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 Diary 2004・7月21日(WED.)

暑いときの寝方

 マツヤマさん来店。近頃はあんまり暑くてろくろく睡眠もとれない、と、私がこぼすと、「それならアイスノンですよ」と答へた。マツヤマさんは子供用アイスノンを首筋にあてて寝てゐるらしいが、とても快適だといふ。確かに、首筋の後ろ側の部分で人間は温度を感じるといふ話なので、その方法は有効かもしれない。エアコンをつけッぱなしで寝た時のやうな身体の疲れもない、といふ。

「それから、かういふ方法もあります。タオルでもなんでも、冷凍庫で冷やすんです。それを腋の下に挟む。腋の下には大動脈が通つてゐるので、それによつて冷やされた血液が全身を巡つて、身体が冷えるんです。」

 なるほど。

 基本的にエアコンつけッぱなし派のフクイくんが「だいたいからして暑すぎます。東京なんか 39 度ですよ。おかしい」と横から口を出した。さらに横にゐたババさんが「東京はビルの建てすぎ。自業自得だな」と低く笑ふ。

「それにしても、体温より高い気温が続くと、身体に悪いんと違ひますか」

「まー、脳細胞は破壊されるでせうねー。みんなバカになりますよ」

「会話の大半が『暑い』といふ話題だらうな。何も考へられなくなる」

「アイスノンは冷やした状態では売つてゐないんだよ、それが問題。もう、我慢できん! と思つて買ひ求めても、すぐには役に立たないの」

 ところで、この日記を書いてゐる我が家の部屋は、室内温度計で 36 度ほどある。かなり脳細胞が死んでゐる感じである。なにを書いてゐるのか、ボンヤリして、ただ、暑い、暑い、暑い、暑い、と、……。

 アイスノンとアイマスクを買ひに行かう。

小川顕太郎 Original: 2004-Jul-23;