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 Diary 2003・5月28日(WED.)

8 Mile』を観て

 本日はレディースディ。よつて、トモコが映画『8 Mile』を観に行つた。で、難しい顔をして店にやつてきたトモコに、映画の感想をきいてみる。

「ううーん、ううーん、わたしは…あまり面白くなかつたかな…。エミネムもちつとも格好良くないし」

 あ、さう! でも、MC バトルのシーンは良くなかつた? エミネムのスキルはさすがだつたでせう?

「うーん、さうかなあ…。私はもともとエミネムのラップはちつとも好きぢやないし、好きぢやないものを『好きぢやないけどいい』と云つた形で褒める気にはなれないのよねえ」

 まあ、ボクもエミネムのラップは好きぢやないけど…でも、やはり「スキル」といふものが存在して、それがあれば(たとへ白人でも)バトルに勝てるんだ、と思へる事は、ヒップホップの普遍性を垣間見させるやうで、興味深かつたんだけど。

「でも、エミネムって、やつぱり、ちつともヒップホップぢやないぢやない。エミネムは、さう、ロックよね、今の時代のロック。ヒップホッパーたちに訴へるものは、何もないわ。だから、この映画も、ヒップホッパーたちにはうけないんぢやないかしら。少なくとも、私はダメだわ。」

 むむむ…まあ、さうかなあ…。確かにボクも、エミネムはヒップホップといふよりロックだと思ふ。けど、ヒップホップも今や巨大化してゐるからねえ…かつてロックが占めてゐた位置を、かなり浸食しつつあると思ふんだ。その事が、ヒップホップの堕落と云へるのか、どうか。さういつた事を色々考へる上で、やはりエミネムは無視できない存在だと思ふんだけれどなあ…

「それは、さうだけど、でも、私の求めてゐたものはそこになかつた。あまりにも無難な映画。キム・ベイジンガーは良かつたけど。」

 なるほど。

 トモコによると、観客席の 3 分の 2 は埋まつてゐて、そのほとんどが B-GIRL だつた、との事。私が観た時も、B-BOY 率はかなり高かつた。彼、彼女らは、どのやうな事を思ひながら観てゐたんでせうか。

小川顕太郎 Original:2003-May-29;

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