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Text by 小川顕太郎

映画

2006年06月20日

インサイド・マン

 TOHOシネマズ二条にて『インサイド・マン』を観る。スパイク・リー待望の新作である。スパイク・リーに関しては、前作の『SHE HATE ME』が日本で公開されず、私は勝手に「何かの陰謀だ!」と騒いでゐたのだが、どうやらアメリカでは興行的にも批評的にも惨敗だつたさうで、それで日本までやつて来なかつた、といふ事らしい。ううむ、ホンマか?

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2006年06月10日

足立正生の新作

 先日日記で書いた足立正生の新作だが、なんとすでに完成してゐるやうで、来る7月1日と2日に京都造形芸術大学で全国初! 先行特別試写が行はれるやうである。その新作の名は『幽閉者(テロリスト)』。主演の岡本公三役は田口トモロヲ。他の出演者は荻野目慶子にPANTA、大久保鷹に赤瀬川源平、ARATAと、なかなか豪華(?)である。この二日間は、『幽閉者(テロリスト)』以外にも『椀』『鎖陰』『銀河系』『赤軍ーPFLP・世界戦争宣言』などの旧作も同時上映するやうだし、さらに! シンポジウムが行はれ、足立正生監督自身もやつてきて参加する予定だといふ。うーむ、これは貴重な。パレスチナでの知られざる活動の様子が語られるかもしれない。

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2006年06月03日

ダ・ヴィンチ・コード

 ババさん来店。さういへばババさんは映画『ダ・ヴィンチ・コード』は観たんですか?

「観ましたよ。恐ろしく退屈な映画でしたが…。小説の方がズッと面白いです。が、実は一番面白いのは、副島隆彦の『ダ・ヴィンチ・コード』論ですよ!」

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2006年05月21日

ナイロビの蜂

 MOVIXにて『ナイロビの蜂』を観る。壮大なアフリカを舞台に繰り広げられる男女のラブストーリー、てな感じで宣伝されてゐますが、いや、確かにラブストーリーとしても秀逸、非常に完成度の高い素晴らしいものなのですが、この映画はそれだけではない。アフリカがどれだけ世界の食ひ物になつてゐるか、それを厳しく告発する暴き系(exposure)映画なのであつた! ガガーン!!!

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2006年05月19日

V for Vendetta

 MOVIXにて『V for Vendetta』を観る。あの『マトリックス』のスタッフがおくる新たな衝撃! てな感じで宣伝されてゐますが、ハッキリ言つて『マトリックス』なんかより全然面白い!

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2006年05月08日

憂國

 DVDにて映画『憂國』を観る。これは三島由紀夫の小説を映画化したもので、主演・監督・脚本・演出らを全て三島がやつてゐるといふ三島ファン必見の映画である。が、三島の死後、瑤子夫人の意志によつて全てのフイルムが焼却されてしまひ、幻の映画といはれてゐたものである。私も昔から、雑誌などでこの映画のスチールなどを眺めては、「ああ! 観たかつた!!」と溜息をついてゐたものであるが、なんと! 瑤子夫人の死後、家にネガが残されてゐたのが発見されたのである。

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2006年04月28日

『トム・ヤム・クン!』について

 ババさん来店。私が「『トム・ヤム・クン!』観ましたよ!」と勢ひ込んで言ふと、「あ、観たんですか」と素ッ気ない答へ。あれ? もしかしてババさん、ダメでしたか『トム・ヤム・クン!』?

「うーん、だつて、話が面白くなさ過ぎるでせう!」

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2006年04月25日

トム・ヤム・クン!

 TOHOシネマズ二条にて『トム・ヤム・クン!』を観る。あの『マッハ!!!!!!』軍団による新作。多分、今年一番楽しみにしてゐた映画である。そして、その期待は裏切られなかつた。ドッカーン!

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2006年04月23日

ヒストリー・オブ・バイオレンス

 MOVIXにて映画『ヒストリー・オブ・バイオレンス』デビット・クローネンバーグ監督を観る。『ヒストリー・オブ・バイオレンス』、と聞けば、“暴力の歴史”に関する映画か、と思ひがちだが、実は“暴力の履歴”と言つた意味の映画であつた。田舎で善良に普通に暮らす男が、実は凄まじい“暴力の履歴”を隠し持つてゐた、といつた内容の映画。

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2006年04月18日

立派なパンフレット

 ババさん来店。なにやら大きい、ハードカバーのやうなものを読んでゐる。もしかしてそれは…『ヒストリー・オブ・バイオレンス』のパンフレットですか?

