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 Diary 2000・5月14日(SUN.)

働く若者

 クラタニくんが来店。カウンターを挟んで喋っていると、ソウルサバイバーズの相方であるイチモトくんからクラタニくんの携帯に電話がかかってきた。なんでもイチモトくんが終電で寝過ごして自分の降りるべき駅を過ぎてしまったので、仕方なく歩いて夜道を帰っていると、途中でガソリンスタンドがあり、なにげなく目をやると、そこで働くイワブチくんを発見したそうだ。

 ガソリンスタンドの夜勤は給料も良いらしく、何でも時給 1300 円とか。そこでイワブチくんは毎日 10 時間以上働いているのだそうだ。無論そのお金は全てノーザンソウルのレコードにつぎこむのだが、それでも追いつかず借金を積み重ねている、という噂。なんともノーザンソウルフルなお話。

 そういえばイズミくんも、先頃辞めたと言ってはいたが、工場の夜勤をずっとこなしていたらしい。勿論、給料は良かったのだろうし、そのお金は全てノーザンのレコードにつぎこみ、それでも足りずに借金もしていただろう。さらにイズミくんは工場の床で、スピンやアクロバットなど、ダンスの練習も重ねていたらしい。なんとまあストイックな。

 しかしこの二人の送っている日々。至福の一夜を迎えるために毎日単調で激しい肉体労働に従事し、そのわずかな合間をぬってダンスの技を磨き、収入の全てかそれ以上をつぎこんでソウルのレコードを買い集める、という日々。まさにノーザンな日々である。私のように、いい加減で移り気で不真面目な人間には考えられない日々である。二人の健闘を秘かに祈る。

 実はクラタニくんも、こういったストイックさにあまり関係ないのではないかと私は睨んでいる。そのクラタニくんは、自称「ブレーキの壊れている原付」で、「お疲れさま〜」と言いながら帰っていった。じっと見ていると、曲がり角の所でキキキキイイ!!!! と凄い音をたてて減速をしていた。足で地面をすっていたように思える。本当にブレーキが壊れているのか! いい加減な奴やなあ、と私は自らの確信を深めた。

小川顕太郎 Original:2000-May-9;