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 Diary 2004・8月4日(Wed.)

タカハシくんの話

 タカハシくん来店。タカハシくんの田舎は宮崎県だが、地元に帰ると「大人の世界ぢやないから怖い」のださうだ。どういふ事かといふと、地元では大人になつた人たちは大抵都会に出てしまうので、中学生や高校生たちが街を圧してをり、むろん、かういつた中高生はまづヤンキーで、常に群れてゐたりするので、たまに地元に帰つても、すでに勢力地図から外れてゐるタカハシくんなんかは、胡散臭さうにジロジロ見られたりして、怖いのださうだ。街が小さく、遊び場も限られてゐるので、簡単に勢力地図らしきものが出来るのだらう。

 さういへばワダくんも、地元に帰つてチョット洒落た自転車やバイクに乗つて、カッコイイヘルメットなんか被つてゐたりすると、すぐにヤンキーに絡まれる、と言つてゐた。うーむ。

 タカハシくんの地元の友だちでも、大学まで残つた人たちがをり、彼・彼女らはそろそろ就職活動である。最近はさういつた人たちから電話がよくかかつてくるさうで、すでに働いてゐるタカハシくんに、色々とアドバイスを求めるのださうだ。彼・彼女らがほぼ全員口にするのは「自分の本当にやりたい事が分からない」といふもの。その後、すでに料理人としての道を歩んでゐるタカハシくんに対して、「やりたい事があつていいなー」と、必ず言ふのださうだ。ま、さうだらうな。

 最近、タカハシくんと同じ職場の後輩が仕事を辞めてしまつた。タカハシくんがそれなりに面倒をみてゐただけに、辞められたことはショックだつたやうだ。タカハシくんの弟も、1 週間で仕事を辞め、地元に帰つてしまつた。料理学校の同期だつた友だちも、何人も仕事を辞めてゐるさうで、タカハシくんも内心さうさう穏やかではないやうに思へる。が、とりあへず今は仕事を納得できるまでやる、マスターできる事は全てマスターしたい、と頑張つてゐるし、プライベートでは映画を観て、本も少し読んで、自転車を乗り回してゐる。神社仏閣を廻るのも、どうやら好きさうである。仕事帰りにはオパールに寄つて、様々な事を喋る。将来は京都に店を持つのが夢らしいので、もし店ができたら行つてやる、と、私は偉さうに言ひ渡してある。

 タカハシくんは現在 21 歳である。

小川顕太郎 Original: 2004-Aug-6;