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 Diary 1999・11月30日(TUE.)

パゾリーニ映画祭続行中

 パゾリーニ映画祭はまだ続いております。今日は『王女メディア』を観に行く。『王女メディア』は『アポロンの地獄』と同様、古代ギリシャの話だが、完成度においては『アポロンの地獄』にちと劣る。

 というか『アポロンの地獄』が素晴らしすぎた。『王女メディア』とて決してつまらない作品ではない。またもや荒涼たる砂漠に中近東あたりの民族音楽や日本の長唄が鳴り響き、おどろおどろしい格好をした人々が舞い踊り、首は飛ぶわ内蔵はしたたるわのなんとも野蛮で魅力的なギリシャを描いております。これには古代ギリシャを理想郷と仰ぐヨーロッパの人達は怒ったらしいよ。だって彼等は野蛮=アジアという事で、アジアを軽蔑しているからね。でもパゾリーニだって単なる意地悪で「野蛮なギリシャ」を描いたわけではなく、当時の研究でどうやら古代ギリシャはそうとう野蛮な土地だったらしいという事が分かってきたのを踏まえて撮っているわけだ。しかも題材が、ヨーロッパによるアジアの植民地主義的収奪の原型の物語といわれる『王女メディア』。みんな悔しくても文句が言えない。ね、教養が深ければ、意地悪も深くなるでしょ。

 オパールに「ザブリスキーポイント」のシラサワさんが来店。初めて挨拶を交わす。先日は投稿をしていただき、さらにマツヤマさんの「ザブリスキーポイント」用の原稿の掲載許可までいただきまして有り難うございます。「いまオパールのサイトが一番熱いんじゃないですか。かなりの数の人達がみてますよ」ほんとですか? こんな悪ふざけサイトをわざわざ見てくれる人がそんなにいるなんて。えっ? 悪ふざけと思っていない人も結構いるって? ううむ、そりゃマズイ。月がない晩は気をつけなくちゃ。パゾリーニみたいに殺されちゃかなわんよ。

小川顕太郎 Original:2000-Nov-1;