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Text by 小川顕太郎
2005年10月17日(Mon)

ファンタスティック・フォー
映画

 TOHOシネマズ2条にて『ファンタスティック・フォー』(ティム・ストーリー監督)を観る。これがまた! なんともアホアホな映画であつた。ストーリー、設定、登場人物、全てがアホらしい。あんまりアホアホ過ぎて、ここには何か批評意識が隠されてゐるのでは? と勘ぐつてしまふ程だ。

 たとへば、主人公たちは宇宙線を大量に浴びたためにDNAに変化が起き、超能力のやうなものを身につけてしまつた訳だが、一人のお調子者(火の玉野郎)を除いて、他の3人(ゴム男、岩男、ジェシカ・アルバ)はこの変化に悩んでゐる。世間から「超能力ユニット、ファンタスティック・フォー!」などとアホ丸出しの名前で呼ばれて見世物扱ひになるのはイヤだし、なにより科学者の良心が許さない。もともと実験途中のアクシデントから起こつた“事故”だつたのだ。そのミスを取り戻さなければならない。と、いふ訳で、みんな研究室に閉じこもつて、元の身体に戻る研究をしてゐるのだが、火の玉野郎は「俺はこのままでいいぜ、だつて人気者になれるんだもーん」とばかりに勝手に研究室を抜け出し、バイクショーに飛び入りしたりして、テレビに出たりする。

 あ、ここで注釈が必要だ。彼らは、身体が燃えたり、伸びたりする訳だけれど、そんな身体では、普通の服は着られない。そこで、「そうだ! 同じ宇宙線を浴びた素材なら、同じ変化をするはずだ!」といふ、思はず椅子からズリ落ちさうになるやうな理屈のもと、彼ら専用の服をゴム男(天才科学者)が作り、その服を彼らは着用してゐるのである。で、当然火の玉野郎はその服を着てテレビに映つてゐる。他の3人はその様子をテレビで観て、「あの野郎〜、調子に乗りやがつて。何がファンタスティック・フォーぢや!」と毒づいてゐるのだが、フッとよく見ると、火の玉野郎の服の胸元に④のマークが。「あれ、なんで④のマークがついてゐるの?」とジェシカ・アルバが叫び、自分達の服を見ると、そこにも④のマークが。ゴム男は素知らぬ顔で上を向いてゐる…。な、なんぢやこれはー!!! …まァ、アホアホ映画を作つてゐる、といふ事実に自覚的な事だけは、このシーンで分かる。にしても、やはりアホ過ぎて呆れざるを得ない。

 そもそも彼らは、このやうな素晴らしい(?)超能力を得ながら、別になんら世間の役に立つやうな事をしない。と、いふか、彼ら自身で問題を起こし(もう一人、同じく宇宙線を浴びた悪役が出てくるのだ)、それを解決するのにもの凄く派手に能力を使つて暴れまくるのだ。おかげで周りの人たちは大迷惑。クルマや建物は壊れるし、街自体もかなり無茶苦茶になる。それでも、最後には街の人たち全員が盛大な拍手をこのファンタスティック・フォーに送るのだ。ワー! 我らがヒーロー! と……。私はあまりに呆れ過ぎて、顎が外れさうになりました。やつぱ、アメリカ人で、正真正銘、世界一のアホやわ。

 もしかして、これはやはり、自分で勝手に戦争を起こしておいて、派手に騒ぎまくつて周辺の国々に多大な迷惑をかけ、それでも自らを「ヒーロー!」と自画自賛するブッシュ・アメリカに対する批判なのかな? うーん、分かりません!!! 全てがアホアホだと、ボケばかりでツッコミのない漫才みたいなもので、それが批評として成立してゐるのかどうか、分かりにくいのだ。

 ジェシカ・アルバ、バキバキのWASPであるストーム・スーの役を、ハーフ・メキシカンのジェシカ・アルバがやるのは原作に対する冒涜だ! と言つて、アメリカのオタクどもにバッシングされまくつたさうですが、なに、圧倒的に素晴らしかつたです! 彼女が見られただけでも、観て良かつたと思へる映画でした。

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