「さうです。やつぱクローネンバーグは偉いわー」

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2006年04月12日

クリップス

 DVDでTVドラマ『クリップス』を見る。これはブラッズと並んで世界で最も有名なギャング団“クリップス”を作つた男、スタン“トゥッーキー”ウィリアムズを描いた作品。トゥッーキーは、コンビニ強盗を働いた時に4人殺して捕まり、1981年に死刑判決を受けてゐたが、獄中で改心、ギャングたちに抗争の中止を訴へたり、子供たちにギャング団に入らないやう、真ッ当に生きるやう語りかけたり、そのやうな内容の本や童話を執筆したりして、遂にはノーベル文学賞・ノーベル平和賞の候補になるまでに至つた傑物。が、周囲の人たちの死刑中止の声も虚しく、トゥッーキーは先日、処刑されてしまつた。合掌。

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2006年03月26日

SPIRIT

 TOHOシネマズ二条にて『SPIRIT』を観る。これはリー・リン・チェイ主演の中国映画。原題は『霍元甲』。霍元甲といへば、清末から民国初めの頃に実在した拳法家で、上海精武門を創立したシナ拳法界の中興の祖である。

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2006年03月20日

THE MYTH/神話

 TOHOシネマズ二条で『THE MYTH/神話』を観る。ジャッキー・チェンの新作である。こ、これが、また! と、とんでもない代物であつたー!!! ドドーン!

 ズバリ、言ふと、異色の傑作である。最初から連打される、予断を許さない意外な展開。この先この話はどうなるのか、そもそもこれはどんな話なのか、といふ事さへ、さつぱり分からない。映画のラストに至つて、ええー! そ、そんな話だつたのー、ウッソー!!! と仰け反ること必至である。そしてそこには、ジワーと、感動が…。

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2006年03月19日

ジャッカス・ザ・ムービー(日本特別版)

 DVDで『ジャッカス・ザ・ムービー(日本特別版)』を観る。これは、出演者(ジャッカスのメンバー?)がひたすらにバカな事をする、といふMTVの人気番組の映画化。タランティーノが大ファンで、故に『キル・ビル』の内容がジャッカス風に変はつてしまつた、などと数年前から話題になつてゐた代物ではあるのだが、さて。まー、確かに大バカである。且つ下劣でもある。が、面白いかと言はれれば、うーん、まーまー、かな? てな感じ。正直なところ。いや、そりゃ、何カ所かでは笑つたし、ここまでバカな事をするのは凄いとは思ふけれど、それ以上に、全く面白くないものも多いし、むしろ不快になるものも結構ある。

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2006年03月05日

RIZEせな

 コータローくん来店。

「『RIZE』最終日滑り込みで観てきました。やー、良かつたですね」

 でせう? 最高だよね、『RIZE』。

「あんなハードな所があるんやなぁ、て。いや、そりヤ、知識では知つてゐましたけど、実際にその映像とか見せられるとね。普通に歩いてゐるだけで、殺されるとこなんて」

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2006年03月01日

「あへこは」存続の危機

 ヤマネくん来店。さういへばヤマネくん、「あへこは(敢へて恐い映画を観る会)」の活動が最近止まつてゐるぢやないか。そろそろやらうよ。

「あー、実はボクもそろそろ一人ぢやなくなるんでねー、もう、辞めようかと思つてゐるんですよ、『あへこは』」

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2006年02月18日

RIZE萌え

 ババさん来店。あ、ババさん、『RIZE』観ました! 最高でした! 

「お、観ましたか。もう、素晴らしかつたでせうー! ボクも、あれは一寸ない、凄い、と思ひましたよ。」

 素材が面白いのは当然として、ドキュメンタリー映画そのものとしても、凄くいいと思つたんですけど。

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2006年02月16日

RIZE

 MOVIXにて『RIZE』(デビット・ラシャペル監督)を観る。これは、今全米に(そして世界に)拡がりつつある新しいダンスムーブメント、“クランプ”について描かれたドキュメンタリー。普通かういつたダンスもののドキュメンタリーでは、ダンスシーンばかりに目が奪はれ、他の部分がかつたるく感じて、もつとダンスシーンを見せろよ! といふ風になりがちなのだが、この作品では、ヒリヒリするやうな厳しいストリートの現実が撮しとられ、写真家デビット・ラシャペルの本領を発揮したやうな人工的なPV風のダンスシーンの適度な挿入効果も相俟つて、全体を通してだれる事なく、分かりやすくひとつの文化が勃興する様が示された、非常に高度なドキュメンタリーとなつてゐる。

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2006年02月13日

天才マックスの世界

 DVDで『天才マックスの世界(ウェス・アンダーソン監督)を観る。これは名門校に通ひながらも、本業である勉強は全くせず、課外活動ばかりに異常に力を入れてゐる15歳の少年を主人公とした物語。様々なクラブに所属したり、自分で創設したりして、駆けずり回つてゐるのだ。

