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Text by 小川顕太郎
2006年03月04日(Sat)

テルビスKの彼女
etc

 テルビスK昨日に引き続き来店。彼女が欲しい、と訴へる。そんな事を言はれてもなァ。体重が100キロ近くあつて、眉毛がなくて、顔色が黄土色の人間に紹介できるやうな娘は、私の周りでは思ひ浮かばないなァ。とりあへず、どんな女の子がいいの?

「***みたいな娘!」(注・私の全く知らない名前なので、覚えられず。でも確か、オオツカアイ、とかそんな名前)

 知らん! そんな名前。…もつと抽象的に言へんか。どういふ風な娘がいいのか。

「うーん…(3分ほど考へ込む)…他人のために泣いてくれる娘! がいいです」

 他人のために泣いてくれる娘? …なんだ、それは。今度は抽象的すぎてよく分からないな。もう少し、具体的にならんか。

「えー、と、ですね。たとへば、友だちの親が死んだとしますね。その葬式の時に、泣くやうな娘です」

 むむむー…分かるやうな分からないやうな。で、テルビスKはそんな娘がいいんだ。うむ、勤めてゐる会社とかにゐないのか、その、他人のために泣いてくれる娘は。

「ゐません。それに、ボク、会社では目立たないですから」

 なんで! テルビスKが目立たない会社ッて、どんなんや! あり得ないだらう、そんな異形なんだから。

「いや、ボク、まだぺーぺーだし。帰つてきた猫みたいに、大人しくしてゐるんです。」

 帰つてきた猫?

「ええ、ほら、あるぢやないですか、そんな言ひ回し」

 それは…“借りてきた猫”だらうが!! 帰つてきた猫は、もの凄くノビノビと傍若無人だと思ふぞ。

「あ…」

 さすがにテルビスKも少し恥ずかしさうなのでした。

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