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 Diary 2002・8月7日(WED.)

地べたに座る人達

 何を今更、と言われるかもしれませんが、私はいまだにあの、地べたにベタッと座っている人達が異様でなりません。特に制服姿の女の子達があぐらをかいていたり、足を伸ばして手を地面につけて座っている様は、言葉通り正視に耐えない。はっきり言って、醜すぎて見ていられないのです。これは美意識に関わる問題でしょう。他にも、お箸をちゃんと持てないで、変な持ち方をしている人も見ていられない。別に咎めたりしませんが、みっともない、と感じて目を逸らしてしまう。あと、字が汚いのも耐え難い。って、これは私の事ですが。(だから、30 歳を過ぎてから書なんて始めたのか?)

 所謂「うんこ座り」なら、良いのです。お尻が地面についていないから。昔、日本の軍隊が行軍中に休むとき、みな蹲踞の姿勢で、つまり「うんこ座り」かそれに準じる姿勢で休んでいたのを、外国の人が見て、その身体能力の高さに驚いた、という話を聞いたことがあるが、あの地べたにベタッと座っている人達は、身体能力が衰えているのでしょうか。先日タマイくんは「そうだよ、あいつらは身体が弱いんだよ」と言っていましたが、そうなのでしょうか。

 それから、文化の問題もある。マツヤマさんともよく語り合うのですが、やはり日本人は家の中で靴を脱ぐ、という文化が素晴らしいと思うわけです。私から見たら、家の中でも靴を履いているのは、不潔に思えて仕方がない。特にファッション誌なんかを見ていると、最近のパリでは、どうやらジーンズの裾を引きずって歩くのが流行りのようなんですが、あんな犬のうんこだらけの汚い道でズボンの裾を引きずって、それで家に中に入るのかと思うと、もう信じられない! だからペストが流行るんだよ! と、ずれた事でも言いたくなります。だいいち、靴を脱がなければくつろげないでしょ? よくオパールに来るお客さんの中に、靴を脱いでソファー席の上であぐらをかいたりしている人がいますが、そういうのを見ると、「うーん、日本人だなあ」と思って、思わず笑みがこぼれます。

 少し話が逸れましたが、要するに、家の中と外ではっきり区別をつける、というのが日本文化の基本だと思うわけです。だから、外で地面にお尻をベタッとつけて座ったり、寝ころんだりするのは(コンビニでたまに床に寝ころんで雑誌を見ている信じられない奴がいたりします)、日本文化からはずれていると思うのです。人間は誰でも、自分が生まれ育った国の文化によって支えられています。その支えを、うっとおしい、とか言って外してしまうと、とんでもない事になる。醜く、脆弱になってしまう。別に、髪の毛を染めたりするのは構わないんです。よく「日本人のくせに髪の毛を染めて」とか言って怒っている人がいますが、あれはよく分からない。髪の毛が何色だろうと、そんなもの日本の文化に何の関係もないじゃないか。と、私は思う。だいたい、丁髷をおとした時点で、もう髪の毛なんか何色でもいいんだよ。

 でも、地面にベタッと座るのは、どうもねえ。何か大事なものを失っているような気がします。うーん。やはり、そうだな。地べたにベタッと座るのは、ダメです。

小川顕太郎 Original:2002-Aug-8;