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 Diary 2003・8月22日(FRI.)

社会主義とは何か

 タカハシくんと喋つてゐて、何の話のついでだつたか、社会主義について説明しなくてはならなくなつた。ああ、とうとう来たか、この時が。泥沼なんだよね、この話。

 しかし、20 世紀といふのは基本的に社会主義の興亡史であつて、我々もその延長線上にたつて生きてゐる訳だから、この話題は絶対に避ける訳にはいかない。そもそも、社会主義(とそれに対抗する概念としての資本主義、自由主義、保守主義など)に対する一定の理解なくして、現在起こつてゐる様々な現象を理解することは出来ない。そんな状態で新聞を読まうと、ニュース番組を見やうと、映画を観やうと、音楽を聴かうと、本を読まうと、全く何も理解できないだらう。だから、いづれはこの話題をしなくてはならないとは思つてゐたが、とうとう来たか…、しんど。

 とか言ひながら、珍しくカウンター内から出て、タカハシくんの隣に座つて色々と紙に書きながら説明したのだから、好きなのだらうな、私も。

 ところで、私はもちろん保守派の人間である。とはいへ、説明に関してはイデオロギー的偏向を避け、なるべく公平にしたつもりだ。つもりなのだが、どうも無意識に滲み出るものがあるのか、タカハシくんは社会主義的なものに眉をひそめがちなのだ。私は、これではイカン、説明の仕方が偏つてゐるのではないか、と思ひ、いきほひ社会主義的なものを擁護しがちになる。それでも、タカハシくんの態度にあまり変化が見られないので、最後には焦つて、保守的な考へを罵倒したりしてゐた。なんでやねん。

 タカハシくんはこの話題に興味を持つたらしく、自分の働いてゐる店にアルバイトに来てゐる大学生たちに、社会主義に関して色々と質問をしてみたらしい。が、みな一様に、「言葉は聞いたことあるけど、難しくてよく分からない」と答へたさうだ。ま、そんなもんだよ、今の普通の大学生なんて。でもね、タカハシくん、「ぢや、自分は左翼なん? 右翼なん?」といふ質問をするのは止めやうね、今にややこしいことになるから。

 暑い、ですね。

小川顕太郎 Original:2003-Aug-24;