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 Diary 2003・12月4日(THU.)

ホルモン

 大阪の某カフェにて、トモコと一緒に白黴チーズを囓りながらワインを飲んでゐた。我々のすぐ近くの席にはサラリーマンの一団がをり、いささか傍若無人に騒いでゐたので、イヤでも彼らの会話が耳に入つてくる、といふ状況であつた。彼らは、スーツ姿の若いサラリーマン 4、5 人と、それと同数の女の子。私は彼女たちは同じ会社の OL さんかな、と思つたのだが、トモコは「スカートが短すぎる」と主張して、合コンではないか、と推測してゐた。まァ、それはともかく彼(女)らの会話だが、なかなかに性的なのだ。たとへば、しばらくパンチラに関する話が続いた後で、

「でもやつぱりオレは、パンツは穿いてない方がいいな。いつそ脱いぢやへよ」 「えー、でも、ズボンならともかく、私達スカートだしー」

「いや、別に『見せて』と言つてゐる訳ぢやないんや、オレはただ、パンツを穿いてゐない、といふ事実が欲しいだけなんや」

「イヤーン、キャハハ!」

 といつた感ぢで、私なんかはかういふのを聞くと、所謂セクハラと呼ばれるのはかういふ会話なんぢやないのか? とか思つてしまうのだけれど、本人たちはいたつて楽しさうである。確かに、セクハラといふ言葉は似つかわしくない。彼(女)らは、ジャレてゐるのだ。それは、行くところまで行けばセックスにまで行き着く、男女間のジャレである。山本夏彦は、男女の仲をホルモンと言つた。私はこの「ホルモン」といふ言葉がいままでしつくり来なかつたのだが、今日は彼(女)らの会話を聞いてゐて、「ホルモン、ホルモン」といふ言葉が頭の中を駆けめぐつたのであつた。うーん、ホルモン。

「といふことは、セクハラをじさんッていふのは、自分がまだ若いつもりで、女の子とジャレやうとして失敗してゐる訳ね。彼らにも、若くて、女の子とジャレても問題のない時期があつた訳ね。セクハラに変はりはないけれど。」と、トモコ。妙にひとりで納得してゐる。さうかも。ま、若い時から女の子に嫌はれてゐた人も多いだらうけど。

 少し、寒くなつてきたかな。

小川顕太郎 Original:2003-Dec-6;