・バトン』もつまらない映画だった様な気さへしてきましたよ!
元店主
それはそれは。私は、まー、まぁまぁ面白かったかな。結構、楽しめたよ。マツヤマさんはどうでした?
マツヤマ
オレは、この映画の原作者のベン・メズリックのファンだから。さういふ視点から観ると・・・なんか、もの凄く物足りない。だから、見終わった直後は、下らん映画だな!と、毒づいてたんだけど、ま、時間がたったら、それほど悪い映画でもないかな、といふ気もしてきた
ヤマネ
えー!全然面白くないぢゃないですか、この映画ぁ。大体、フィンチャーがなんでこの映画を撮ったのか、さっぱり分からない。かういった題材に興味なささうでせう?そもそも
元店主
でも、フィンチャーはさういふ奴なんぢゃないの?職人的、といふか。撮ってる映画に、一貫性とかあまり感じないけど。いつだって、たまたま廻って来た企画にのってるだけなんぢゃないかな。
ヤマネ
さうなんですかね?確かに、『ベンジャミン・バトン』もフランク・オズやスピルバーグ、スパイク・ジョーンズなど、錚々たる監督たちがやらうとして出来なくて、何年間もグルグル廻った末にフィンチャーの所に来た企画ですもんね。本人も最初はあまり撮りたくなかったみたいだし。それでも、あれだけの傑作を撮ってしまったのは、やはり職人的監督なんですかねー。んでも、今回は職人的にも失敗してるんぢゃないですか?編集とか、イマイチでせう
元店主
うーん、そこら辺はヤマネくんと違ふなぁ。私は、今回も『ベンジャミン・バトン』に劣らず、素晴らしい編集だったと思ふけど。巧いなぁ、と何度も唸った。はっきり言って、この映画、お話はあまり面白くない。それは私もさう思ふ。けど、見せ方が巧くて、やっぱフィンチャーさすがだわー。と、さういった面で楽しめたんだけど
ヤマネ
うっそー!どこらへんが巧いと思ったんですか???
元店主
うん、ええっと・・・例へば、冒頭のシーンからして巧いと思ったよ。彼女と会話してるだけなんだけど、その会話が凄く面白いし、それで主人公のザッカーバーグがどんな奴なのか、が一発で分かるし。そこでいきなり彼女に振られて、ザッカーバーグがハーバードの寮まで小走りで帰る所を延々と撮るんだけど、その時に通るハーバード内の様子とかさ、あれでハーバードの持つエリート性とか、上流階級性とか、それの持つ魅力や嫌味なところ、なんかが凄くよく伝わるし、そこをちょいダサイ格好で彼女に振られて黙々と小走るザッカーバーグの様子とか。あれで映画の持つ雰囲気がバッチリ伝はる。その時にバックに流れる音楽もいい。少し可憐で美しいピアノの戦慄なんだけど、その後ろに不穏な、なにか胸を締め付ける様なものがある。結構、秀逸なオープニングだと思ったけど
マツヤマ
この映画は、会話のシーンが凄く多くて、でもそれがどれも面白くていいんだよな。会話のシーンがアクションシーンになってる、といふか。特に、ショーン・パーカーの喋りは良かったな
ヤマネ
あ!ボクもショーン・パーカーは良かったです!あの、大音量で音楽が流れるクラブで喋ってるシーンなんか、鳥肌たちました!かっこいい!
元店主
あそこは良かったねー。だから、あのショーンとザッカーバーグが完全に手を組むシーンに、ああいったクラブを持って来るセンスとかが巧いんぢぁないか。ゴチャゴチャした説明なんか何もなくても、若い天才たちがこれから世界に対して宣戦布告する、その甘やかな魅力と危険な香りが、ぱっと伝はる。ああいった所が、とても巧くてウットリする
ヤマネ
う〜ん、さうなのかなぁ・・・。でも、ケンタロウさんも、お話自体は面白くなかったんでせう?
