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 Diary 2005年7月25日(Mon.)

恐ろしい日本の未来

 副島隆彦の新著『恐ろしい日本の未来―私は税務署と闘う』を読む。またしても、素晴らしく面白い本であつた。この本は、副島隆彦のところに税務調査が入り、約2500万円の追徴金を課せられたことに対し、敢然と闘つた記録である。その闘ひの過程で、日本の税金の問題点、政治の問題点が鋭くゑぐり出されてゐる。小谷野敦は禁煙ファシズムと闘ひ、中島義道は日本の騒音と闘つてゐるが、副島隆彦はなんと税務署だ。ダントツに凄い。実際に担当の税務署員や税務署長の家にまで乗り込んでゐるのだ。まァ、どうやら中まで入れて貰へなかつたやうだが、それに対して、普段は貴様らは納税者の家にまで乗り込んで「いい家具ですねェ、高かつたでせう」などと軽口に紛らせて脅しをかけてゐるくせに逃げるとはなんだ! と、怒りまくつてゐる。凄い。尊敬せざると得ない。

 ところで先日、同じく副島隆彦の『人類の月面着陸は無かったろう論』が「と学会」主催による「日本トンデモ本大賞」を受賞した。トンデモ本とは、「と学会」の藤倉氏によると「著者が意図したものとは異なる視点から読んで楽しめる」本とのことだが、これだけだと分かりにくいので、「世間の常識からみてブッ飛んだことが書かれてゐて、それが無類に面白い本」と補足した方がよいと思ふ。とにかく、そのトンデモ本の大賞に副島隆彦の本が選ばれた訳だが、これは大いに納得がいく。副島隆彦の本はブッ飛んでゐて、かつ無茶苦茶面白いからだ。

 ただ少し気になるのは、“トンデモ本”に選ばれると、その本に書かれてゐる内容は面白いけれどトンデモないもので、つまり信用はおけず、その本の著者も奇人・変人の類でまともに相手にするものではない、といふ偏見が生まれてしまふ事だ。もちろん、「と学会」の人たちはさういふ事は意図してゐない、と主張してゐるが、実際問題として、さういふ風になつてしまつてゐる。「と学会」が、オカルト狩りの団体だといふ誤解が一部にあるのも、それ故だらう。だからこそ、私は敢へて言ふが、副島隆彦の本は、“トンデモ本”といふ括りには収まらない拡がりと深さを持つてゐる。そこには“真実”が描かれてゐるのだ。世の中には、変人・奇人でないと言へない・書けない真実といふものがある。いや、真実は狂言綺語でしか記せない、と言つてもよいだらう。ニーチェなんかさういふ例だが、正に副島隆彦もさういつた人間であると、私は確信する。

 と、いふ事で、みなさん是非『恐ろしい日本の未来 私は税務署と闘う』を読んで下さい。日本人必読です!

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小川顕太郎 Original: 2005-Jul-25;