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2006年02月07日

博士の愛した数式

 TOHOシネマズ二条にて『博士の愛した数式』を観る。これは小川洋子の同題の小説の映画化。小川洋子のこの小説は、直木賞に反発して「ほんとうに読者にとつて面白いものを!」といつた趣旨で設けられた本屋大賞の第一回受賞作。書店員さんたちが選んだ賞ですね。そんなこんなで話題になつて早数年(?)。いつか読みたいなー、と思ひつつ読まない、といふいつものパターンを踏んでゐたら、先に映画になつてしまひました。はは。

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2006年02月05日

エデンへの道

 ビデオで『エデンへの道(ロバート・ペヨ監督)を観る。これはベッチに6,7年前に借りたもの。そんなに長く借りッぱなしになつてゐたのか……。あんまりだな、我ながら。と、先日部屋を整理してゐた時に見つけて感慨に耽つたので、観てみることにしたのである。

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2006年02月01日

ヒップホップ・プレジデント

 DVDで『ヒップホップ・プレジデント』を観る。これはクリス・ロック制作・脚本・監督・主演のコメディー映画。うだつの上がらない市会議員のクリス・ロックが、ひょんな事から大統領候補となり、選挙を戦ふ、といつた内容。とにかく、ユルい。下らない。このユルさ・下らなさは、さうさう例をみない。やうな気がするのだけれど、確か、昔にこれとよく似た感触の映画を観たやうな気がするのだが……あ、思ひ出した!『CB4(クリス・ロック主演)だ。…ま、それはともかく、とても他人に勧められるやうなものではない。が、こんな映画がたまらなく好きな自分がゐるのも事実で、ひそかに愉悦の一時を味はつたのであつた。

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2006年01月27日

7人のマッハ!!!!!!!

 MOVIXにて『7人のマッハ!!!!!!!』を観る。これはあの映画史を新たな段階に押し進めた傑作『マッハ!!!!!!』のトニー・ジャーの師匠にあたる人の作品のやうで、もちろんタイのアクション映画。語りの技術こそ大雑把だが、そんな事をものともしない熱さを孕んだ傑作であつた。

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2006年01月23日

映画人口

 サトウさん来店。目黒雅叙園に行つてたんですよ、と私が言へば、「あそこは知人が結婚式をやつたので、その時に招かれて行つた事があるんです。その時に相米慎二監督に会つたんですけど、そこで交はした言葉が最後になつてしまひました…」と溜息をつく。

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2006年01月13日

夢のチョコレート工場

 DVDで『夢のチョコレート工場』を観る。1971年、メル・ステュアート監督映画。あのティム・バートン監督『チャーリーとチョコレート工場』の原作であるロアルド・ダール『チョコレート工場の秘密』を、映画化したもの。ま、『チャリチョコ』の先輩映画ですな。この映画を幼い時に観た、といふ人が周りには結構ゐて、それらの人の感想を聞くと、「面白かつた、でも、恐かつた!」といふもの。確かに、面白い、しかし恐い! 映画であつた。

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2006年01月05日

オリジナル『キング・コング』

 DVDで『キング・コング』を見る。先日観たピーター・ジャクソン版『キング・コング』ではなく、1933年に作られたオリジナル版だ。

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2005年12月26日

ロード・オブ・ウォー

 TOHOシネマズ二条にて「ロード・オブ・ウォー」(アンドリュー・ニコル監督)を観る。世界各国の紛争地帯に行つては武器を売る“死の商人”、その中でも史上最強といはれたユーリー・オルロフをニコラス・ケイジが演じた作品である。むろん、ユーリー・オルロフとは架空の人物であるが、実在する武器商人何人かのキャラクターを混ぜ合はせて作られたやうで、それぞれのエピソードはほぼ実際にあつた事らしい。

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2005年12月21日

『キング・コング』続き

 昨日の続き。『キング・コング』はCGがブッ飛びに凄いけれど、CGにさほど魅力を感じない私としては、そのブッ飛びに凄い部分にそこまでの感銘は受けなかつた、といふのが昨日の話でした。

