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 Diary 2000・12月22日(FRI.)

Top of the World

 今年を締めくくる最大のイベント「Top of the World」の日だ。今日のために私とトモコは店を休んだ。代わりにヒロキくんに出て貰える事になり、安心して我々は神戸に向かった。

 22 時半ぐらいに会場の OTO-YA に着く。入り口にはイワブチくんが居て挨拶。そこへイズミくんがやってきて「いまちょっと盛り上がっていないんで、お願いしますよ」と言われる。私ごときに何が出来るという訳でもないが、中に入れば確かにフロアでは 2 、3 人しか踊っていない。DJ はキタアキくんで、ジャッキー・ウィルソンの『BECOUSE OF YOU』がかかっている。それでは参りますか、と、コートを脱ぎセーターを脱ぎ、半袖のシャツ 1 枚になりフロアーに出た。クロスオーバーが流れる中、空いていて踊りやすい空間で、気持ちよく踊り始める。まだまだ始まったばかりだし、しばらくはこんな感じで、と思っていたら、続いて登場したケブ・ダージによって、この予想は簡単に覆されてしまった。

 前回「ノーザンボイス」にやってきた時は、ノーザンソウルをかけまくったケブだが、今回はバリバリのディープファンク。様々な事情があり、ノーザンソウル DJ としての自分は諦め、ディープファンクに徹する事にしたケブのプレイは迫力が違った。音楽の趣味云々の話を除けば、多分この日一番いい DJ プレイ。さすがにピート・ロックが敬愛するだけの事はある。私はいきなり熱があがり、激しく踊ってしまった。フロアも、瞬く間に埋め尽くされ、大盛り上がり。

 さてさて、いよいよお待ちかねのブッチの登場。ケブが「セカイデ、イチバンイイ、ソウル DJ」と、たどたどしい日本語で紹介する。ブッチは、雑誌の写真で見たのとはかなり印象が違って、気のいいおじさん、といった所。注目の 1 曲目がターンテーブルにのせられ、針が置かれる。ブッチの MC と同時に曲が流れ出す…‥おお! こ、これは Will Collins & Will Power の『Is There Anything I Can Do?』だ! し、知ってる曲だ! …って思わずそんな反応をしてしまったが、とにかく激レアなものをかける DJ というイメージが先行していたもので。

 無論、知ってる曲も結構かけてくれたのだが、どれもこれもかっこいいノーザンソウル、モダンソウルばかり。知らない曲もほぼ全て格好良かったが、どれだけレアなものかは分からなかった。まあ、それは当たり前で、世の中には知らない曲の方が多いのだから、知らない曲をいきなり聴いて「これはレア!」と思える訳がないのだ。

 ブッチの DJスタイルは、イントロの所でブチブチと曲を切って MCを挟む、というもので、ノリの点でいくと、ちょいと詰まり気味になる。新しい曲のイントロがはじまった所で、どうしたってダンスの動きが止まってしまう。これはノリやつなぎではなく、曲で勝負する DJ スタイルだな。このすげえ 1 曲を聴け! って感じだろう。確かに拝聴つかまつりました。

 キタアキくん、イズミくん、イワブチくんも、三者三様に気合いが入ったプレイを合間に挟む。ケブもフロアで汗びっしょりになって踊っている。なんという至福の時間‥‥が、次第に足が猛烈に痛みだし、頭も茫然としてきた。いや、今日はオールナイトで踊る覚悟でやってきたのだ、そのために店も休んだ、なんとしても、とスピンをしようとしたら、足がふらついて回れない。ダメだあ〜と、ダウン。フロアの隅に蹲った。マイちゃんがメチャ元気に踊り廻っているのをぼんやり見つめる。

 それでもラストは気力を振り絞って踊り、地獄のような、いや、天国のような一晩は終わった。いや、マジで疲れた。これから家に帰って、一眠りしてから店に働きに出かけるのかと思うとゾッとする。考えられない。そこにクラタニくんがやってきた。

「いやあ、お疲れさまです。今日は素晴らしかったですねえ。じゃあ、ボクはこれから会社に出勤します」。

 そうか…よし、今日も頑張って働きましょう!

小川顕太郎 Original:2000-Dec-24;