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 Diary 2004・2月23日(MON.)

本色々

 ユキエさんは最近、江戸川乱歩にハマッてゐるさうだ。江戸川乱歩は、現在光文社が文庫で決定版的な全集を出してゐる最中であり、手に入れるのにはちやうど良いかもしれない。この光文社版の文庫全集の特徴は、子供向きに書かれた『少年探偵団』モノが多数収録されてゐることで、現在他社から出てゐる文庫には『少年探偵団』モノは入つてゐないのではないか(推測)。実際ユキエさんも『少年探偵団』モノがお気に入りのやうで、先日は『怪人二十面相』を読んで非常に面白かつたさうだ。私も自分の家の書棚を探すと、少年倶楽部文庫版(講談社)で同じ奴が出てきた。もちろん、これは絶版になつてゐるやつだ。で、ユキエさんに、次は何がよいですか、と尋ねられたので『三角館の恐怖(光文社文庫)かな、と答へた。これには『少年探偵団』モノの代表作である『青銅の魔人』が収録されてゐるのだ。これならユキエさんも楽しめるはず。私も買おうかな。

 タカハシくん来店。タカハシくんは私が薦めた数々の本の中では山田風太郎が気に入つたやうで、忍法帖シリーズを熱心に読んでゐるやうだ。とはいへ、風太郎の本はタカハシくんにとつては分からない字や言葉が多く、そもそもタカハシくんは基本的な歴史知識があまりにも欠如してゐるので、話を理解するのにかなり苦労してゐるやうではあるが。しかし、そんな事を乗り越へて面白いと思つて最後まで読み通すのだから、それは正しい読書だと言へるだらう。そんなタカハシくんにお勧めしたいのが、山田風太郎の『妖説 太閤記』 。これは風太郎の歴史モノでも傑作の部類に入るものだと思ふのだけれど、何故か長らく絶版になつてゐたのだ。それが先日とうとう復刊された。是非手に入れて読むことを勧める。そもそも豊臣秀吉がどのやうな人であつたか、を知らないのは日本人として問題だと思ひます。(タカハシくんの反応は「名前くらゐ聞いたことありますけど、何をやつた人なのかは…」といふ驚くべきものであつた!)

 ショウヘイくんが「『三位一体の神話』 を読み終はりました! メチャメチャ面白かつたです!」と震へながら言ふ。ああ、あれは最高だよね。私が最初に読んだ大西巨人の本だ。一読して、なんぢやこりゃー! と震へたのを覚えてゐる。「次は『迷宮』 にかかります」とショウヘイくん。うん、あれもなかなか面白い。では、私は『深淵』 にかかりますか。(今年中には)

小川顕太郎 Original: 2004-Feb-25;
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