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 Diary 2004・8月3日(Tue.)

東一条チャオ! シネマ

「東一条チャオ! シネマ」が終了するさうである。これは、会場として使つてゐた日本イタリア京都会館の 1 階ホールの閉鎖に伴つての事らしいが、非常に残念なことである。「東一条チャオ! シネマ」は、RCS が日本イタリア京都会館の 1 階ホールを借りて、普通の映画館ではやらないやうな作品や監督の特集上映、京都未公開作、過去の名画、などを上映してきた、仮設の名画座、みたいなものである。映画文化を支へてゐる(ゐた?)のは名画座である。名画座で、安価にて繰り返し上映される過去の名画を観ることによつて、我々は映画文化に参入するのだが、この名画座がドンドン潰れていつてゐる。かつて名画座が果たした役割を、レンタルビデオ屋とミニシアターが果たしてゐる、といつた意見もあらうが、ビデオで観るのと映画館で観るのでは体験の質が違ふし、ミニシアターはやはり新作に偏つてゐて値段も高い。とうてい名画座の代はりを担へてゐるとは思へない。京都のやうな学生の多い街なら、1000 円で 3 本立てを週替はりで観られるくらゐの名画座が、何個あつてもおかしくない。といふか、ないとダメだと思ふのだが、ないんだなー、これが。京都は映画の街、とかいつて、「京都映画祭」なんぞをやつてゐるけれど、名画座もろくにないやうな街は「映画の街」とは云へませんな。

 そんな中で、RCS の健闘振りは素晴らしいのだけれど、会場が閉鎖となれば仕方がない。また、どこかで再開して下さい。

 ちなみに「東一条チャオ! シネマ」の最後の上映会は 8 月 25 日〜 31 日まで。第一部は「チャオ! チネマ・イタリアーノ(イタリア映画祭傑作選)」として、新作イタリア映画を 3 本。第 2 部は、暗黒舞踏の創始者である土方巽の、京大西部講堂におけるラストステージのドキュメンタリーを。そして第 3 部は、過去に「東一条チャオ! シネマ」で上映された名画群の中から選りすぐつた 9 本を上映。『裁かるるジャンヌ』から『ノスタルジア』まで。みなさんも是非、足を運んで下さい。

小川顕太郎 Original: 2004-Aug-5;