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2005年12月20日

キング・コング

 TOHOシネマズ二条にて、『キング・コング』(ピーター・ジャクソン監督)を観る。実を言ふと私は今日はジムに行く日だつたのだが、初めて! サボつてしまつた。といふのも、昨日のヤマネくんとババさんの興奮の仕方が凄かつたからで、さらにショーヘーくんまで二人に輪を掛けて騒いでゐる始末。これは、すぐにでも観とかなアカンなー、と思ひ、泣く泣くジムをサボつて映画館に向かつた、といふ次第なのである。さて、観ました。確かに凄かつた。面白かつた。3時間といふ上映時間が、半分にも感じないほどだつた。が…まァ、3人が言ふ程の衝撃は受けなかつたかな。他の映画が霞む、などと言ふこともなかつた。個人的には、余裕で『カンフーハッスル』の方が上だし。

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2005年12月19日

鼎談やりました

 本日は恒例の「輝け! オパール年間映画ベスト10!」鼎談が行はれた。出演者は例によつてババさん、ヤマネくん、私の3人。それと今回は特別ゲストとしてハッシー(欠席)、といふ布陣で行はれた。

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2005年12月10日

『SAYURI』について

 ババさん来店。スピルバーグ総指揮で作られた話題のハリウッド製ゲイシャ映画『SAYURI』を観てきたといふ。どうでしたか?

「とんでもない映画でしたよ!」

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2005年12月02日

『フォー・ブラザーズ』について

 ババさん来店。『フォー・ブラザーズ』最高でしたねー! といふ話題で盛り上がる。「それにしても『フォー・ブラザーズ』は今日で打ち切り。早すぎる。間違ひなく、今やつてゐる映画の中ではトップレベルの面白さの映画なのに。」

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2005年12月01日

フォー・ブラザーズ

 神戸シネ・フェニックスにて『フォー・ブラザーズ』(ジョン・シングルトン監督)を観る。京都で観られないのなら神戸でだ! と、本日は神戸に用事があつたので、強引にその用事の前に映画館に寄つたのである。全く、この映画を観ずにして年が越せるかよ! と、意気込んで行つた訳であるが、映画はこの私の意気込みと期待を軽く上回る出来栄え。平成17年の最後を飾るに相応しい傑作であつた。

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2005年11月28日

やられた!

 月曜日は私は早番で昼からオパールに入つてゐるので、帰りにTOHOシネマズ二条に寄つてレイトショーを観る、といふ体制が近頃はすつかり出来てしまつた。おかげで最近はやたら映画を観てゐるのだが(と言つてもせいぜい週に1本ですが)、そんな惰性のやうな映画鑑賞の日々の中で、今日だけは本当に楽しみな日になるはずであつた。TOHOシネマズ二条のレイトショーに、心の底から感謝する日になるはずであつたのだが…。

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2005年11月23日

現代の耽美主義

 家のすぐ側にシネコンができた事もあり、また毎日のやうにレイトショーをやつてゐるので、私同様トモコも結構そこに通つて最近の映画を観まくつてゐるのだが、どうもシックリくる作品が少ないやうだ。そこでトモコにどんな映画が観たいのか? と尋ねてみると、「さうねー、やはり私は耽美的な映画が観たいのよ、結局のところ」といふ答へが返つてきた。ほう、現代における耽美的な作品とはどのやうなもの?

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2005年11月22日

ブラザーズ・グリム

 TOHOシネマズ2条にて「ブラザーズ・グリム」(テリー・ギリアム監督)を観る。「赤ずきんちやん」「ヘンゼルとグレーテル」「白雪姫」などで有名なグリム兄弟を主人公にした作品で、時代は19世紀フランス占領下のドイツ(正確にはまだドイツといふ国はない)、森にはまだまだ魔法や奇蹟が満ちあふれてゐた時代。グリム兄弟は迷信に惑はされた田舎の人々を騙して、インチキな悪霊退治で金儲けをしてゐたのだが、ある時本当の悪霊に出会つて……といつた話。もちろん、完全フィクションである。

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2005年11月14日

ALWAYS 三丁目の夕日

 TOHOシネマズ二条にて『ALWAYS 三丁目の夕日』を観る。これは西岸良平のマンガの映画化、昭和30年代の日本を舞台に、今は失はれてしまつた美しく睦まじい人間関係を描き、人々の笑ひと涙を誘ふ…となれば、些かあざとい感じがしないでもないけれど、何故私がこの映画を観に行つたのかといふと、それは原作マンガを昔それなりに面白く読んだからで、そこではかういつた世界に漂ふ一種の“あざとさ”を、西岸良平の独特なとぼけた絵が見事に帳消しにしてゐた。

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2005年11月12日

スタスキー & ハッチ

 DVDで映画『スタスキー & ハッチ』を観る。これは昔あつた(70年代)アメリカのテレビドラマ『スタスキー & ハッチ』のリメイクで2003年に公開されてゐる。私はもちろん『スタスキー & ハッチ』といふテレビドラマがあつたのは覚えてゐるけれども、見たことがあるかどうかは記憶が定かでない。

