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 Diary 2001・10月28日(SUN.)

焼け石に水

 駅ビルシネマに『焼け石に水』(フランソワ・オゾン監督/2000 年)を観に行く。この映画はファスビンダーの未発表戯曲をもとにしているようで、お話はまさにファスビンダー的。愛の不可能性が、俗悪なブルジョワ性漂うキッチュなセットの中で描かれる。

 俗悪性といえば、フランソワ・オゾン監督は、悪趣味大王ジョン・ウォーターズが好き! と公言しているようで、ジョン・ウォーターズ的な要素も散見できる。しかし、ジョン・ウォーターズの徹底して俗悪性を肯定するポップさは、ファスビンダーの暗く、シニカルで、メランコリックな特性とは相容れないのではないか?

 私はジョン・ウォーターズは凄く好きだ。ファスビンダーは、凄く好きという訳ではないが、そこそこ好き。ジョン・ウォーターズの映画を観ると、頭がぶっとばされ、心身がリフレッシュされる。が、ファスビンダーの映画を観ると、なんだか心に傷が残ってしまう。もちろん、それがファスビンダーの映画の魅力なのだが、この『焼け石に水』では、そこの所がどうにも弱く感じられた。中途半端に軽い、というか。

 例えば、開かない窓を必死に開けようとする、というラストは、いかにもファスビンダー的で、これがファスビンダーなら、どうにもこのシーンが心に焼き付いてしまうのだろうが、なんか軽い。「ああー、ファスビンダーっぽいー」とか思って、バックに流れるフランソワーズ・アルディの歌を聴いていました。これが、今っぽいという事か? とはいえ、なかなか面白かったのです。キッチュな感じ漂うセットも、どちらかというと「オシャレ!」って感じ。典型的なモダンデザインの家具がバンバン出てくるし。そこがまた、(キッチュとして)弱い所でもあり、(今風として)魅力的な所でもある。それとももしかして、これが「フランス風」という事か!?

 駅ビルシネマは今月いっぱい。『焼け石に水』も今月いっぱい。まだ駅ビルシネマに行っていない人は、これを機会に行ってみるのもいい、かも。

小川顕太郎 Original:2001-Oct-29;