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 Movie Review 2003・10月22日(WED.)

スパイキッズ 3-D
ゲームオーバー

 ロバート・ロドリゲス監督の大人気(一部で)シリーズ第 3 弾! シリーズ第 3 弾といえば 3D! 「今、話題騒然!! 脅威の新方式! 立体アドベンチャーを今すぐ見よう!!」…とのことですが、これがとんでもない話で、一般的な「偏光フィルター方式」(『T2/3D』、『13 日の金曜日 PART 3』などなどなど)でなく、「赤・青方式」、すなわち私の 3D 映画初体験である『飛びだす冒険映画 赤影』(1969)と同じ色つきセロハン(?)メガネをかけて見る方式、30 数年前『赤影』ですら「おお! 飛び出してるじゃん!」と大いに脅威を感じ、思わず何もない空間に手を伸ばしたものなのに、この『スパイキッズ 3-D』、ジッと見つめていれば、そら立体に見えなくもないけど、メガネの赤・青が濃ゆ過ぎて、黄色がほとんどとんでしまって見づらいことはなはだしく、「この 3-D メガネ不良品でっせ!?」と交換をお願いしに席を立とうか、とか、あるいは映写機の光量不足なのかも? とか、よくまあこんな不良品、金取って見せるよなあ、というか、劇場(あるいは配給アスミックエース)の方は試写したのでしょうか? って、私の目が変?

スパイキッズ 3-D : ゲームオーバー@映画生活」を見れば「疲れるだけなんで、途中からメガネ外して観てました」「偏光メガネで見たかった」「色がはっきりせず、非常に見ずらかった」、「映画瓦版」 では、「肝心の立体映像がちらついてあまり楽しめなかった」と書かれており、別に私だけの問題ではない、またイオンシネマ久御山だけの不具合ではないようです。うーむ、今回の日本での上映、ロバート・ロドリゲスが望んだ立体効果は実現できているのでしょうかね。

 一方「しかしこの作品では特殊な処理を施すことで眼球への負担を減らしているとのこと。確かにぜんぜん疲れなかった」(「シネマ・クリティック」)方もおられ、一体全体どういうことでしょうか。私は、呆然と途方に暮れたのでした。

 そんなことはどうでもよく(よくないけど)映画それ自体は、ご存知スパイ・キッズことジュニが、大暴れ! ババーン! 「ゲームの世界に入りたい」という子供の夢が展開、もし 3-D 映像をキチンと「立体」として見ることが出来たなら最高の面白さでありましょう。ううううう。不完全な状態で鑑賞してしまったことを私は一生悔やみます。

 シルヴェスター・スタローンが悪役を演じていたり、ジョージ・クルーニー、サルマ・ハエックなど脇役が超豪華、その他、前 2 作の登場人物たちもゲスト出演、これが最終作とはさびしい限り、って、主役のジュニ & カルメンがすっかり大きくなって「キッズ」ではなくなってきたので致し方ない。R・ロドリゲス監督には、ぜひ『スパイ・ティーネイジャー』→『スパイ・アダルト』→『スパイ・オールドメン』、続々、続編を作り続けていただきたいものです。

 あまりの不良品ぶりに腰が抜けてしまい、ついつい場内が明るくなるまで席を立てなかったのですが、エンドタイトル後ジュニ=ダリル・サバラ、カルメン=アレクサ・ベガのオーディションテープが流され、「子供が大きくなるのは早いなあ」と、一人ごちたのでした。

 イオンシネマ久御山では「吹き替え版」のみの上映、やっぱりスタローンや G・クルーニーは本人の声を聞きたいもの、違和感ありありです。「不完全な状態での吹き替え版上映」となると、誰にもオススメできません。怒り心頭に発したい方にオススメ。

不完全な状態での鑑賞にて、採点不能(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2003-oct-22;

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