元店主
うん。面白くなかった。ってか、そもそも、最後までフェイスブックが何なのか、どういったものなのかが分からなくて。一体彼らが何をやったのか、何が凄いのか、ちーっとも分からん。そこが最大の不満かな。だから、まー、映像の面では結構楽しめたんだけど、全体としてこの映画を評価してる訳ではないよ。
マツヤマ
さうなんだよ。オレは原作を読んでるからどうしてもそれと較べてしまふんだけど、原作から大事なものがゴッソリ抜けてる感じなんだ。まぁ、原作にもそこまでハッキリ書かれてる訳ぢゃないんだけど、オレの深読み力を持ってすると、フェイスブックは一種の民衆革命なんだよ
元店主&ヤマネ
ええー!さうなんですかー!!!
マツヤマ
うん。ザッカーバーグは、ウィンクルボス兄弟に象徴されるアメリカの従来の支配層に対する民衆の対抗網として、フェイスブックを作ったんだ。ほら、オバマの勝利にもフェイスブックは大きく貢献したと言はれてゐるし、イラン大統領選の不正問題とかさういったものの顕在化にも、フェイスブックが大きく関与してると言はれてるだらう?それに、映画の中に出て来た、フェイスブックをサポートしてくれる投資家、覚えてる?
ヤマネ
ええ、覚えてますよーん
マツヤマ
あの人、ロン・ポール支持者のリバータリアンなんだ
元店主
えええー!!!それ、メッチャ大事な情報ぢゃないですか!そんなこと、映画の中で言ってました?
マツヤマ
いや、言ってないと思ふよ。映画の中ではザッカーバーグは単なるオタクで、たまたま金持ちになった人、みたいに描かれてるけど、実際は、本人は相当にしっかりした政治思想を持った革命家みたいなんだ。彼ははっきりした意志と思想を持って、フェイスブックを運営してる
元店主
そんな・・・。そんな大事な事を無視して、といふか、さういった視点を無化して映画化するなんて・・・クソですね!フィンチャーは!
ヤマネ
いやー、フィンチャーは職人的な監督だから、あまりイデオロギー的なものに関はりたくないんぢゃないですか?公正中立、ちゅーか、ね!
元店主
でも、フェイスブックは実際にあるし、ザッカーバーグも実在する人物。さういったものを描くんだから、公正中立なんかあり得ない。それはむしろ悪しき無毒化。旧体制側に寄り添った偏向だよ。ああー、もしさうだとしたら最低の映画かも、これ。
マツヤマ
さうなんだよ!だから、この映画に対抗して、正しいフェイスブック像を広めなければならないんだよ!
ヤマネ
正に!・・・でも、フェイスブックって、実際のところ、ミクシーやマイ・スペースなんかとどう違ふんですか?
マツヤマ
いや、それは・・・よく分からない。やったことないし
元店主
それに、フェイスブックは広告宣伝を載せない、と言ってましたけど、どうやって利益を出してるんです?そもそもみんな、フェイスブックで普段、何をしてるんですか???
マツヤマ
さぁ・・・・
ヤマネ
ウ〜ン・・・
元店主
・・・・・・
マツヤマ
・・・結局、オレたちやっぱ、歳とって時代から取り残されてるって事か?
ヤマネ
今の映画を楽しむには、今の時代の知識も必要。で、ボクらはその知識がない・・・・。勉強、必要ですか?
元店主
まぁ、このプロジェクト。我々自身を改造しよう、といふ趣旨でもあるから・・・
ヤマネ
・・・よーし!燃えてきましたよー!どんな映画でもドンドン来い!!!
マツヤマ
で、次に強制起訴される映画は?
元店主
・・・えー、『ヒア・アフター』ですね。イーストウッドです
ヤマネ
やったー!それなら絶対に観る映画ですもん!よかったー!
マツヤマ
じゃあ、それまでによっく勉強しとくか。じゃあな!
元店主
あ、それまでにもオパールには来て下さいよ!お願ひしまーす!

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