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2005年11月09日

『TAKESHIS'』について

 ババさん来店。『TAKESHIS'』を観ましたよ、なかなか面白かつたです、と私が言へば、「“なかなか”ですか……ボクは爆発的に面白かつたです!!!!!!」と爆発した。

「もう、こんなに面白い映画はさうさうない! なんか無茶苦茶なんだけど、もの凄く面白い。ゴダール超えてゐるやん、と思ひましたけど」

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2005年11月08日

FADE TO BLACK

 DVDで『FADE TO BLACK』を観る。これはJAY-Zのマジソンスクエアガーデンで行はれた引退ライブの模様を収めた映像作品である。ここでJAY-Zの事をよく知らない人のために説明すると、キングと呼ばれ、またそれに値する人間がゴロゴロとゐるヒップホップ界で、間違ひなくトップクラスのキングの一人である偉大なラッパー、それがJAY-Zである。

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2005年11月06日

TAKESHIS'

 MOVIXにて『TAKESHIS'』を観る。この作品は例によつて賛否両論、といふか、相も変はらず「否」の声の方が高いやうだが、いやそれも分からないでもない、といふ些か難しい作品であつた。難しい、といつたのは評価の事で、単純に面白いか面白くないか、といふ話なら実は簡単。それはとても面白い作品であつた。もちろんこの“面白い”といふのも全く個人的な感想で、これがちつとも面白くない人もゐるだらうなァ、それも結構たくさん、といふ事は踏まへた上で言つてゐる訳だが、それなら評価も個人的・独善的に下せばいいではないか、と思はれるかもしれない。が、それにしたつて、やはり、難しいのだ。

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2005年11月03日

アワーミュージック(Notre Musique)

 弥生座にて『アワーミュージック(Notre Musique)』を観る。ゴダールの新作である。先日の日記で私は、前作は『フォーエバー・モーツアルト』だと書いたが、これは間違ひのやうで、その後に『愛の世紀』といふ作品があつて、これが前作にあたるやうだ。しかし、『愛の世紀』ッて、日本で公開したのかな? 私は全く知らなかつた。少なくとも京都ではやつてゐないんぢやないか? いや、分からないけれど。とにかく、最近はすつかりゴダールも下火で、新作がすぐに日本で公開される、といふ事もないので、今回の新作公開は非常に嬉しい。興奮してしまふ。イエー! てな感じで観てきました。

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2005年11月01日

映画版『春の雪』

 TOHOシネマズ二条にて、トモコが『春の雪』(行定勲監督)を観てきた。『春の雪』とは、もちろん三島由紀夫の大傑作『豊饒の海』4部作の第1作の『春の雪』のことである。この傑作小説の映画化なのだ。私はこの小説の映画化を知つた瞬間から、しかも監督以下主要な俳優陣の名前を知つた時から、うわー、止めてくれー!! と頭を抱へてゐたのだけれど、しばらく前からこの映画の予告編が流れるやうになり、それを観た時は完全にブチ切れてしまつた。酷い! 酷すぎる!! 予告編で観る限り、原作と正反対の作品になつてゐるやうに思へる。周りの事情により引き裂かれる愛し合ふ二人…みたいな感じの宣伝がなされてゐるのだが、『春の雪』はそんな話ぢやない。といふか、さういふ通俗メロドラマを皮肉り、批判する話なのだ。無論、映画は原作通りに作らなければならない、といふ事はない。が、正反対といふのはどうか。ま、これは一応予告編なので、予告編なんて嘘ッぱちだらけな訳だし、本編を観るまでは分からないけれど…。

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2005年10月31日

ステルス

 TOHOシネマズ二条にて『ステルス』(ロブ・コーエン監督)を観る。一言で言つて、酷い映画だつた。個人的には今年のワースト1である。今回でハッキリ分かつたが、私、ロブ・コーエンがダメだわ。『トリプルX』の時も、あまりに話が幼稚でどうにもノれなかつたのだけれど、今回はほとんど白けまくつてしまつた。バカバカしい。確かに、私はバカな映画やアホな作品は大好きである。が、「バカ・アホ」と「幼稚」は違ふ、と私は考へる。「バカ・アホ」な映画は、様々な強張りを解きほぐし、固定化したものを粉砕・解毒して自由にする力があるが、「幼稚」な映画は、う〜ん、なんといふか、小さく縮こまつてイイ気なもんなんである。

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2005年10月30日

WHITE CHICKS(最凶女装計画)

 DVDで映画『WHITE CHICKS(最凶女装計画)』を観る。これは、ババさんのレビューにもあるやうに、今年のアカデミー賞の時に並み居るアカデミー候補作品を押しのけて、庶民(マジック・ジョンソン・シアターに集ふ人々)の圧倒的な支持を受けてゐる、と(クリス・ロックによつて)証明された作品である。その事を知つて以来、観たい! 観たい! と思ひ続けてきた訳だけれど、実を言ふと心の底では少々舐めてゐた。どうせアホなアメリカ人が喜んで観る、アホアホでお下劣な映画なんだらうなー、と。それを観て、アメリカ人のアホさ加減を嗤つてやれ! といふ底意があつたのも事実である。が、アホなのは私の方であつた。これは、恐るべき傑作映画だつたのだ!

