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 Diary 2003・5月29日(THU.)

めだか

 トモコのお父さんがめだかを飼つてゐる、といふ話をしてゐたら、ショウヘイくんに「めだかは、もう、ほぼ絶滅種なんですよ」と教へられ、ビックリした。昔はあんなにどこにでもゐたのに…と、あまりはつきりとした記憶のないまま感慨に耽つたのだが、さういへば、と、家に帰つて『教科書から消えた唱歌・童謡』といふ本を取り出すと、やはり、そこに載つてゐた。『めだかの学校』といふ童謡に関する話の所で、めだかは平成 11 年、環境庁のレッドデータブックで絶滅の恐れがある種に入れられ、これを機に「絶滅から救おう」トラスト運動が始まつた、と記載してあつたのだ。私はこの部分を読んだはずである。そして、多分、その時も、めだかが絶滅の危機に! と驚いたはずなのだが、すべてきれいさつぱり忘れてゐた。この本を読んだのは、そんなに昔のことではない。まあ、かういふ事はよくあるとはいへ、やはりビックリするなあ。

 映画『ローマの休日』が、制作 50 周年記念でデジタル・ニューリマスター版が公開されるやうだ。ところでこの『ローマの休日』、原題は「ローマン・ホリデイ」、といふか「Roman Holiday」だが、この「Roman Holiday」とはどういふ意味なのか? って、そりゃ「ローマの休日」といふ意味とちやうんか! と云われさうだが、そしてまあ、それはその通りなのだけれど、この語にはもうちよつと違つた意味もあつて、それは「他人を犠牲にする娯楽」のことなのだ。古代ローマで、奴隷や捕虜を闘はせ、それを休日の大衆娯楽としたことから、このやうな意味に使ふ言葉なのだといふ。私はこのことを、以前に呉智英「ロゴスの名はロゴス」といふ本で読み、学んだ。そして、なぜかこの事は忘れず、「ローマの休日」と聞けば、すぐ「他人を犠牲にする娯楽」といふ言葉が浮かんでくるやうになつてゐる。

 何を覚えてゐて、何を忘れるのか、よく分からない。この日記も、なんだかよく分からない。

小川顕太郎 Original:2003-May-31;