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Movie Review 1999・9月27日(MON.)

お伊勢詣り

 京都映画祭「1930 年代の明朗時代劇」特集の一本。山根貞男の前説付きであった。監督は市川雷蔵主演の『薄桃記』あたりが有名な森一生、脚本は溝口健二の後期のほとんどを担当した依田義賢。1939 年制作の明朗漫才時代劇だ。

 伊勢の旅館を舞台に、ミス・ワカナ、玉松イチロー、香島ラッキー、御園セブンなどの漫才、伴淳三郎のキテレツな演技が繰り広げられる。とにもかくにも掛け合いが始まるとカメラ固定の長回しで漫才がバッチリ捉えられており、クライマックスは大漫才大会で、ワタクシ久々にアドレナリンが吹き出ました。セリフの端々にもいちいち「どやっちゅうねん」「どないやねん」「どっちやねん」「どうゆうこっちゃ」「どうせいちゅうねん」などのツッコミが入り、最高に素晴らしい。

『森一生 映画旅』(山根貞男+山田宏一、森一生著)によると、「漫才は正面から撮らないとおもしろくならない、漫才師は客がいないと充分実力を発揮できないから、正面から撮るとカメラを観客に見立てられるので生き生きとしてくる」というようなことが書いてあったけど、その通りなんだ。これは漫才に限らず、歌でもダンスでも正面から、できればワンカットで撮るのが正解だ。

 中国戦線拡大中の頃であり漫才はバッチリ時局ネタ。若干中国人蔑視も入り、ミス・ワカナの怪しい中国語混じりの唄などテレヴィでは放映不可能であろうから激レア感満点だ。ラッキー・セヴンのネタをバラす。「最近、支那人はいっつも傘さしてるらしいで」「なんでやねん」「雨に濡れたら風邪ひくからね」「はあ、さよか」「タチの悪い風邪がはやっとるねん」「ほんまかい」「ほんまやほんまや」「どんな風邪やねん」「しょうかいせき」…どうです、メチャクチャ見たくなってきたでしょう?

BABA Original: 1999-Sep-27;

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