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2005年10月29日

映画館で観る

 ババさん来店。弥生座にて本日から始まつたゴダールの新作『アワーミュージック』を観て来たといふ。初日といふ事で、浅田彰の解説つきだつたらしく、一寸羨ましいのであつた。で、浅田彰はどんな事を言つてゐたんですか? 

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2005年10月25日

コープス・ブライド

 TOHOシネマズ二条にて『コープス・ブライド』(ティム・バートン監督)を観る。人形アニメである。自らの結婚式の前日に、誤つて死者に求婚してしまつた主人公を中心に、生者と死者が入り乱れてテンヤワンヤ、といつた内容。音楽なども含めて、ティム・バートン一党の美意識が貫かれ、観てゐて非常に気持ちの良い映画であつた。

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2005年10月21日

実録・共産党

 雑誌『en-taxi』11号別冊付録『実録・共産党』を読む。これは笠原和夫の未映画化作品であり、ファンの間ではその存在が有名な作品である。戦前の共産党の活動、といふか主に官憲との闘ひを描いたもので、予想してゐた通り無類に面白い。思想的な事はほとんど抜きで、武力闘争のみを描いてゐるので、それこそ東映ヤクザ映画! といふか、血湧き肉躍る感じで、是非とも映画化して欲しかつた作品である。

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2005年10月17日

ファンタスティック・フォー

 TOHOシネマズ2条にて『ファンタスティック・フォー』(ティム・ストーリー監督)を観る。これがまた! なんともアホアホな映画であつた。ストーリー、設定、登場人物、全てがアホらしい。あんまりアホアホ過ぎて、ここには何か批評意識が隠されてゐるのでは? と勘ぐつてしまふ程だ。

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2005年10月16日

The EAST SIDAZ

 雑誌「en-taxi」11号を購入。実を言ふと、「en-taxi」はもういいかな、と思ひ、先号から買ふのをやめてゐたのだけれど、今号は付録でなんと! 笠原和夫の未映画化シナリオ『実録・共産党』がついてゐたので、思はず購入してしまつたのだ。ババさんに見せると、「お! これは! 是非買はねば!」と言ふ。是非、購入して下さい。

 DVDで『The EAST SIDAZ』を観る。

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2005年10月09日

メゾン・ド・ヒミコ

 MOVIXにて『メゾン・ド・ヒミコ』(犬童一心監督・渡部あや脚本)を観る。私はこの映画がMOVIXでやつてゐるのは知つてゐたけれども、別に興味もなくやり過ごしてゐたのだが、先日ベッチから、『ジョゼ虎』と同じ監督 & 脚本のコンビだよ、と教へられ、慌てて劇場に駆けつけたのであつた。危ない、危ない、このコンビの映画を見逃す訳にはいかない。

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2005年10月03日

シン・シティ

 TOHOシネマズ2条に『シン・シティ』(ロバート・ロドリゲス & フランク・ミラー監督)を観に行く。なんとも退屈な映画であつた。などと書くと、まるで貶してゐるやうだが、実はさうでもない。十分楽しめたし、面白かつたのである。

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2005年09月26日

チャーリーとチョコレート工場

 TOHOシネマズ2条にて『チャーリーとチョコレート工場』(ティム・バートン監督)を観る。いつ、どんな時でもどのやうな場所でも、観たい映画はどんなもの? と訊かれたら、こんなやつ! と答へるやうな映画。私にとつては正にそのやうな1本であつた。

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2005年09月21日

ジョゼと虎と魚たち

 ビデオで『ジョゼと虎と魚たち(犬童一心監督)を観る。すでに2年ほど前の映画であり、当時かなり評判になつた作品でもあるので、今さらながらの感がなきにしもあらずだが、やはり「良かつた」と言はずにはをれない。特にジョゼ役の池脇千鶴は最高だ。窓越しに下から見上げるジョゼ、「ここに居(を)ッて」と泣きじゃくりながら訴へるジョゼ、最初で最後の旅行の準備支度を終へ、煙草を吸ふジョゼ。全てが素晴らしい。これによつて、確実に池脇千鶴は映画史にその姿を刻んだ。と、私は確信します。

