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 Diary 1999・11月29日(MON.)

オバヤマ

 本日のパゾリーニは『ロゴパグ』だ。ロッセリーニ、ゴダール、パゾリーニ、グレゴレッティの 4 人によるオムニバス映画。題名は勿論 4 人の頭文字からとっている。まあ、これはパゾリーニ映画祭における中休み的な映画ですな。勝手なこと言ってますが。

 それでもパゾリーニの作品である第 2 話『リコッティ』は最高! もう最初にいきなりパゾリーニ本人が音楽にあわせて上半身裸で踊りまくるところからしてオッケー。んで、オーソン・ウェルズが出てきて「イタリア人はヨーロッパで最も無知で無教養だ」とか「フェリーニはダンサーだ」とか言ったりして、その側でひたすらイタリア人達が踊ったり笑ったりストリップをしたりイジメをしたりと悪ふざけの限りを尽くすという映画。この『リコッタ』の部分が「キリスト教を冒涜している」として押収され、懲役 4 カ月の判決を受けたそうだが、まあ無理ないよなというラディカルさを持っている。ちなみにパンフレットには『リコッタ』が第 3 話としてあるが、第 2 話ですよ。題名に惑わされたな。

 またもやヤマネくん、ババさんと「委員会」メンバー勢揃い。家に帰って BBS を見てみると、今日は他の回でベッチとタカハシマキさんも来ていたみたいだ。おおお、「推進委員会」の活動の成果が! オイシンにも 3 回券を売りつけたしな。みんな、会社や学校をさぼって「パゾリーニ映画祭」に駆けつけよう!

 ヤマネくんが車で来ていたので、送ってもらう。で、腹でも減ったなあと、ヤマネくんを居酒屋に連れ込む。そこで色々と話を聞いたのだけれど、一番びっくりしたのは、最近の子供ってものを考える努力をしないらしいね! 自分の興味の対象外、あるいは能力を越えた質問に対しては「わかりません」の一言ですますそうだ。それ以上考えようとしない。むろん一部の現象だろうけど、ここ数年で急激にそういう子供達が増えてるらしい。

 また、ヤマネくんの友達で、大学受験の試験官をしている人の話によると、「この問題はどういうことを言いたいんですか?」とか訊いてくる受験生がいるそうだ。ううむ。実際そういう人達に会ったことがないので何ともいえないが、何だか薄気味悪い話だ。私は「学力低下」とか「学級崩壊」とかは一向に構わないと考える人間だが、単なる馬鹿が増えるのは嫌だなあ。一体どういう事態が進行しているのであろうか?

 家に帰って久しぶりにテレタビーズのビデオを観る。やはり素晴らしい。こういう子供達が増えればいいのに、ってテレタビーズはテレタビランドの中でしか生きられないんだよねえ。我々はテレタビランドから疎外されている。しかしテレタビランドは我々の起源ではなくユートピアに過ぎない。こういう疎外論批判を実はパゾリーニはやり続けていたわけで、ユートピアに過ぎないものを「起源」にすり替えるのがファシズムなら、日々ファシズム化が進む現代日本社会においては、パゾリーニをみなおすことが実は最も必要とされているのでは、と「委員会」は言いたい訳です。みんなパゾリーニを観よう! 国民総背番号制反対!!

小川顕太郎 Original:2000-Nov-31;