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 Diary 2003・12月3日(WED.)

カコガワ

 新家主(オパールの入つてゐるビルの家主)の会社から、担当者の方二人が来訪。契約書の最終調節を行ふ。え! まだ契約書を交はしてゐなかつたの? と、驚かれる方もをられるかもしれませんが、まだだつたのです。色々と大変でね。もー、ちよつと疲れた、といふ感ぢなのだけれど、なんとか今回で調整がついたかな。不満がない訳ではないが(当たり前か)、仕方ない、といふ感ぢ。所詮私はトーシロで、ヤワな野郎でござんすから、交渉事は苦手です、ハイ。とりあへずは心機一転して頑張りませう! てなとこですか。

 それはともかく。最終調整はオパールのカウンターにて行はれたのだけれど、その間中ズウッと見られてゐる事が気になつてゐたやうで、担当者の一人が帰り際にかう言つた。

「これ、何のキャラクターでしたつけ?」

「ああ、それはテレタビーズです。」

「さうですか…なんか、店中こいつだらけですねェ」

「ハハハ、気になりますか。カウンターに座つた人は、みんなポーの監視下に置かれるんですよ」

「なるほど…、あのハインツの缶もそいつですねェ。確か、同じやうなシリーズで、紫色のケチャップとか有りましたよねェ」

「ええ! さうですか。それ、日本で売つてゐるんですか?」

「売つてゐたと思ひますけど…」

 そこで、もう一人の担当者の方が口を挟んだ。

「それは、カコガワだけで売られてゐる特別バージョンぢやないか、ヘインツとか何とか言つて」

 なるほど。この一言で、担当者の片方の人がカコガワの人だと分かつた。カコガワはディープな所だ、といふ印象が私にはある。私がカコガワの人たちから聞いた地元の話はどれも強烈で、中学生ぐらゐの頃は野良犬を殺して食べてゐたとか、祖父が死んだ時は座棺の土葬で埋めにいつたとか、とにかく世界が違ふ、といふ印象だ。だからこの紫のケチャップがカコガワだけで売つてゐる、といふ冗談も、あながち冗談とばかりはいへないのではないだらうか、と考へた。…

 うーん、交渉事の後で頭が疲れてゐるな。

小川顕太郎 Original:2003-Dec-5;