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2005年09月18日

最近の腹立つこと

 あー、書くことがない。仕方ないので、“最近の腹立つこと”でも書くか。

 最近の腹立つことと言へば、そりャ何と言つても、TOHOシネマズ2条にて映画上映前に流れる“お知らせ & お願ひ映像”である。あの、携帯電話の電源を切つて、とか、当館にはプレミアムシートが御座いますよ、などと映像でインフォメーションするやつの事だ。

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2005年09月12日

Be Cool

 TOHOシネマズ二条に『Be Cool』を観にいく。これはバリー・ゾネンフェルド監督『ゲット・ショーティ』の続編。監督はF・ゲイリー・グレイに変はつてゐるが、前回が映画業界が舞台だつたのに対して今回は音楽業界が舞台なので、頷ける監督起用である。出演はジョン・トラボルタ & ユマ・サーマンの“パルプフィクション”コンビに加へ、クリスティーナ・ミリアン、アウトキャストのアンドレ、ブラック・アイド・ピーズ、セルジオ・メンデス(!)、ワイクリフにRZA(気がつきませんでした)、エアロスミスと、ミュージシャンが大量出演してゐて、音楽ファンならかなり楽しめる。さらに前作に引き続き映画ネタも多くて映画ファンも楽しめるし、自己言及ネタも多いのでパズルファンも楽しめる。ザ・ロックも大活躍してゐるのでプロレスファンも楽しめるだらう。…と、色々な人が様々な楽しみ方をできる映画のはずなのだが、レイトショー故かお客さんはほとんどなし。私は最前列のど真ん中(ちよつと左寄り)の席を占め、ひとりで笑ひ続けたのでした。

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2005年09月02日

妖怪大戦争

公式サイト: http://yokai-movie.com/

 実を言ふと昨日は映画の日だつたので、MOVIXにて『妖怪大戦争』を観たのであつた。その感想を記す。…いやー、なかなか面白かつたですよ、“分かつてゐる”感じがプンプンして。なんと言つてもプロデュースしてゐるのが、水木しげる・荒俣宏・京極夏彦・宮部みゆきの「怪」チーム。妖怪学においては最高峰に位置する人たちでせう。さらに監督が三池崇史となれば、「そこそこ」「なかなかに」面白い妖怪映画ができない訳がない。そして実際、「そこそこ」「なかなかに」面白い妖怪映画であつた、といふ訳だ。

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2005年08月16日

スターウォーズ エピソードIII

 実を言ふと、昨日はTOHOシネマズ二条にて「スターウォーズ エピソードIII」を観てきたのである。ちなみに私はスターウォーズシリーズには何の興味もない。子供の頃に第一作と二作(エピソードIVとV)は観たが、あまり面白くなかつたので、以後の作品は観てゐない。印象も薄かつたのか記憶も曖昧で、どんな話であつたのかもよく覚えてゐない、といつた感じである。そんな私が何故「スターウォーズ エピソードIII」を観に行つたのか。それは…副島隆彦のスターウォーズ論を読んだからである! ババーン!

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2005年08月01日

宇宙戦争

 TOHOシネマズ二条に『宇宙戦争』(スティーブン・スピルバーグ監督)を観に行く。さて、私はTOHOシネマズ二条は初体験である。家のそばにあるので、完成したら行き浸りだ! などと言つてゐたが、案の定全く行つてゐないのが、これまたある意味予想通りで我ながらをかしい。で、映画の日でもある事だし、そろそろ様子を観に行くか、となつた訳だが、TOHOシネマズ二条で観るとなれば、それはやはり『宇宙戦争』だらう。TOHOシネマズ二条は、とにかく音が大きいらしい。ババさんによると、隣のシアターの音まで聞こえてくるさうだが、他の人々の証言でも、『宇宙戦争』を観るならTOHOシネマズ二条で! 臨場感が違ふ! 他の映画館でも観たが全然違ふ映画のやうだつた! などと吹き込まれてゐたので、心して乗り込んだのである。

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2005年07月31日

BELLY 血の銃弾

 DVDで『B000657NN6.09._PE_SCM#DCE85.jpgBELLY 血の銃弾』を観る。主演はナズとDMX、共演にT-BOZやメソッドマンも出てゐて、音楽はクールなR & Bやヒップホップ、といふ典型的なブラックムービー。ストーリーもまんま典型で、ストリート出身のブラックが強盗やドラッグディーラーをして荒稼ぎをしてゐるが、色々あつて最後は改心する、といふもの。それがちやうど世紀末に合はせて描かれ、新しい世紀の始まりと新生を重ねてみせる、といふのが工夫をしたところ、かな。

