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2010年06月30日(Wed)

アウトレイジ 映画, 俳句

MOVIXにて「アウトレイジ」を観てきました。

私は映画監督北野武のファンである!と、公言し、新作が公開されるたびに金棒引き引き観に行ってゐたのですが、実をいふとここ数作は観てゐません・・・。
色々と事情が重なって、とかなんとか、さういった事もあるのですが、正直いって「DOLLS」あたりからちょいとばかり辛くなってきてゐたのも事実。なんか、無理矢理いい所をみつけて褒め、周りの人間に薦め、観ない人間を憐れみ、貶す奴には反論する、褒める奴にも反論する、といふかなり倒錯した状況に陥ってゐた様な気がします。
ファン心理とはややこしいものです(私がややこしいだけか?)。

それが、今作は久々の原点回帰!・・・といふか、久々にヤクザバイオレンス映画を撮った、といふ事で、いやがうへにも期待は高まる!!!やっぱ北野武はバイオレンス映画だらう!ヤクザものなら間違ひなし!楽しみ!楽しみ!これでダメなんて事はあり得ない!もしあったらどうしたらいいんだ!さうなったら立ち直れないかも!・・・こ、恐い!やっぱ観に行くの止めようかな・・・。
と、萎える気持ちを無理矢理奮ひ立たせ、決死の覚悟・悲愴な表情で映画館に乗り込んだのでした。

さて、その結果は。
お、お、お・・・・・・面白いやん。普通に。椎名桔平や加瀬亮も凄くいい感じだし。ふーむ。うん、いいやん。普通に。北野武が普通にいい、ではダメかもしれないけど、最近の日本映画の劣化ぶりをみてゐると、このくらゐで突出した作品なのかもしれない。良かった。ホッとした。取り敢へず、素直に楽しめる。なんか、むっちゃクールやけど。クールすぎて、ほとんどコタンって感じやけど。北野武映画につきものの“憂ひ”もあまり感じないし。でも、北野武映画印である“引きの美学”は健在。なんつーか、俳句っぽい、かなぁ。この感じ。一句、詠んでみようか。

振り向きて 頭ぶち抜く ヤクザかな

・・・うーん、なんか、イマイチだなぁ。もう一句いってみるか。

血塗れて 小さな声で 死ににけり

・・・お、なかなかいい感じかな。でも、少し、改変が必要か。

血に塗れ なほ滴りて 死ににけり

・・・んー、これかなー、んんー・・・って、何の話をしてるんだったかな。
あ、「アウトレイジ」「アウトレイジ」。
・・・えー、で、まー、そんな感じでなかなかにいい。いいです、「アウトレイジ」。普通に面白い。これでまた、周りの人間に薦め、観ない奴は憐れみ、貶す奴には反論し、褒める奴にも反論できるといふものです。

是非、みなさんにオススメでーす。

静かなる 盛夏に滲む 銃撃戦

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