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 Diary 2004・6月2日(WED.)

『ビッグ・フィッシュ』
について2

 トモコが目を泣き腫らしながらやつて来る。本日はレディースディ。映画『ビッグ・フィッシュ』を観てきたのだ。

「あー、泣いた、泣いた。もう、信じられないくらゐ泣いた。」

 でせう! やはりトモコは泣くと思つてゐたよ。あのラストの「奇蹟」がねェ…。

「いや、私はラストのあのシーンは普通。いいとは思ふけど。それより、最初よねー」最初!?

「ユアン・マクレガーが指輪で魚を釣るところ。あそこでいきなり泣いたわー。わたし、大きな魚に弱いのよねー」

 はァ…さうですか。

「て、いふか、みんなこの映画のことを『父子もの』ッて言ふけれど、私は全然そんな風には観なかつた。やはり、これは恋愛映画でせう。息子とか、全然影が薄いぢやない。だから、ラストで臨終を看取るのが、奥さんぢやなくて息子なのが、凄く不自然に思へた。あそこでなんで奥さんの方が病院から家に帰るのかなー。納得できない」

 んー、やはりこの映画が「父子もの」「親子もの」として撮られてゐるからだらうねー。ま、原作がさうなんでせうが。とはいへ、「恋愛もの」として観た方が、ずつと面白いとボクも思ふけれど。正直、ボクもさう観てゐたし。で、「父子もの」として観ると、ババさんのやうにダメ…いや、ババさんは息子の方に思ひ入れをしてゐたからダメだつたのか。でも、なんでババさんは息子の方に思ひ入れたんだらう? みんながみんな、子持ちの訳ないし、普通はこれ、父親の方に感情移入できるやうに作られてゐると思ふのだけれど…。

「それは、息子のお嫁さん役のマリオン・コティヤールが、T子さんに似てゐたからよ」

 ガーン!! さうだつたのかー!!

 ちなみにトモコは、ヘレナ・ボナム=カーターに似てゐる、とたまに言はれます。

小川顕太郎 Original: 2004-Jun-4;