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2005年07月11日

神父と牧師

 先日「『ミリオンダラー・ベイビー』について」「続・『ミリオンダラー・ベイビー』について」で、なにげなく“牧師”と書いたけれど、あれ、“神父”だつたんぢやないのかなー、といふ事を今日は書く。

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2005年07月05日

続・『ミリオンダラー・ベイビー』について

 昨日の続き。では、今度は話をマギーからイーストウッドに(役名忘れてしまひました)移さう。イーストウッドは、毎週のやうに教会に行く。アメリカとて、全ての人が毎週教会に通つてゐる訳ではないので、イーストウッドは敬虔な方になるだらう。が、イーストウッドは、教会に行くたびに牧師にややこしい教理問答を仕掛けて、牧師に嫌がられてゐるのだ。これはどういふ事か。これは、とりあへず、イーストウッドがキリスト教の教説の全てを素朴に信じ切つてゐる訳ではない、といふ事を示すだらう。それどころか、かなり拘泥してゐる。ほとんどイチャモンをつけてゐるやうにさへ見える。これはある意味当たり前で、キリスト教における「原罪」の第一とは、なにより「自分の人生を自分で決める」ことだからである。人の人生は神がきめるものであつて、人間が自分で決めるやうなものではない。といふのが、キリスト教の大前提である。とすれば、「自分の人生は自分で決める」といふリバータリアンの信念は「原罪」となり断罪される事になるので、リバータリアンとしては納得しかねるだらう。イチャモンもつけたくなる、といふものである。

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2005年07月04日

『ミリオンダラー・ベイビー』について

 一日中雨。書くこともないので、『ミリオンダラー・ベイビー』の政治分析でもしてみやうかと思ふ。(またか! とか言はないで下さい。こつちも書くことがないんですから)

 すでにみなさん御承知のやうに、イーストウッドは政治的にはリバータリアンである。彼の作る映画はいつも優れたリバタリ映画となつてゐるのだが、『ミリオンダラー・ベイビー』も例外ではない。今回は、主人公マギー(ヒラリー・スワンク)の生き方が、端的にリバタリ的に描かれてゐる。ここで復習。リバータリアンとは? ーーーそれは簡単に言へば、自分のことは自分でやる、国家の世話にはならない、だから国家も俺たちのやる事に干渉するな! といふものである。マギーは正にリバタリ的で、自分の生き方は自分で決める(そのために猛烈に努力する・闘ふ)、といふ姿勢が強烈に一貫してをり、私なんぞはいたく感銘を受けてしまつたのであるが、さて。ここ日本においてはまだまだリバータリアンといふ言葉は馴染みが薄いやうで、「自分のことは自分でやる」とか言はれてもそんなん当たり前ちやうの? そんなん政治的主張になんの? てな反応が返つてきたりする。故に、この映画を通してリバータリアンの政治的相貌を露はにしてみやうと思ふ。

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2005年06月28日

こない

 コータローくん来店。今まさに、『ミリオンダラー・ベイビー』を観て来た帰りだといふ。どうだつた?

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2005年06月23日

The Fighting Temptations

 DVDで『ファイティング・テンプテーションズ』を観る。これはビヨンセとキューバ・グッディング・Jr主演による映画で、サントラ盤も素晴らしく、アメリカで話題になつてゐる頃から、「観たい! 是非日本での公開を!」と願つてゐたものだが、それも虚しく日本未公開に終はつてしまひ(東京のどこかではチョロッと公開したかもしれない)、諦観の日々を送つてゐたところ、目出度くDVD日本発売となつたものだ。しかも充実の特典映像。もちろん、ビヨンセが出てゐるからには歌のシーンが満載な訳だが、映画では一部しか使はれなかつたそれらが、まるごと入つてゐるのである! こ、これは…と、慌てて購入。アマゾンでは、予約で買へば2割引だつたのである。

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2005年06月21日

inhale! inhale!

 さう言へば昨日POWERくん御夫妻が来店してゐて、私はちやうど帰るところだつたのだけれど、話が思はず『ミリオンダラー・ベイビー』の事に及んでしまひ、ついつい盛り上がつてゐるうちに、閉店までゐ座つてしまつた。しかしそれだけの事はあつた訳で、当然の事ながらPOWERくんは私と観てゐるところが違ひ、その点を話し合ふのは非常に面白く、且つ有益であつたので、そのうちの些細な事を書き記しておかうと思ふ。

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2005年06月17日

ミリオンダラー・ベイビー

公式サイト: http://www.md-baby.jp/

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