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 Movie Review 2003・10月23日(THU.)

リーグ・オブ・
レジェンド
時空を超えた戦い

 監督はスティーヴン・ノリントン。『ブレイド』で、ウェズリー・スナイプスのカッコよさをガッチリ描き、また『マトリックス』以前に、飛んでくる銃弾をヒラリとよける映像で度肝を抜いて、新作が待望されておりましたが(私だけ?)、またまたコミックの映画化、今回はいかがなものか?

 主人公は、ショーン・コネリー扮するアラン・クォーターメイン、余り馴染みがないですが『キング・ソロモンの秘宝』(1985)でリチャード・チェンバレンが演じていた冒険・探検家と言われれば、なるほど、とヒザを打ち、そういうクォーターメイン始め、著作権切れ 19 世紀末小説主人公たちを一同に会し「超絶紳士同盟」を結成、悪人退治に活躍させるという趣向、登場するは、アッと驚くそうそうたるメンバー、それぞれ主役を張れるキャラ総出演ワクワクの設定、で、そういうキャラ軍団が何するかというと、「ファントム」なる悪役に振り回されて右往左往するのであった。

「ファントム」級の悪人なら、こんなにキャラを集めなくてもやっつけられる感じ、つまり、異能キャラを生かし切れない脚本がダメ、有名キャラ勢ぞろいというと『魔界転生』ですけど、『魔界転生』は、柳生十兵衛が、有名キャラ多数をトンチで次々うち負かすのが面白かったわけで(原作の話です)、寄り集まって、無名の悪人一人をやっつけてもパッとしないわけです。(クライマックスで、この「無名の悪人」が実は……意外な著名人、と明かされますが、私は呆然と脱力したのでした。)

 例えば「ファントム」が、異能キャラを集めてヨーロッパ転覆をたくらむ、クォーターメインがトンチで一人ひとり倒していく、みたいな話の方が面白そうじゃないですか。

 というか、19 世紀末なら、ネモ船長の巨大潜水艦だけで、世界征服できるくらいのパワーがあるはず。ミサイルも発射できちゃうんですよー。正義の味方の側が強すぎるのに、モタモタするから困ってしまうのであった。

 とはいえ、ロンドンの街に突如、当時最新ハイテク兵器「戦車」が現れ、街をガリガリ走り回る、とか、アフリカで隠遁生活を送っていたクォーターメインが、当時の最新ハイテク兵器「マシンガン」を持った刺客に襲われるとか、オープニングはメチャクチャ面白そうで、やっぱりノリントン監督はやるヤツ! と一人ごちたのにショボン、でございます。

 特撮は ILM 、『インビジブル』『ハルク』用に開発された特撮技術の集大成って感じ、某潜水艦がベニスの水路を進んでいくのはスケール感狂ってますけど、時代色あるメカデザインはカッコいいです。

 とりあえず、ネタ元になった 19 世紀末の小説群を読んでみようかな? みたいな感じでオススメです。

☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2003-oct-22;

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