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 Diary 2001・6月10日(SUN.)

セシル・B
ザ・シネマ・ウォーズ

 今年の頭に北野武監督『BROTHER』を観ていたく感動し、その衝撃度の大きさからいっても今年は『BROTHER』を超える映画はもう出ないだろうと確信して、早々と「本年度のナンバー 1 は『BROTHER』だ!」と騒ぎまくっていたのだが、やられました。まだ今年の前半が終わらないうちに、『BROTHER』と並ぶ、いや超える映画と出会ってしまったあああああ!! ジョン・ウォーターズの新作『セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ』。

 そりゃあね、私はジョン・ウォーターズが大好きですから、新作は面白いに決まっているんですよ。でもね、実をいうと前作の『I LOVE ペッカー』で、あれ? ジョン・ウォーターズもそろそろ終わりか? とか、まあ少し思ってしまったんですよ。だから今回の映画も、予告編を観て「まあ面白そうか。でもジョン・ウォーターズならこれぐらいの映画を撮っても当たり前だしなあー。」とか妙に醒めていて、あまり期待もせずに観に行ったんですが‥‥。もおおおお、凄かったです。ディメンテッドフォエバー。

 映画観るバカ 作るバカ そのまた映画を褒めるバカ というぐらいで、世はバカ花盛り。バカというのは一向に減る気配をみせず増える一方ですが、なんですな、ジョン・ウォーターズっていうのは偉い奴ですな。わたくしホトホト感心いたしました。感動いたしました。やはり人間というのは映画を観ていたらバカになる、というのは事実だと確信いたしました。また、映画を観ていなくてもバカになる、という事実も痛感させられました。カフェを経営したり、ネット上で日記を書いたりするなんぞバカの証拠と得心させられました。右翼と自称したり、ノーザンソウル最高! とか叫んだりするのは、バカの上にバカを重ねるというか、なんというか要するに烏滸の沙汰だと納得いたしました。ディメンテッドフォエバー。

 映画を観て、ここまで笑ったのは久しぶりだ。席の上で身をよじり、前の座席の背中を蹴りながら笑ったのは久しぶりだ。思わずサントラ盤まで買ってしまった。明日からオパールでガンガンかけるぞー! ディメンテッドフォエバー!!

 家に帰って、サントラ盤を爆音でかけながら、毛筆で「ディメンテッドフォエバー」と書いてみる。とても下手糞で、凄く間抜け。だが、その時、私の頭の中にセシル・ B の言葉が響いたのだった。「テクニックは負け犬が使うものだ!」。おおおおお! ディメンテッドフォエバー!!! 私は毛筆を捨てて、焼ごてを手に持ち……。

 まだ観ていない人は今すぐみなみ会館に走れ! 15 日金曜日まで。

小川顕太郎 Original:2001-Jun-12;