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 Diary 2004・1月9日(THU.)

ソウルサバイバーズ
新年始め

 朝に台湾を発ち、日本に着いたのは昼過ぎであつた。それから家に辿り着いたのは 15 時過ぎ。昨日はほとんど寝てゐないので、今から充分に睡眠を採つて…といふのが望ましいのだが、そのやうな事は我々には許されてゐなかつた。今日から仕事始め。すでにオパールは開店して、今頃はユキエさんとワダくんが働いてゐるはずだ。我々も準備をして、店に出掛けなければならない。実は本日はその後、ソウルサバイバーズがあり、私はなんと DJ をしなければならないのであつた! 何故このやうな事になつてしまつたのか、我ながら自らの予定組み立て能力に疑問を感じざるを得ないが、決まつてしまつてゐるものは仕方がない。私は旅装を繙いて、簡単に片付けをした後、DJ 用のレコード選びを始めた。

 とはいへ、眠い。 7 インチを繰つてゐると、頭がボーっとしてきて、何をしてゐるのか分からなくなる。どうせ年初のソウルサバイバーズはいつも人が少ないし、なんでもいいか。多少自分の趣味を押し出したものでかまはないだらう。と、自分のその時に聴きたいと思つたレコードを何枚か選んだ。とても、お客さんのこと、盛り上げ方、なんかにまで気を回すことは出来なかつた。

 さて、我々二人のうちで、今日はトモコが先に店に出て、スタッフたちの賄ひを作ることになつてゐる。だからトモコは私がレコードを選んだり片付けをしたりしてゐる間、仮眠をとつてゐた。で、いざトモコを起こして私が代はりに仮眠をとらうとしたのだが、トモコが起きない。全く起きない。ちつとも起きない。もう、店に行かなければならない時間はとつくに過ぎてゐるのに、一向に起きる気配がない。仮眠といふより、仮死といつた感じで、揺さぶらうが、叩かうが、微動だにしないのだ。寝息だけが激しい。困つた。仕方がないので、私はシャワーを浴びて、自分が店に行くことにした。

 店にゐる間は、イチモトくんやシュウヘイくん、テラダさんやアサノさん、その他常連さんたちも続々と来てくれたので、みんなと喋つてゐれば、眠気を感じることはなく、無事過ぎた。

 0 時過ぎ。早めに店をひけて、コラージュに向かう。一歩中に足を踏み入れて、私は愕然とした。えらく盛り上がつてゐるのだ。お客さんもいつもの何倍も多い。またイズミくんが、みんなの喜びさうな曲を連発して、フロアを沸かせまくつてゐるのだ。私は狼狽へながら、ソッと自分の 7 インチボックスをチェックした。…そもそもノーザンをほとんど持つてきてゐない。疲労の極限でレコード選びをした故か、ノリノリの曲は避けられ、地味な曲が多い。うーん、どないしょ。イズミくんの紹介を受け、DJ ブースへ。新年の挨拶をした後、KENI BURKE の『LET SOMEBODY LOVE YOU』をかける。この曲はノリが良いので、フロアは沸いたまま。が、そこまで。直に、フロアは陥没した。…まァ、そんなもんだ。

 今日はエッちやんとクリス(a.k.a. トリックスター)、フランクといふ世界のノーザンシーンを渡り歩いてゐるドイツ人、なども来てゐて、客層に華があつた。彼らと話してゐるうちに、瞬く間に時間は過ぎ、なんとか朝まで完走できた。年初を飾るに相応しい、なかなか良いイベントだつたのではないだらうか。

「今日はねェ。ホンマいろいろーと、考へさせられる事の多い、イベントでした」

 わ! イチモトくん。どうしたの? なんでそんな難しい顔をしてゐるの? お客さんもたくさん入つたし、盛り上がつたし、良かつたんぢやないの?

「うううううん、主催者はつらい! ホンマ、いろいろーーーと、考へさせられました」

 さうか…。なにかと難しいんだね。とりあへず、私は帰つて寝ます。

小川顕太郎 Original: 2004-Jan-10;