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 Diary 2003・12月2日(TUE.)

HOW HIGH

 ハシモトくんに借りた DVD で映画『HOW HIGH』を観る。これは 2002 年にアメリカで公開された、レッドマン & メソッドマンといふ 2 大ヒップホップスターを主役に据ゑたコメディー映画である。ヒップホップファンの間では公開前から話題になつてゐたもので、私も日本での公開を熱望してゐたが、結局公開されず、ガッカリしてゐたところ、日本版で DVD 化されたのだ。まァ、それだけでも良しとしなければならない。『NEXT FRIDAY』や『BARBERSHOP』なんか、日本で DVD 化もされてゐないのだから。

 で、内容の方だが…まァ、これなら日本で公開されないのも仕方ないかな、といふ感ぢ。それはユルユルのギャグが満載だから、とか、映画の作りが雑だから、といふ理由ではない。いや、確かに映画はユルユルの雑雑だし、一体監督誰やねん! …ジェシー・ディラン? ボブ・ディランの息子だつて! …あかんやん。といふ感ぢなのだけれど、これくらゐユルユルで雑雑なハリウッド映画はいくらでも日本で公開されてゐる。さうではなくて、ヒップホップに対するある程度の知識がないと、分からないギャグが多いのだ。レッドマンが着てゐる服のブランドが「BUFU」だつたりとか、NWA を褒めた白人をメソッドマンが殴つたり、それを見てゐたチャイニーズ系の留学生が「I AM FAREAST!」と叫んだりとか、パーティー会場にサイプレス・ヒルが遊びに来たりとか…。多分、ヒップホップのことを良く知らないと(つまり現在のアメリカのストリート文化のことをよく知らないと)、あまり笑へないだらう。私とトモコは笑ひましたが。

 しかし、さらに考へてみるに、かの「モンティ・パイソン」も、御当地ギャグが多すぎて日本人には理解困難だつたのに、そこがかへつて「難解・シュールなギャグ」として受けたのだから、この映画もその文脈でなんとかならないものだらうか。実際、大統領の死体を掘り出して、それを焼いてハッパにして吸ふ、といふ強烈なシーンがあつて、そこでのグロテスクな大騒ぎは「モンティ・パイソン」に通じるものがあるやうに思ふ。なんか分からんけど、可笑しい、のではないか。…やはり、ダメかな。

 とにかくメス(メソッドマンのことです)がお洒落でカッコイイ! それだけで満足したのでした。

小川顕太郎 Original:2003-Dec-4;